ユーチューバー(YouTuber)は個人事業主?税金はどうする

更新日:2019/04/10
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youtuber

小学生のなりたい職業ランキングの上位にYouTuberの文字が並びようになってもはや久しいです。

ところでユーチューバーは個人事業主として扱われるのでしょうか?となると税金はどうなるのでしょう。

気になる方も多いユーチューバー事情について紹介します。

ユーチューバーは個人事業主なのか

個人事業主とは単なる税法上の区分に過ぎません。単に税務署に開業届を出した人の事を意味します。

そのためラーメン店やタクシー運転手など一般の職業と同じように、ユーチューバーも開業届を出しているなら個人事業主の区分です。

税法上、ユーチューバーは下記の3種類に分けられます。

1.個人事業主
2.法人
3.会社員

ユーチューバーだから個人事業主とは限りませんし、会社員でありながら趣味兼お小遣い稼ぎとしてYouTubeに動画をアップする人も多いです。

むしろ会社員の副業ユーチューバーの数が最も多いかもしれません。YouTubeだけで生計を立てる人の数はまだまだ少ないです。

また開業届を出した後、ビジネスが大きくなったので節税を兼ねて法人化するユーチューバーもいますが、こちらはたった一人でも個人事業主ではなく会社経営者であり、社長になります。

合同会社なら代表社員、株式会社なら代表取締役と呼ばれるのです。

ユーチューバーの種類

ユーチューバーという言葉は職業名です。

いわゆる「好きなことで食べていく」というスタイルで、独立専業をしている人だけをユーチューバーと呼ぶのか、顔出しをしていないVチューバーも含めていいのか、もっと広い意味でYouTubeに動画をアップロードする人をまとめてユーチューバーと呼ぶのか?

単にユーチューバーと言っても、その活動のスタイルは様々です。

  • ・学生が内輪で盛り上がるために動画をアップしているだけなのか
  • ・会社員がこっそりお小遣い稼ぎ目的で動画をあげているのか
  • ・誰にも雇われず、YouTubeの動画収益だけで生活しているのか
  • ・会社経営の広報活動の一環としてユーチューバー活動をしているのか

大きく分けて上記の4種類ですが、世間一般的にはYouTubeに動画をアップロードする人をユーチューバーと呼ぶことが多く、動画制作の目的や収益については、あまり区別されない傾向があります。

世間の99%の人は撮影した動画をネットにアップなどしませんし、動画作成でお金を稼ごうという人は少数の中の少数だからでしょう。

ユーチューバー自身も様々な活動をするので、自分が本当に動画制作だけで生計を立てているユーチューバーであるのか、自覚が薄いところがあります。

ユーチューバーという職業名自体がYouTubeの広報活動の一環として広められた経緯があるので、運用上区別が出来ても、厳密な定義があるわけではないのです。

確定申告の方法

YouTubeの収益化審査にパスして広告収入が得られるようになった場合、専業ユーチューバーでも兼業ユーチューバーでも、法人化したユーチューバーでも確定申告が必要です。

お金を稼いでいるのに、税務署に申告しなければ脱税として罰せられてしまいます。

ただし副業ユーチューバーの場合は年間の収益が20万円未満なら確定申告をする必要はありません。

専業ユーチューバーの確定申告

動画制作による広告収入で収益を上げているからと言って、特別な手続きはありません。町の飲食店と同じように確定申告を行います。

個人事業主の確定申告には白色申告と青色申告との2種類があります。

個人事業主のユーチューバーで白色申告の人はまずいません。

開業届を出すだけだと、自動的に白色申告になってしまい節税効果が無いからです。

多少経理が面倒になっても65万円の控除がある青色申告にした方が良いのです。

やよいの青色申告オンラインなど、会計ソフトを利用すればそれほど難しい作業ではありませんので、必ず青色申告をするようにしてください。

※法人化したユーチューバーは、会社の経理と同じように決算を行います。法人化するレベルまで稼げる場合はクラウド確定申告ソフトを使うよりも、税理士に依頼したほうが省力化できるのでおすすめです。

