2019/10/17

個人事業主が納める税金の種類と計算方法

個人事業主・フリーランスと会社員の大きな違いの一つが税金です。

会社員として企業に勤めている場合は、自分で納める税金の計算をする必要もなく、税務署に納税に行く必要もありません。

一方の個人事業主は、自分の力で納める税金の金額を正確に計算した上で、税務署に申告・納税をしなければならないのです。

「自分で税金を計算して納税するのって大変そう…」
「もしかして頑張って稼いでもほとんど税金でもっていかれちゃうの?」

こんな不安の声が聞こえてきそうですが、安心してください!

たしかに個人事業主は自分で税金を納める必要がありますが、その分税金を控除できる方法も用意されています。

個人事業主としてお金を稼いだぶん、決められた金額をしっかりと納税するのは、社会貢献の一環だと思いませんか?

この記事では、個人事業主の納める税金について解説していきます。

節税のための方法や、便利な納税方法、社会保険についても紹介するので、これから個人事業主として頑張っていこうという方は最後まで読んでくださいね!

ビズローン編集長の田中です

ビズローン編集長:田中
当サイト「ビズローン」の運営をしております、田中と申します。
中学3年生のとき、父親の借金によって家庭が崩壊・・・。
その後、母親の勤務している医療法人の奨学金制度を利用して4年制大学へ。
毎月5万円ずつの奨学金の返済を継続中。
しかし、この借金を背負ってでも、大学に行った経験はかけがえのないものとなっています。
借金の酸いも甘いも知るオトコとして、みなさんの資金調達のお困りごとを解決するサポートをしていきます!

個人事業主が納める税金は4種類

個人事業主が自分で税額を計算し、申告・納税しなければいけない税金は以下の4つです。

  1. 所得税
  2. 住民税
  3. 個人事業税
  4. 消費税

「結構多いな…」と思われたかもしれませんが、実はこのうち個人事業税と消費税はほとんどの個人事業主が控除の対象となっています。

まずは、会社員時代は会社が納めてくれていた所得税について見ていきましょう。

個人事業主の税金その①所得税

個人事業主の事業年度は一律に決められていて、毎年1/1~12/31までとなっています。

1年間の収入に基づいて翌年の2/15~3/15までの間に、確定申告を行ない納税することを「申告納税制度」と言います。

事業主にとって売上や収入のどの部分が税金の対象となるのか、また申告方法の種類についても解説しましょう。

売上から経費と控除を差し引いたものが課税対象

会社員の場合は、毎月の給与から自動的に所得税を天引きする「源泉徴収」という制度のため、特に所得税額を意識することはありません。

会社が自動的に申告し「源泉所得税」として納付するからです。

しかし、個人事業主にとっては税金を自分で支払うことになるので、給与所得者よりは強く意識することになります。

課税の対象となるのは、売上高から事業に必要な仕入れ代金や光熱費など様々な経費と税制上の優遇措置である控除を差し引いた金額です。

(売上高-経費-控除)✕税率=所得税

税率については課税所得額によって次の表で算出します。

所得税の速算表
課税所得金額 税率 控除額
195万円以下 5% 0円
195万円を超え330万円以下 10% 97,500円
330万円を超え695万円以下 20% 427,500円
695万円を超え900万円以下 23% 636,000円
900万円を超え1,800万円以下 33% 1,536,000円
1,800万円を超え4,000万円以下 40% 2,796,000円
4,000万円超 45% 4,796,000円

