個人事業主のクレジットカード決済を経費と私用に仕分ける方法とは

更新日:2018/09/26
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個人事業主は、基本的に事業で得た利益はすべて事業主の所得となります。

事業利益で、事業に必要なお金はもちろん生活費もまかなうことになるので、法人に比べるとお金の使い方は比較的自由です。

しかし、それでも事業に使用する物品などの購入と、消費として使ったお金の区別はきちんとする必要があります。

経費は所得税の対象になりませんが、消費分は所得税の対象になるからです。

今回は個人事業主に関して経費をどのように区別したらいいかという観点から解説をしましょう。

そもそも経費とは?

そもそも個人事業主にとって経費にはどのようなものがあるのでしょうか?

まずは経費の種類から解説しましょう

個人事業主に認められる経費の種類

そもそも経費は事業のために支出したお金のことなので、個人として使うための物品代は経費として認められていません。

どのような経費が認められているかは、帳簿付けをするときに必要な勘定科目を確認するとよくわかります。 

経費の種類 内容
租税公課 個人事業税、固定資産税、不動産取得税、自動車税など
荷造運賃 ダンボール箱、緩衝材、郵便手数料など
水道光熱費 電気料金、水道料金、ガス料金、灯油代など
旅費交通費 電車賃、バス代、タクシー代、航空運賃、駐車場代、出張宿泊費など
通信費 インターネット料金、電話料金、切手代、はがき代など
広告宣伝費 新聞広告、看板、試供品、ポスティング費用、インターネット広告など
接待交際費 取引先との飲食代、お祝い金・贈答品、取引先とのゴルフ代など
損害保険料 自動車保険、自賠責保険、事務所の火災保険、賠償保険など
修繕費 自動車の修理費、事務所の改修・修理費、パソコン修理代など
消耗品費 文房具、電球、伝票、名刺、10万円未満のパソコンなど
減価償却費 10万円以上のパソコン、カメラ、コピー機、自動車、オフィスチェアなど
福利厚生費 慰安旅行費、レクリエーション費用、お祝い金、お見舞金、従業員健康診断など
給料賃金 従業員に支払う給料
外注工賃 気工事費、デザイン、ホームページ運営費、システム開発など
利子割引料 金融機関への支払利息、自動車ローン、住宅ローン
地代家賃 事務所・店舗家賃、駐車場料金、土地使用料など
貸倒金 売掛金、未収金、貸付金、前渡金など
雑費 どの勘定科目にも属さない少額費用。ごみ処理代、クリーニング代、引越費用など
専従者給与 青色申告専従者に支払う給与

 上記はすべて事業のために支出しているという前提ですが、個人と事業の両方で使用するケースもあります。

その場合は次に解説する家事按分によって経費を算出します。

家事按分とは

すべての経費がきちんと事業用として分けられるわけではありません。

中には事業用と個人用と共有した使い方をする場合もあります。

わかりやすい例としては、自宅を事務所として仕事をしている場合の家賃です。

現実的に事務所として使用しているので、全く経費として計上しないと納税額が大きくなります。

そこで認められているのが家事按分で、使用割合に応じて一部を経費として認める制度です。

しかし、どれくらいの割合にするかは使用割合によって違うので、一律の割合は定められていません。

例えば、家賃の場合は床面積の比率で20%を仕事用として使っていれば、10万円の20%の2万円を経費として申告します。

このように家賃以外でも水道光熱費などは家事按分の対象となるので、きちんと割合を決めて経費として計上しましょう。

白色申告と青色申告の違い

個人事業主は税務署に開業届を提出するだけで、だれでも個人事業主として開業することができます。

しかし、開業届け出をするだけだと確定申告では白色申告として扱われます。

経費などで優遇を受けたい場合は、青色申告者の届け出をする必要があります。

青色申告者として確定申告をしたい場合は、開業届出と同時に「所得税の青色申告承認申請書」も提出しておきましょう。

申請書を提出しても必要事項を満たしていなければ青色申告とはなりませんが、提出時期によっては1年ずれ込むことがあるので最初から提出しておくことをおすすめします。

白色申告者は、以前は帳簿付けの義務もありませんでしたが、現在では帳簿付けが義務付けられています。

しかし、簡単な帳簿付けなので、お金の出入りまで記録する必要はありません。

これに対して青色申告ではお金の出入りを帳簿付けするだけで、10万円の青色申告特別控除を受けることができます。

さらに、複式簿記での記帳、貸借対照表と損益計算書の作成・提出することで以下のメリットがあります。

  • 青色申告特別控除(最高65万円)
  • 赤字が繰り越せる(3年間)
  • 家族への給与が全額経費にできる
  • 30万円未満の購入価格であれば一括で償却できる

65万円の特別控除は所得税率20%であれば、単純に13万円の節税につながります。

複式簿記での記帳と提出書類の追加だけで大きな節税になるので個人事業主は青色申告を目指しましょう。

簿記の知識がなくても会計ソフトを活用すれば簡単に帳簿付けができ、貸借対照表と損益計算書文字道で作成することができます。

経費を増やすメリット

個人事業主が確定申告で計算するのは、最終的に課税対象となる課税所得となります。

課税所得は一般的に次のように計算します。

 収入:(売上高-仕入れ金額)- 経費 - 所得控除 = 課税所得

つまり経費や控除の金額が大きいほど課税所得が少なくなり、節税につながるというしくみです。

しかし、経費が増えれば節税になるからといって、なんでも経費にしてしまうと脱税になってしまうこともあります。

大切なことは経費と消費をきちんと区別して、経費として求められるものはしっかり計上するということです。

そのためには確定申告間近になってあわてて振り分けるよりも、普段から経費と消費を区別することが必要です。

経費と消費を区別する方法

普段から毎日帳簿付けをしておけば、経費と消費の区別はきちんとすることができます。

しかし、忙しいときには帳簿付けを忘れて、後でまとめて記帳するときに区別がつかなくなることもよくあることです。

そんな場合でも経費と消費をきちんと仕分けできる方法をご紹介しましょう。

 

