個人事業主のビジネスローン活用ならカードローンも検討

更新日:2017/10/16
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事業主の困り顔
自営業者と呼ばれる個人事業主が事業資金を借りようとすればどのような方法があるのでしょうか?

秘書の笑顔

現在は実に多くの金融機関・金融業者が融資を行っているので、個人事業主でも熱心に探せばきっとその自営業者にも合った適切な業者は見つかるものと考えています。

ただし法人と比べて色々な面で弱点を持つ個人事業主が融資を受けにくいのも事実です。

そこで今回の記事では、個人事業主でも比較的気軽に利用できるビジネスローンに焦点を当て、どのようにすればビジネスローンをうまく活用できるかをまず説明します。

次にケースによっては、ビジネスローンを活用するより自営業者向けカードローンや個人向けに販売されている銀行カードローンを利用したらいい場合もあるので、その理由も併せて解説します。

法人に比べて個人事業主は銀行融資・公的融資が借りにくい理由

銀行イメージ

事業資金を借りる利用者は主に法人(会社)かまたは個人事業者(自営業者)です。

経営者が資金を借りる場合、まず思いつく先は民間金融機関である銀行や信用金庫、そして政府系金融機関の日本政策金融公庫や信用保証協会付き融資で利用する信用保証協会です。

法人の場合、たとえ中小企業でも決算書類を整えているので、銀行融資や保証協会つき融資、あるいは日本政策金融公庫の公的融資制度を利用することは比較的容易です。

ところが個人事業主の場合、法人に比べて事業規模も小さく、中には本人のみ、あるいは家族だけで経営をしているような先もあり、かつ収入を示す確定申告書類も正確性に欠ける事業先も多いです。

それだけに主に決算書類によって融資審査を行っているこれらの銀行や公的金融機関にとって、事業内容が分かりにくく、決算書類も不完全な個人事業主に対し、融資の姿勢があまり積極的でないのも無理はありません。

しかし一方では、個人事業主がこれら金融機関から融資を受けるため、法人化するにしても事業態勢の構築、経理面、税制面から色々なハードルがあり、その方法を取るのも容易ではないと思います。

そうなると個人事業主のまま、新たに別の融資を受ける対策を考える必要があります。

銀行融資・公的融資から借りにくい個人事業主が頼るならビジネスローン

前章で説明したように、個人事業主が銀行や公的金融機関で融資を借りにくい場合、次に資金調達で事業者が融資の申込を検討する先はビジネスローンです。

ビジネスローン会社イメージ

ビジネスローンを取扱いしている先は、同じ名前だけならメガバンクや地方銀行などでも取扱いしていますが、こちらは審査のハードルが一段と高くなるので、個人事業主が利用する先としては現実的ではありません。

個人事業主がビジネスローンを利用する場合、取扱いしている貸金業者としてはビジネスローンを専門に取扱いしている金融会社か、銀行系金融業者として大手消費者金融がおすすめです。

あるいは大手でなくても中小消費者金融でもビジネスローンは取扱いしています。

それぞれ審査体制や必要書類にも特徴があり、最終的に個人事業主が便利な先を選べばいいですが、まずは申込の順番として信用力の高い大手業者から申し込みしていけば安全かと考えています。

中小金融業者の中には、違法業者も含まれている可能性もあり、トラブルに巻き込まれないためにも、借りやすさ等のメリットだけでなく同時に安全面も重視するべきと私は考えています。

ビジネスローンの特徴とは?

それではこれらの業者が取り扱うビジネスローンの特徴はどのようなものでしょうか?
この特徴は大きく「審査スピード」と「融資スピード」に関係しています。

通常、銀行や公的金融期間が関わる融資では、どれだけ早くても申込から実行まで10日間~2週間、長いものでは数か月もかかります。

一方、これらの業者が取り扱うビジネスローンでは、遅くても申込日から数日以内~1週間、早いものなら申込当日に審査回答が得られ、即日融資も可能な先まであります。

「資金繰りが厳しくなったので、どうしても本日臨時の資金が欲しい」とか「売上代金の回収見込みはあるが、お金が入ってくるのは少し先であり、とりあえず先に仕入資金が必要」というような資金需要が強い事業先には、このビジネスローンは大変心強い味方になります。

このように審査が早く、融資も早く受けられるのがこのビジネスローンのメリットですが、一方でデメリットもあります。

それは銀行融資や公的融資が融資利率、年1.0%~3.0%台と低金利であることに比べて、多くのビジネスローンの金利がそれらよりかなり割高であるということです。

したがってビジネスローンの資金使途として、事業資金で使う場合、長期資金で利用すれば、利息負担が重すぎるので、運転資金中心に短期かつ利用頻度もできるだけ少なく使う方がいいと思います。

個人事業主がビジネスローンを利用する時のチェックポイント

ここで個人事業主がビジネスローンを利用・申込する場合に押さえておきたい大事なチェックポイントを貸付条件中心に取り上げます。

・個人事業主が利用できるか
・金利(実質年率で検討)
・融資額(借入額)
・返済期間
・担保・保証人の有無
・来店の必要性
・審査・融資スピード
・振込融資サービスの有無
・ATMでの借入・返済
・申込・審査の必要書類