基本的にサラリーマンも個人事業主も上記の表で所得税を計算するので違いはありません。

課税所得額500万円の場合は、【5,000,000円✕20%-427,500円=572,500円】が所得税です。

個人事業主としてはこの課税所得額を少なくするために、経費や各種控除額を活用することになります。

個人事業主の税金その②住民税

住民税はサラリーマンでも個人事業主でも納税義務がある地方税です。

道府県民税と市町村民税に分かれていますが、市町村に一括して納付し道府県民税は各市町村から納付を受けるしくみです。

○○県○○市に居住していれば、市民税、県民税、あわせて市県民税という呼び方が一般的です。

また所得に応じて課税する所得割と所得に関係なく一律に課税する均等割に分かれています。

  市町村民税 道府県民税
所得割 6% 4%
均等割 3,000円 1,000円

納付は毎年6月に市町村から通知初見納付書が送付され、6月、8月、10月、1月の4期で納付します。

納付方法はサラリーマンの特別徴収(給与天引き)と普通徴収(金融機関窓口、口座振替など)があります。

個人事業主の税金その③個人事業税

所得税はサラリーマンでも納付しなければいけない国税ですが、個人事業税は個人事業主だけが納税する地方税です。

法人の法人事業税に相当する税金と考えるといいでしょう。

所得税の確定申告を行なえば自動的に地方自治体から通知書が届くのでそれにしたがって納付します。

個人事業税の税率

事業税は経費を差し引いた所得から各種控除額を引いた金額に、3%~5%課税されます。

事業税の課税率は業種によって違うので下記の表を参考にしてください。

区分 税率 事業の種類
第1種事業 5% 物品販売業 運送取扱業 料理店業 遊覧所業
保険業 船舶ていけい場業 飲食店業 商品取引業
金銭貸付業 倉庫業 周旋業 不動産売買業
物品貸付業 駐車場業 代理業 広告業
不動産貸付業 請負業 仲立業 興信所業
製造業 印刷業 問屋業 案内業
電気供給業 出版業 両替業 冠婚葬祭業
土石採取業 写真業 公衆浴場業(むし風呂等)
電気通信事業 席貸業 演劇興行業
運送業 旅館業 遊技場業
第2種事業 4% 畜産業 水産業 薪炭製造業
第3種事業 5% 医業 公証人業 設計監督者業 公衆浴場業(銭湯)
歯科医業 弁理士業 不動産鑑定業 歯科衛生士業
薬剤師業 税理士業 デザイン業 歯科技工士業
獣医業 公認会計士業 諸芸師匠業 測量士業
弁護士業 計理士業 理容業 土地家屋調査士業
司法書士業 社会保険労務士業 美容業 海事代理士業
行政書士業 コンサルタント業 クリーニング業 印刷製版業
3% あんま・マッサージ又は指圧・はり・きゅう・柔道整復
その他の医業に類する事業
装蹄師業

個人事業税の控除

個人事業税の控除は白色申告や青色申告に準じていますが、青色申告特別控除だけは適用されません。

しかし個人事業税特別控除として290万円が一律に認められています。

所得税の課税所得に青色申告特別控除を加えて、290万円の控除を差し引いた金額が課税所得金額となります。

青色申告で課税対象額が300万円の場合、

(300万円+65万円-290万円)✕5%(第一種事業)=37,500円

が個人事業税の納税額です。

個人事業主の税金その④消費税

消費税は消費者が納税者となる国税ですが、納付義務は各事業者にあります。

しかし、すべての事業者に納付義務があるわけではなく、年商1,000万円がひとつの目安となります。

消費税の納付義務がある事業者

1,000万円の商品を売り上げると、消費税100万円(10%)を預かることになりますが、これをそのまま納付するわけではありません。

売り上げた商品は仕入を行なっているので、仕入金額の10%(仕入税額控除)を差し引いた金額を納付します。

対象となる仕入を課税仕入と言いますが、原材料や商品の仕入以外にも修繕費・外注費・事業用資産の購入なども対象となります。

しかし、前々年の課税売上高が1,000万円以下の個人事業主は「免税事業者」となり、消費税の納付義務はありません。

ただし、前年度の1/1~6/30までの売上が1,000万円以上の場合は、納税事業者となるので注意しましょう。

簡易課税方式のメリット

消費税の計算方法は、(売上金額✕10%-仕入金額✕10%)となりますが、簡易課税方式を採用するともっとシンプルになります。

簡易課税による課税金額=売上金額✕10%-売上金額✕10%✕みなし仕入率

売上高だけで計算できるので計算が簡単になるのが、簡易課税方式のメリットです。

みなし仕入率は業種によって決まっていて卸業(第一種事業)は90%、小売業(第二種事業)は80%です。

簡易課税を採用するには前々年の売上が5,000万円以下で「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出していることが条件となります。