副業ユーチューバーの確定申告

副業としてユーチューバーをしている人の場合も、ユーチューバー活動だからといって特別な確定申告方法があるわけではありません。

収益が20万円を超えたら、転売やアフィリエイトビジネスと同様に確定申告を行います。

会社にばれない様にしている人はかなり多いですが、副業解禁の機運が高まっているので、将来は会社経理にまとめて処理してもらえるようになる日が来るかもしれません。

もっとも現時点では、会社に副業を知られていい事はあまりないので、自分で手続きをしましょう。

ユーチューバーの経費とは

ユーチューバーという職業は認められる経費の幅が非常に広いです。

ただし専業と副業で切り分けが大分変ってきます。

専業ユーチューバーの経費

現時点では動画制作に関する出費がほぼ全て必要経費扱いになります。

代表的な経費は下記の通りです。

  • カメラ・三脚・ライト・マイク…等(雑費か減価償却費)
  • 編集ソフト・PC…等(雑費か減価償却費)
  • イラスト発注・編集外注・撮影アシスタント…等(外注工費)
  • レンタカー代・高速道路代・電車代・タクシー代…等(交通費)
  • 打ち合わせ時の飲食費(会議費・交際費)
  • 書籍など資料代金(新聞図書費)
  • スマホ・インターネット代金(通信費)
  • 電気代(光熱費)
  • 事務所家賃(地代家賃)
  • ソシャゲ課金代、その他(雑費・消耗品費・広告費)

これは年間数百万、数千万円稼ぐユーチューバーでも、弱小ユーチューバーでも同様です。

経費申請の条件

ただし。経費として申請するには条件があります。

経費申請ができるユーチューバーは、広告収益が発生しており、ユーチューバー活動を仕事(事業)として取り組んでいる場合に限られます。

経費の扱いで特に話題になるのがソシャゲの課金代です。

ソシャゲの攻略動画をアップしている場合は課金代が全額経費扱いとなっています。

100連ガチャ爆死!などの動画をアップしているユーチューバーは多いですが、経費として計上できるから何万円も課金できるのです。

数万円課金して派手に爆死することで数万再生を獲得し、チャンネル登録者増加を狙った広告費ともいえます。

チャンネル登録者が増えれば長期的には再生回数が伸びるので、1本の動画で得られる収益が赤字になっても問題ないという判断です。

ただし現状では税理士と協議した結果、課金は雑費扱いにしているケースが多いです。

ユーチューバーの間で、課金を経費扱いして税務署から指摘を受けたという報告は聞きません。

もちろんソシャゲに課金したお金を経費にしたいが為に動画をアップして、ユーチューバーとして活動する経費だと言い張る事は不可能です。

実際に収益が上がっていて事業性がある事が経費計上する条件だからです。

今のYouTubeの収益化審査基準ではチャンネル登録者1000人、合計再生時間4000時間以上という高いハードルがあるので、趣味のソシャゲの課金を経費にすることはまず不可能だと言えるでしょう。

副業ユーチューバーの経費

このように専業の場合は経費の区分が分かりやすいですが、副業として動画制作活動を行い、20万円以上広告収入が得られた場合、撮影に必要な経費を確定申告して認められるか、という点はグレーゾーンです。

副業の確定申告についての「教科書的な回答」としては、様々な経費を差し引いた結果、残った利益として20万円が計上されなければ確定申告が不要となりますが、実際の運用上はリスクがあります

税務署は入ってきたお金が計上されているか否かで判断を下します。経費の有無は申告がなければ知りようがありません。

もし仮に20万円を大きく超える広告費がYouTube(グーグル)から振り込まれていた場合、実際の経費が15万円かかっており、利益5万円しかなくても申告漏れの指摘を受ける可能性があります。

この時、経費として動画作成に使った機材や取材の為の交通費などを全部見せて、経費として認められれば問題ありませんが、税務署が動くレベルになると「お土産」なしで帰ってもらう事はまず不可能になる可能性が高いです。

その為、20万円以上振り込まれたら、ある程度の経費を含めた上で確定申告するべきです。

本当はもっと経費に使っているとギリギリまで攻めたくても、副業としている以上は危ない橋を渡るべきではないでしょう。

税理士や税務署もまだ協議段階

グレーゾーンで、法律上大丈夫だと本職の税理士でも言い切れないのは、ユーチューバーがこれまでに前例がない新しいビジネスだからです

ユーチューバーからの徴税や経費の扱いに関して、税務署が公式な見解を発表した事はありません。

しかし、税務署職員の現場感覚としては、「ユーチューバーの絶対数が少ないので、線引きできるだけの前例が揃っていない」とのこと。

税務署としては基準作りのために様々な事例を集めている最中だとも漏らしていましたが、いつになったら明確な線引きがなされるのか不明だそうです。

もっとも、ユーチューバーに限らず経費計上について最後は自己判断となります。どの程度のリスクを許容できるか十分に検討してください。

ユーチューバーの収益って?

