個人事業主の所得証明・収入証明なら確定申告書がベスト

更新日:2019/06/05
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個人事業主(自営業者)には、融資を受ける際など、所得を証明する書類が必要な場面がいくつかあります。

会社員は給与明細書や源泉徴収票があれば、ほとんどの場合で所得を証明することができますが、個人事業主は自分で証明書を取得する必要があります。

会社経営者の報酬も基本的には給与扱いとなるので、個人事業主だけが所得を証明するのに手間がかかります。

いくつかある所得を証明する書類の中でも、個人事業主には確定申告書がベストです。

所得を証明する書類

個人事業主は自分で申請して証明書を取得しなければなりません。

所得を証明する書類は市・区役所に申請する書類と、税務署に提出した書類の写しなどがあります。

所得証明書・課税証明書

所得証明書イメージ

所得を証明する書類として最もポピュラーなのは「所得証明書」です。

市役所や区役所で発行している証明書で、自営業者の場合であれば所得金額が記載されています。

同じように課税証明書も市役所で取得でき、所得金額を証明できます。

所得証明書・課税証明書のどちらの場合も、確定申告後でなければ発行できないので、開業間もない場合は申請できません。

納税証明書

納税証明書イメージ

納税証明書は市役所が発行するものと、税務署が発行するものがあります。

所得を証明する書類としては税務署が発行する納税証明書を取得しましょう。

市役所が発行する納税証明書は市県民税の納税額などを証明するもので、所得金額を記載しておらず、所得を証明する書類とはなりません。

税務署の納税証明書は4種類あります。

納税証明書
(その1)
納付すべき税額・納付した税額および未納税額等の証明
納税証明書
(その2)
所得金額の証明(個人は申告所得税に係る所得金額)
納税証明書
(その3)
未納の税額がないことの証明
納税証明書
(その3の2)
申告所得税と消費税および地方消費税に未納の税額がないことの証明(個人用)
納税証明書
(その3の3)
法人税と消費税および地方消費税に未納の税額がないことの証明(法人用)
納税証明書
(その4)
証明を受けようとする期間に、滞納処分を受けたことがないことの証明

この中で所得を証明できるのは「納税証明書(その2)」ですが、銀行融資などでは納税しているかどうかを証明する必要があるので、(その1)と(その2)をセットで申請します。

納税を全くしていなければ当然ですが納税証明書は発行できません。

未納があれば税金を納めてから申請する必要があります。

確定申告書の写し

確定申告書イメージ

所得税確定申告書も所得証明書の代わりになります。

確定申告書Bを税務署に提出したときに、受付印のある控えが手元に残るので、そのコピーを提出します。
※e-Taxの場合は受付印不要

所得証明書の金額は青色申告特別控除の金額が差し引かれた金額となっています。

確定申告書の内訳を見れば、控除前の所得額も記載されているので、融資申込で実際の所得を見てもらいたい場合は、確定申告書を提出しましょう。

個人事業者にとってベストな所得証明書類

個人事業主が経営者として所得を証明する必要があるのは、主に事業資金を融資で調達する場合です。

その点で考えると確定申告書の写しが最も適切な証明資料と言えます。

融資申込は確定申告書がベスト

確定申告書はコピーするだけなので、手数料がかからない上に、正確な所得金額を伝えることができるのが最大のメリットです。

市役所発行の所得証明書は所得金額の記載だけでは収入の詳細まではわかりません。

しかし、融資審査では返済能力をチェックするので、なるべく詳細がわかるように判断材料を提出することが肝心です。

また赤字の年度があっても、売上が下がったのが原因か、一時的に経費が増大したのかは所得証明だけではわかりません。

そのため、事業性融資を行なっているほとんどの金融機関は、確定申告書を要求して詳細をチェックします。

経営状態を知るためには、法人であれば決算書、個人事業主であれば確定申告書を見るのが一番なのです。

事業性融資の申込

事業資金を融資で調達する場合にも、本人確認書類とともに所得を証明する書類が必要となります。

連帯保証人がいれば、連帯保証人の所得証明書も原則必要です。

金融機関によって必要書類が違うので、それぞれ必要な書類を紹介します。

日本政策金融公庫

直近2期分の確定申告書の写し。

創業資金融資の場合は、前年度の所得を証明する書類となるので、前年度が給与所得の場合は源泉徴収でも大丈夫です。

銀行融資(銀行カードローン含む)

初めての銀行融資であれば、確定申告書は3期分要求されることもあります。

実際銀行は、損益計算書と賃借対照表も3期分はチェックします。

また、納税証明書で所得税の滞納がないかどうかも必ずチェックするので、完納してから納税証明書を取得しましょう。

ただし、銀行カードローンであれば、前年度分などの最新の収入証明書類を提出すれば概ね審査を進めてもらうことができます。

収入証明書なしで50万円借り入れ可能な三菱UFJ銀行カードローン

また、三菱UFJ銀行カードローン「バンクイック」なら、50万円以内の借入は個人事業主の方でも収入証明書を提出することなく本人確認書のみで融資を受けることも可能です。