個人事業主の確定申告は青色申告がお得

冒頭でもお伝えした通り、個人事業主は会社員とは違って、自分自身で課税金額を計算して申告、そして納税をする必要があります。

会社員と個人事業主の納税の違い

会社員と個人事業主の納税の違い

個人事業主の確定申告書は2種類あり、白色申告・青色申告と呼ばれています。

白色申告の場合、帳簿の記帳が義務付けられてはいますが、取引ごとに記帳する必要はなく1日分をまとめて記帳できる簡便なものです。

また事前に届け出る必要もなく、「青色申告承認申請書」を提出していなければ、自動的に白色申告者として扱われます。

白色申告では提出書類も簡便ですが、青色申告者に与えられる特別控除もありません。

白色申告で認められているのは専従者控除と呼ばれている控除だけです。

【専従者控除】

配偶者や家族の給与を控除できるもので配偶者は86万円、その他の家族は50万円を限度として控除対象となる。

これに対して青色申告の場合は税制上のメリットが豊富です。

青色申告のメリット

青色申告のメリットは以下の4つです。

【青色申告のメリット】

  1. 青色申告特別控除10万円(簡易簿記)、65万円(複式簿記)がある
  2. 赤字を3年繰越できるので4年目が黒字でも3年分の赤字と相殺すると節税になります。
  3. 白色申告では経費として上限が決められていた専従者給与が全額控除されるので節税額が大きくなる。
  4. 白色申告では10万円未満の資産しか認められていない一括経費計上が30万円万未満まで認められる。

上記のように青色申告には節税メリットが多いので、最初は白色でも最終的には青色申告を目指しましょう。

また帳簿付けや確定申告は会計ソフトで簡単にでき、税理士に依頼するよりは格安で申告できます。

青色申告には届出が必要

青色申告をするためには事前に税務署に「所得税の青色申告承認申請書」を届け出する必要があります。

届出は申告年度の3/15まででそれを過ぎると次年度からになってしまいます。

例えば平成27年の確定申告は平成28年3月15日までに行ないますが、青色申告するためには平成27年の3月15日まで届け出する必要があります。

新規開業の場合は事業開始日から2ヶ月以内、1/1から/15までに開業した場合は3/15までに届け出すればOKです。

確定申告の流れ

確定申告の流れは大きく分けて3つです。

確定申告書類の作成

税務署に確定申告書類の提出

納税

確定申告書類の作成

毎日の帳簿付けをおこなっているのであれば、それを確定申告書類に写していくことで確定申告書類が完成します。

確定申告書類は国税庁のサイトから入手できますし、税務署でも入手可能です。

もし日々の帳簿付けをしていなかったのなら、領収書や納品書、預金通帳などを確認して帳簿を完成させましょう。

ただ、手書きで帳簿を作るのは簿記の知識も必要ですのではじめてだと苦労することになります。

確定申告は毎年行わなければならないので、帳簿づくりをサポートしてくれる個人事業主向けのクラウド会計ソフトの導入は必須と言えます。

MFクラウド確定申告」なら作成した帳簿から自動的に確定申告書類の作成ができるのでおすすめです。

このとき作成した帳簿や領収書、納品書、売上伝票などは7年間保管しておく義務がありますので、確定申告が終わったからと言って捨ててしまわないようにしてください。

税務署に確定申告書類の提出と納税

確定申告書類は2月16日~3月15日の1ヶ月間が提出期限になりますので、その間に最寄りの税務署に提出して確定申告を行います。

期間が1ヶ月あるとはいえ、悠長に構えていてはいけません。

3月に入れば税務署も非常に混みあい、確定申告のために半日潰れることがざらにありますので、2月の内に済ませておくのがおすすめです。

確定申告しただけでは納税したことにはなりませんので、後に送られてくる納税通知書に従って、各種税金を納税してください。

☆ポイント☆

確定申告を少しでも楽にしたいなら、以下3つのアイテムをゲットして下さい!
・クラウド会計ソフト
・事業用クレジットカード
・事業用口座
これらがあれば事業の収支をカンタンに把握して帳簿付けができます。
また、税金はクレジットカードでも納税できるので、納税ついでにポイントも貯まりお得ですよ。