法人カードと個人カードの使い分け

クレジットカード会社が発行しているカードには個人カードと法人カード(ビジネスカード)があります。

法人カードといっても法人だけが利用できるカードだけではなく、個人事業主が利用できる法人カードもあります。

個人事業主がビジネス用カードとプライベート用カードを使い分けるだけで、簡単に経費と消費を仕分けすることが可能になります。

法人カードの引き落とし口座をビジネス口座、個人カードは個人名義の口座にするだけで請求書や利用明細が別になるので区別も簡単になります。

経費として計上するためには領収書が必要となりますが、カード決済では販売店に領収書を発行する義務はありません。

そのため領収書の発行を拒否されることがありますが、その場合はカード伝票の控えを必ず保管しておきましょう。

カード伝票は領収書にはなりませんが、支払を証明する書類として領収書と同じ効果があります。

法人カードのメリット

個人事業主が法人カードを利用するメリットは、経費と消費の区別以外にも以下のメリットがあります。 

  • 経費の支払日を統一できる
  • 小払などの会計処理が不要になる
  • 追加カードを発行することで細かい経費の管理ができる
  • ビジネス向けサービスが利用できる
  • 振込手数料が節約できる
  • 貯まったポイントを交換することで経費の節減ができる

上記のメリット以外にもステータスの高いカードを利用することで、取引先の印象を良くすることができます。

個人事業主は法人と比べるとどうしても信用力にかけるというデメリットがあります。

取引先の接待などのビジネス用途でステータスの高いカードを利用すれば、信用力があることをアピールすることができます。

おすすめ法人カード

それでは最後におすすめの個人事業主向け法人カードをご紹介しましょう。

 

ビジネクスト法人クレジットカード

ビジネクスト法人クレジットカード

ビジネクストは大手消費者金融のアイフルグループの一員で、事業者向けローンを中心とした消費者金融です。

事業者以外でも法人クレジットカードを発行しているのでご紹介しましょう。

  • ビジネクスト法人クレジットカードの基本スペック

・年会費:無料
・従業員カード:年会費無料、発行枚数50枚まで
・ETCカード年会費無料
・入会資格:法人代表者、個人事業主
・ショッピング利用枠:5万円~300万円
・国際ブランド:VISA
・提出書類:本人確認書類、財務書類(100万円以上)
・ポイントサービス:LIFEサンクスポイント
・福利厚生サービス
・旅行サービス
・レンタカー割引サービス

ビジネクストの法人クレジットカードのおすすめポイントは、年会費無料で利用できるという点です。

まだ法人カードを利用したことがない個人事業主にとっては、100万円以下では財務書類も不要で入会しやすいというメリットもあります。

同じアイフルグループのライフカードが発行しているので、安心して利用することができます。

ビジネクスト法人クレジットカードは初めての法人カードとしておすすめします。

アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード

アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カードアメリカン・エキスプレス(アメックス)はクレジットカードの高級ブランドとして有名です。

アメックスでは個人向けカードの以外にも、法人代表者や個人事業主向けのビジネスカードも発行しています。

その中でもアメックスビジネスゴールドカードは、ステータスの高さとサービスの質の高さでおすすめの法人カードです。

  • アメックスビジネスゴールドの基本スペック

・年会費:税抜31,000円
・追加カード:年会費税抜12,000円
・ETCカード:年会費税抜500円(発行限度5枚)
・ポイントサービス:メンバーシップ・リワード
・空港ラウンジサービス
・無料ポーターサービス
・手荷物宅配サービス(空港)
・手荷物ホテル当日宅配サービス
・国内外旅行傷害保険
・国内航空機遅延保険
・クラウド会計ソフトFreeeへのデータ連携サービス
・ミーティング・スクエア:年会費税抜2万円で帝国ホテルのビジネスラウンジが利用できる

年会費からわかるように他社のゴールドカード以上のサービスが提供されています。

ビジネスサービスも豊富で、有料ですがクラウド会計ソフトにビジネスカードのデータを取り込んで経費を管理できるサービスもあります。

アメックスビジネスゴールドのメリットは、豊富なトラベルサービスとビジネスサービス、さらにステータスの高さです。

個人事業主として取引先の信用力を高めたい場合は、アメックスビジネスゴールドがおすすめです。

まとめ

個人事業主にとって法人カードは、メリットはあってもデメリットがないクレジットカードです。

ステータスの高いカードの場合は年会費も高くなりますが、年会費は経費として計上可能。また、年会費以上のサービスの提供があり、これまで経費精算にかかっていた費用の節約もできるので、その分年会費をカバーできます。

まだ法人向けカードやビジネスカードを利用していない事業者の方には、この機会に法人カードの申し込みをおすすめします。

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