ユーチューバーがどれだけ稼いでいるのか、という質問をする人は多いですが、回答するのは非常に困難です。

サラリーマンがいくら稼げるのか、レストランはいくら儲かるのか、といった質問と同じように、個人によって条件が違い過ぎるからです。

これは副業として取り組んでいる人と専業で取り組んでいる人、専業で取り組んでいる人の中でもYouTuber事務所(UUUMなど)に所属する人などで大きな開きがあります。

お小遣い稼ぎ目的から専業まで幅広く誰でも参入できるのがユーチューバーです。

収益はほぼ0円から数千万円まで様々だと言えるでしょう。

しかし収益の稼ぎ方については4パターンがあります。

再生回数に応じた収益

ユーチューバーなら誰でも得ているのが再生回数に応じた広告収益です。

アップしている動画のジャンルにもよりますが、大抵は1再生0.1~0.3円程度となっています。

金融、保険、健康関係の動画に特化したチャンネル運営をしている場合は更に単価が上がりますが、1再生1円という事はありません。

よってひと月に10本動画をアップしたとして、1動画が3万回再生されれば約10万円稼げます。

アップロードした動画は積み重ねられていくので、再生頻度が落ちても過去の動画の需要がゼロになるわけではありません。

アップした動画は資産となり、増えれば増えるほど毎月の収入が安定するのです。

スーパーチャットからの収益

収益化をすると、スーパーチャット(Super Chat)という機能が解放されます。

これは投げ銭機能です。

YouTubeで生放送をすると、視聴者は投稿者に投げ銭が出来るのです。

人気のユーチューバーは1回の生放送でスーパーチャットが10万円を超えるケースも珍しくありません。

広告収益よりも短時間で大金を稼ぐ事が出来るようになるので、熱狂的なファンを抱えるユーチューバーは度々、生放送をします。

企業案件からの収益

3つ目が企業案件。特定の企業が自社の商品・サービスのPRを人気ユーチューバーに依頼するというものです。

一時期はユーチューバーの間で企業案件の獲得がブームになっていましたが、今では広告料のバブルもひと段落して、落ち着きました。

広告主の企業にしてみれば、チャンネル登録者が多ければ多い程広告効果が見込めるので、報酬は大きくなります。

チャンネル登録者50万人や100万人のユーチューバーは広告案件動画1本で100万円以上を稼ぎます。

しかしチャンネル登録者が少なければダメというわけではありません。特定ジャンルに特化しているユーチューバーなら登録者1万人程度でも声がかかる事があります

ソシャゲ会社によっては有名動画配信者にガチャを回して動画ネタにしてもらうため、アイチューンカードの番号を送るなどして費用を補助するケースがありますし、企業案件の形は様々です。

起業案件とステマ

また企業案件であることを明かさずに広告をしてもらうケースもあります。

広告費を払って有名ユーチューバーに特定のサービスや商品を取り上げてもらうけれども、動画の中でスポンサー(広告主)の存在を伏せるのです。

広告だと知らせないままに広告する、いわゆるステルスマーケティング(ステマ)ですが、実は結構多かったりします。

以前有名ユーチューバーのラファ〇ル氏が極めて怪しい投資案件を動画で紹介して炎上しましたが、あれは企業案件のPR方法としては悪手だったと言えるでしょう。

仮想通貨ブームには、特定のコイン投資を煽る動画もありましたし、動画の方向性がいつもと違うな、と感じた場合は企業案件である可能性を疑ったほうがいいかもしれません。

ささやかな金額ではありますが、ソシャゲのガチャ費用を出してもらって爆死動画を作るのもステマの一種だと言えるでしょう。

サロン経営

最後がサロン経営です。YouTubeで獲得したファンをクローズな場に招待して、何らかの形で月額課金してもらう稼ぎ方です。

pixivファンボックスや有料メルマガ、月額課金noteなどがあります。

動画それ自体で稼ぐのではなく、動画で興味を集めて動画を作っている自分自身に課金してもらうのです。

稼ぎ方としてはファンマーケティングなので、スーパーチャットが近いと言えるでしょう。

こうして4つ並べてみると、再生回数だけでは大きく稼げない事が分かると思います。

非常に厳しいYouTubeの広告の収益化審査をパス出来ても、広告が貼れるようになるだけです。そこからがようやくユーチューバーとしての本番が始まるのです。

まとめ

ユーチューバー(YouTuber)も開業届を出して入れば、個人事業主として扱われます。

ただ、ユーチューバーの収益だけで生活をしているような人はまだまだ少ないのではないでしょうか。

専業にせよ、副業にせよ、収益を得ているのであれば、確定申告して税金を納める必要があります。

今後ユーチューバーを目指す人もその点はよく理解しておきましょう。

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