納税のタイミング

個人事業主が納める4つの税金を納税するタイミングは以下の通りです。

税金の種類 納税のタイミング
所得税 確定申告時
住民税 6月、8月、10月、翌1月(もしくは一括)
消費税 3月31日まで
個人事業税 8月、11月

4つとも確定申告で納めなければいけない税額が決まりますが、納税するタイミングは異なります。

納税するタイミングによっては、手元のキャッシュが心もとないという場合もあるかも知れません。

そういうときこそ、納税をクレジットカードで行い、キャッシュフローを安定させましょう。

続いては、クレジットカードで納税をする方法を紹介します。

法人カードで納税する方法

個人事業主や法人が事業用決済専用に利用するクレジットカードを法人カードと言います。

この法人カードを持っていれば、税金をクレジットカードで支払える上に、納税した分カードのポイントも貯めることができます。

法人カードで各種税金を納税する場合は税務署などに出かける必要はありません。

事務所にインターネット環境があればパソコンやスマホを利用して、いつでも納税することができます。

法人カードで税金を納税するためには以下の専用サイトを利用しましょう。

サイト名 URL
国税クレジットカードお支払いサイト https://kokuzei.noufu.jp/
都税クレジットカードお支払サイト https://zei.metro.tokyo.lg.jp/
千葉市税納付サイト https://koukin.f-regi.com/fc/chiba_city/payment
大阪市税納税サイト https://koukin.f-regi.com/fc/osaka_city
京都市税納付サイト https://koukin.f-regi.com/fc/kyoto_city/
Yahoo公金支払い https://koukin.yahoo.co.jp/

上記以外にも各地方自治体が地方税をカード決済できるサイトを立ち上げているので、自社のある自治体のサイトを探してみましょう。

会社がある地方自治体に専用サイトがない場合でもYahoo公金支払いを利用して納税できる場合もありますよ。

ただし国税の場合、Yahoo公金支払いは利用できないので、国税クレジットカードお支払いサイトを利用することになります。

次に国税を例にして法人カードで納税する流れを紹介します。

法人カードを使った納税の流れ

国税クレジットカードお支払いサイトでの納税の流れは以下のとおりです。

  1. 利用に当たっての注意事項の確認
  2. 納付情報の入力
  3. クレジットカード情報の入力
  4. 手続内容の確認
  5. 納付手続の完了(最終確認)

地方税を法人カードで納付する場合の流れもほとんど同じなので参考にしてください。

 

1. 利用に当たっての注意事項の確認

 まずは注意事項をよく確認しましょう。初めての利用の場合は特に必要となります。

2. 納付情報の入力

納付情報は氏名・住所・納付金額・税目など従来の納付書に記載されている情報のことです。

3. クレジットカード情報の入力

クレジットカード番号、有効期限、支払方法、セキュリティーコードの入力が必要になるので、手元に法人カードを準備しましょう。

4. 手続内容の確認

すべて入力すると確認画面が表示されるので間違いがないかどうかを確認します。

5. 納付手続の完了(最終確認)

最後に納付ボタンをクリックして終了します。

 

「国税クレジットカードお支払いサイト」を運営しているのはトヨタファイナンスです。

でも、使えるクレジットカードはトヨタファイナンス発行のカードでなくても、もちろん大丈夫ですよ。

クレジットカードによる納税は手数料に注意

クレジットカードには2種類の手数料があり、それがカード会社の利益となります。

ひとつはカード会員が支払う手数料で、もうひとつは加盟店が支払う手数料です。

クレジットカードで納税する場合、加盟店は税務署(国)または地方自治体ということになります。

加盟店が民間企業であれば加盟店手数料をカード会員に負担させることは禁じられていますが、国や地方自治体が加盟店となるためカード会員が負担することは認められています。