通常の申し込みと同じように在籍確認はおこなわれますが、固定電話がなくても事業用に使っている携帯電話があればそちらで対応してもらうことができます。

生活費に使うはずだった資金を緊急で事業に回してしまった場合などで、生活費の資金調達方法として役立ちます。

 

消費者金融会社・カードローン会社などのノンバンク

ノンバンク系の事業者向けビジネスローンは、確定申告書の提出が必要です。

カードローン会社や消費者金融会社によって何期分必要か違うので個別に紹介しましょう。

確定申告書1期分(最新のもの) プロミス自営業者カードローン
アイフル事業サポートプラン
アコムビジネスカードサポートローン
オリックスVIPローンカードBUSINESS
オリコCREST for Biz
セゾンファンデックス(VIPローンカード、事業コース)
確定申告書2期分 ビジネクスト・ビジネスローン
ビジネスパートナー・スモールビジネスローン

おそらく、個人事業主が金融機関から融資を受けるときに大きな課題となるのが「業歴」です。

本来であれば資金不足に悩みやすい設立間もないタイミングなどでは、銀行などから融資を受けるのが難しい現状があります。

業歴を知るうえでも所得証明書は重要な役割を果たしていると言えるでしょう。

他方ノンバンク系のカードローンやビジネスローンであれば、1期分の確定申告書で融資の申し込みができるので、他の方法に比べて融資ハードルが低い特徴があります。

個人事業主に人気の高いオリックスVIPローンカードBUSINESS

なかでも銀行の保証会社なども務めるオリックス・クレジットから発行されているオリックスVIPローンカードBUSINESSは、確定申告書を1期分としながら審査回答も最短60分・最短即日融資と融資スピードにも定評があります。

資金使途も事業用に限ってはいないので、自由度の高いカードローンです。

 

事業融資以外で個人事業主が所得証明を必要とする場合

個人事業主が所得を証明しなければいけないケースとしては、資金調達のための融資が最初に思い浮かびます。

しかし、生活していく上で所得証明が必要になるケースがいくつかあります。

住宅ローン・オートローンなど

個人でも住宅ローンやオートローン、カードローンといった融資商品を利用することがあります。

個人ローン・ビジネスローンを問わず、一部の少額融資以外は契約前に所得証明書が必要となります。

また、クレジットカードの中でもゴールドカードといったカード利用枠が高く、キャッシング枠も大きい場合はカード会社が所得証明書を要求する可能性があります。

これは貸金業法の総量規制で年収の1/3までの貸付限度額の制限があるので、正確な所得を確認するためです。

ちなみに総量規制の対象となるのは、貸金業者からの借入だけで、銀行融資や貸金業者でも事業性融資は総量規制対象外です。

生活用資金でも個人事業主の場合は、基本的に確定申告書の写しの提出が求められます。

賃貸住宅の保証会社

居住用でも事業用でも賃貸物件の申込をする場合、連帯保証人が必要です。

保証人がいない場合は保証会社を付けることになりますが、保証会社の審査に所得証明書が必要になります。

連帯保証人がいても保証会社を付けることを求められることも多いので、所得を証明する書類は手続き上必須です。

この場合は、所得があることがわかればいいので、開業直後で所得証明書がない場合は、1年分の通帳の写しでも収入があることがわかれば大丈夫です。

保育園の入園・児童手当の申請

保育園の保育料や児童手当の申請にも所得証明書が必要になります。

市町村によって保育料は異なるうえ、所得金額でも実際に支払う保育料は違ってきます。

児童手当も所得金額によって支給金額が変わるので所得証明が必要です。

これらの場合は所得が多いほど不利になるので、確定申告書で実際の所得金額を証明する必要はありません。

一般的な所得証明書を提出すればいいでしょう。

日常生活では臨機応変に

日常生活で所得を証明する場合は、福祉関係の申請や住宅の賃貸、生活資金の融資などがあります。

役所に提出する証明書としては、やはり役所が発行する所得証明書や納税証明書がいいでしょう。

役所の場合は定形外の書類は受け付けないこともあるので、必要書類は指示されたものを提出するのが無難です。

住宅賃貸の保証会社など民間に提出する場合は、応用が効くので一般的な所得証明でなくても確定申告書の写しで代用できます。

個人向けローンの場合は確定申告書を求められます。

事業関連も含めて総合的に見て確定申告書を利用できるケースは多いので、控えはきちんと保管しておきましょう。

まとめ

個人事業主に限らず所得を証明する必要に迫られることは以外に多いものです。

特に事業資金を融資に頼っている場合はその機会も多くなります。

サラリーマンは源泉徴収票や給与明細書でも、カードローン契約の所得証明に使えますが、個人事業主の場合はその代わりになるのは確定申告書の写ししかありません。

個人事業主にとっては最も手軽でに所得を証明できて、発行手数料もかからないのが確定申告書です。

裏を返せば確定申告書をきちんと記載していないと、その後のカードローン審査や銀行融資審査、住宅ローン審査にまで影響があります。

個人事業主の確定申告書は会社の決算書に相当するものなので正確に記載するようにしてください。

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