つまり納税にかかる手数料は加盟店手数料と同じということになります。

しかし一般的な加盟店手数料は2%~5%とも言われているので、それに比べると納税の場合の手数料は格安となっています。

納税の決済手数料は1万円に付き82円(税込み)となっているので、およそ0.82%と考えておきましょう(2019年10月1日の消費税増税後は83円)。

納税額が100万円の場合、約8,200円の手数料となるのでバカにできない金額となりますね。

でも、納税専用法人カードを作るときにポイント還元率が0.82%を超えるカードを選ぶとお得ですよ。

法人カードで税金を納めるときにおすすめの1枚として「セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード」を紹介します。

セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード

セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードをおすすめする最大の理由は、マイル還元率が1.125%でクレジットカード納税手数料の0.82%を超えるという点です。

登録無料でセゾンマイルクラブに入会すると、JALマイルが1,000円に付き10マイル貯まります。

ただし、セゾンマイルクラブに入会するとポイントサービスの永久不滅ポイントが2,000円で1ポイントの付与率になるデメリットがあります。

それでもセゾンマイルクラブで1%、ポイント交換も含めてJALマイルでの還元率1.125%は十分なメリットがありますね。

・1,000円1マイル(セゾンマイルクラブ)→1.0%
・200ポイント500マイル(永久不滅ポイント)→0.125%

クレジットカードで納税した際の手数料以上の金額がポイント(JALマイル)で返ってくるので現金で払うよりすっとお得ですね。

貯まったJALマイルは出張での経費節減や福利厚生に活用することができます。

 

セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードの基本スペック

年会費 20,000円(税抜)
・年間利用金額200万円以上で次年度年会費地抜き10,000円
入会資格 個人事業主または経営者(学生、未成年を除く)
利用限度額 個別設定
ポイントサービス 永久不滅ポイント
・基本還元率0.5%
・ポイント有効期限なし
海外旅行傷害保険 最高1億円
国内旅行傷害保険 最高5,000万円
ショッピング安心保険 300万円
その他のサービス・特典 ・国内空港ラウンジサービス
・プライオリティパス
・カードデスクサービス(コンシェルジュ)
・ビジネス・アドバンテージ
その他各種トラベルサービスやビジネスサポートサービス、優待特典が豊富

 

個人事業主の社会保険は4種類

個人事業主は会社員と違い、自分で税金を納めなければならないだけでなく、自分で社会保険に加入しなければなりません。

個人事業主が加入すべき社会保険が以下の4つです。

  1. 健康保険
  2. 国民年金
  3. 労災保険
  4. 従業員の社会保険

それぞれ会社員時代とどう異なるのか確認しておきましょう。

個人事業主の健康保険は3つの選択肢がある

個人事業主が加入できる健康保険は主に以下の3つです。

  1. 国民健康保険
  2. 国民健康保険組合の保険
  3. 前職の保険組合の任意継続

国民健康保険は個人事業主の中では一番ポピュラーな保険制度ではないでしょうか。
前年度の収入によって保険料が増減するのが特徴です。

また、業種によっては健康保険組合の保険に加入するほうがお得になることがあります。
組合によって保険料はことなりますが、収入に関係なく一律の保険料だからです。
健康保険組合は特に専門的な技術職に多く、士業や芸術関係のお仕事なら、同業者に相談してみることをおすすめします。

ちなみに、前職で加入していた保険組合の保険を任意で継続することも可能です。
ただし、会社員時代なら会社と折半で負担していた分が全て自己負担となるので、国民健康保険と自分の業種の保険組合の保険をよく比較してください。

個人事業主の年金は国民年金

会社員時代に加入していた年金は厚生年金だったはず。
個人事業主になると、厚生年金ではなく国民年金に切り替わります。

現在のところ、毎月の保険料は16,410円となっています。

国民年金保険料は、2年分までまとめて前納することができます。

2年分まとめて前納すると、14,520円お得になるので、余裕があるなら前納することがおすすめです(令和元年10月現在)。

また、個人事業主は国民年金以外にも3つの年金を国民年金に付加することができます。

  • 付加年金
  • 国民年金基金
  • 確定拠出年金

老後資金の備えとして是非検討してみてください。

個人事業主は業種によって労災に特別加入できる

個人事業主は通常経営者であって労働者ではないため、労災には加入できないと思っていませんか?

実は、一人親方など条件に当てはまる業種の方なら、特別加入制度を利用することで、労災に加入できる場合があるのです。

労災に特別加入できる条件は以下の7つです。

  1. 自動車を使用して行う旅客又は貨物の運送の事業(個人タクシー業者や個人貨物運送業者など)
  2. 建設の事業(土木、建築その他の工作物の建設、改造、保存、原状回復、修理、変更、破壊もしくは解体又はその準備の事業)(大工、左官、とび職人など)
  3. 漁船による水産動植物の採捕の事業(7に該当する事業を除きます。)
  4. 林業の事業
  5. 医薬品の配置販売(医薬品医療機器等法第30条の許可を受けて行う医薬品の配置販売業)の事業
  6. 再生利用の目的となる廃棄物などの収集、運搬、選別、解体などの事業
  7. 船員法第1条に規定する船員が行う事業

※全国労働保険事務組合連合会ホームページより

なお、労災に特別加入するためには、全国労働保険事務組合連合会に事務処理を委託する必要があります。

従業員を雇った場合は社会保険の加入が絶対

個人事業主とはいえ、従業員を雇った場合には、社会保険に加入する義務があります。

加入する社会保険は以下の3つです。

  • 労災保険
  • 雇用保険
  • 健康保険・厚生年金

加入条件などをテーブルにまとめておいたので、参考にしてください。

  労災保険 雇用保険 健康保険・厚生年金
加入条件 従業員1名から加入可能 従業員1名から加入可能
パートやアルバイトは31日以上雇用の見込みがあり、かつ1週間の労働時間が20 時間以上ある場合に加入可能
適用業種であり、従業員数5人以上の場合
また、適用外業種の場合は従業員5人以上かる従業員の半数以上の同意があれば任意で加入可能
保険料負担 事業主が全額負担 事業主と従業員 事業主と従業員
加入先 労働基準監督署 ハローワーク 年金事務所
加入方法 労働保険保険関係成立届を提出後、労働保険番号が発行。
その後、労働保険概算保険料申告書を提出。
雇用保険適用事業所設置届を提出。
その後、労働保険概算保険料申告書を提出。
※要労働保険番号
「健康保険・厚生年金保険 新規適用届」を提出後、社会保険に加入する全員分の「健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届」を提出。

法人の税金と個人事業主の税金はどちらがお得なのか

個人事業主の中には、将来的には今の事業を法人化することを考えている人もいますよね。

法人化することになれば、個人事業主のときとはまた異なる税金を納めていくことになります。

個人事業主が納める税金が4種類あるのに対して、法人が納める税金は6種類。

個人事業主が納める税金 法人が納める税金
  1. 所得税
  2. 住民税
  3. 個人事業税
  4. 消費税
  1. 法人税
  2. 法人住民税
  3. 法人事業税
  4. 地方法人特別税・特別法人事業税
  5. 消費税
  6. 固定資産税

この数だけ見ると、個人事業主の方が納める税金が少なくて済むと思うかも知れませんが、実はそうとは限らないのです。

個人事業主としての課税所得が800万円を超えているのなら、法人化して法人税を納める方が、節税になるかもしれません。

法人が納めることになる6種類の税金を確認しながら、個人事業主が納める税金と比較してみます。

法人税は所得によっては個人事業主の所得税よりお得

法人税は法人の所得に対して課せられる税金です。
法人にとっての所得税と考えるとわかりやすいですね。

法人税の税率も所得税と同じく、課税される所得の金額によって変わります。
ただ、所得税と違って、税率は課税所得800万円を境に15.0%か23.2%のどちらかになるのが特徴です。

法人税の税率
課税所得金額800万円以下の部分 税率15.0%
課税所得金額800万円超の部分 税率23.2%

つまり、課税所得金額が800万円を超えている場合は、所得税よりも法人税の方が、納める税金の額が少なくて済むのです。

課税所得金額が800万円の場合の納税額を法人税と所得税で比較するとこのとおりです。

課税所得800万円の場合の所得税額 120万4,000円
課税所得800万円の場合の法人税額 120万円

事業の規模が大きくなれば、節税も視野にいれながら法人化を検討してみて下さい。

法人住民税

法人住民税は、法人が登記してある都道府県・市町村に納める税金です。

個人事業主で言うところの住民税と同じく、法人税割と均等割りから成り立っています。

法人事業税

個人事業税の法人版と考えてください。

課税所得に対して、税率は3段階に分かれています。

課税所得400万円以下 3.4%
課税所得400万円超800万円以下 5.1%
課税所得800万円超 6.7%

地方法人特別税・特別法人事業税

地方法人特別税は、地域間の法人税格差をなくすために設けられた税金です。

法人事業税額に各市町村ごとに決められた税率を掛けわせて計算します。

また、地方法人特別税は令和1年9月31日までに開始する事業年度をもって廃止されます。

その代わり、令和1年10月1日から開始する事業年度では、新たに創設された特別法人事業税を納めることになりました。

法人の区分によって、税率は以下の4パターンに分かれます。

外形標準課税法人
(資本金1億円超の普通法人)
260%
所得課税法人
(資本金1億円以下の普通法人、公益法人等)
37%
所得課税法人
(特別法人:協同組合等、医療法人)
34.5%
収入金額課税法人
(電気供給業、ガス供給業、保険業、貿易保険業)
30%

消費税

消費税は個人事業主も法人も共通して納税しなければならない税金です。

個人事業主同様に、前々年の課税売上高が1,000万円以下の個人事業主は「免税事業者」となり、消費税の納付義務はありません。

固定資産税

会社保有の固定資産があれば、固定資産にかかる税金を納める必要があります。

個人事業主の場合も、個人で所有している固定資産があるなら、固定資産税を納めなければなりません。

事業規模によっては法人がお得

個人事業主と法人、どちらが税金がお得なのかと考えると、事業規模によっては法人の方が節税できるというのが答えになります。

事業規模によっては、個人の所得税よりも、法人の法人税の方が納める税金が少なくて済むケースがあるからです。

ただし、法人化については節税だけで判断するのではなく、もっと総合的な判断が必要になります。

節税の可能性があるとはいっても、法人化すれば個人と法人の合わせて2つの税務作業があり、申告には簿記の知識もある程度必要です。

節税と合わせて、自分の仕事の理念やスケールが法人化した方がマッチしているのかどうかもよく考えるようにしてください。

まとめ

個人事業主に限らず納税は国民の義務ですが、個人事業主はサラリーマンに比べると納付義務がある税金の種類が多いのも事実です。

しかし、各種控除を利用すれば納付する税金はだいぶ節税できます。

税金と経費や控除の知識は個人事業主にとっては、税引き後の利益を確保する上で重要なものとなります。

税金と聞いただけで拒絶反応が出る人もいるかもしれませんが、逆に節税と考えて税金の知識を身につけましょう。

ビズローン編集長の田中です
執筆者からのコメント
ビズローン編集長:田中 さん

個人事業主になると、自分で税金を計算して納税する必要があります。

会社員時代よりも負担が大きくなってしまうのは間違いありません。

ただ、自分自身の力で稼いだ分、税金として国に還元することは、ひとつの社会貢献だと思います。

個人事業主の方は、面倒ではあると思いますが、まずは青色申告からはじめて、確定申告の作業に慣れていきましょう。

税理士さんに話を聞いたところ、法人化を目指すのであれば、白色申告からではなく、青色申告を行っておいて方が、税金の計算につまずかないですむとのことでした。

 

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