ただし、ビジネスローン取り扱い各社の審査基準はさまざまなので、ここで取り上げるポイントはごく平均的なものとして理解して下さい。
それでは早速、一つずつ順番に解説していきます。 

個人事業主が利用できるか

ビジネスローンには「法人・個人事業主とも利用可」「法人のみ利用可」「個人事業主が利用可」の3タイプがあります。

この場合、「個人事業主が利用可」のビジネスローンはそれに特化された専用ローンなので、個人事業主が申し込みすれば、審査通過率も高いことが予想できます。

一方、法人も可となっているビジネスローンは、やはり法人向け中心にスコアリングのような自動審査方式を使って審査されることも予想され、個人事業主専用ローンと比べて、やや通過率が低くなる可能性が高いです。

その点、スコアリングシステムが完備していない中小規模のビジネスローン会社なら、貸付担当者が経験と勘に頼って個人事業主を直接面接・審査してくれるので、審査通過も期待でき、これらの金融会社もねらい目だと思います。

金利(実質年率で検討)

ビジネスローンの金利は、残念ながらその特質上、あまり低い金利は期待できません。

借入額が少額の場合、法定金利ギリギリ(年15.0%~18.0%)の金利を適用される場合もあります。

もしそれでもできるだけ低い金利で借りたいなら、具体的な対策については記事の後半で解説しますが、個人事業主である点を踏まえて、カードローンの利用も考えてもいいかもしれません。

なお、ここで金利における実質年率とは、借入等に掛かる金利ほか事務手数料等を含めた総費用を年率換算したものをいいます。

ビジネスローンだけでなくローン全般に関して、金利は表示された表面金利だけでなく、手数料等の諸費用も含めた実質年率で検討する必要があります。

融資額(借入額)

その業者が最大でどれくらいの融資をしてくれるか、業者サイトで事前チェックするのも金融業者を選ぶ時のポイントです。

当然ながら融資最大額が大きい業者のほうがビジネスローン販売にも積極的であるとも考えられるからです。

ただし、それが申し込みした本人の希望額通りになるということでもなく、個別の審査とは分けて考えねばなりません。

返済期間

ビジネスローンの場合は、長期資金にも利用できるので、返済期間も業者によっては5年~20年と設定することもできます。

しかし金利の水準を考えると、ビジネスローンでの長期資金の利用はおススメできません。

ビジネスローンはあくまで短期・臨時の借入中心に利用すべきであり、長期資金の利用は銀行や信用金庫、あるいは公的機関での借入を第一に考えるべきと私は考えます。

ただし、すでに銀行や公的機関で融資が借れない状況で、個人事業主に不動産担保等、融資条件で適用金利を低くできるものがあれば、ビジネスローン会社で長期資金を借りるのも選択のひとつだと思います。

担保・保証人の有無

ビジネスローン会社で事業資金を借りる場合、スピード審査を唄っている業者も多く、そのため無担保・無保証扱いが原則となっています。

中にはわざわざ「不動産担保は不要」と具体的に商品概要書に表示してある業者もあります。

事業資金利用者にとって、融資で付帯条件が少ないほど借りやすく、この無担保・無保証扱いというのはビジネスローンを利用する上で大きなメリットとも言えます。

無担保無保証のイメージ

しかし、原則無担保・無保証と書かれていても、一般的には債務者が法人の場合、その代表者が連帯保証人にならねばなりません。

一方、個人事業主の場合は、ビジネスローンに関して連帯保証人を付ける必要はありません。

これは個人事業主にとっても利用上大きなメリットです。

また個人向けのカードローンでは保証会社が融資条件になりますが、ビジネスローンの場合はこれも少ないのでメリットのひとつと言えるでしょう。

さらに昔は融資実行時に、融資の一定額を融資額から差し引きして、ビジネスローン会社に預ける保証金制度がありましたが、法律が整備される中、段々とこのような悪しき慣行も少なくなっています。

来店の必要性

最近のビジネスローン会社は積極的にネット申込を融資システムに取り入れているので、そのチェックも必要です。

ただしまだこの傾向は大手業者中心で、規模が小さくなるほど申込・審査や資金交付で来店を必要とする業者もあります。

個人向けカードローンのように手続きが簡単でネット申込が一般的になっているのと違い、ビジネスローンはあくまで事業資金融資です。

書類のやり取りや融資の交渉で、まだまだ直接店舗の融資担当者と話をするため来店が必要な業者もあるでしょう。

特にそのローンが中小企業向け融資でなく、個人事業主向け融資ならなおさらです。

個人事業主が店舗へ訪問することが、最終的に融資の認可につながるなら、わざわざ来店することもデメリットにはならないのではないでしょうか。

審査・融資スピード

ビジネスローンの特徴は申込・審査から融資実行までが迅速であることはすでに述べました。

審査も極力簡素化されているので、当然銀行や公的機関に比べて提出する書類も少なくなっており、それが確定申告書等、決算書類の内容に乏しい個人事業主等にはメリットになります。

ただし個人事業主といえども、ちゃんと事業を行っていることがビジネスローンを借りる時の前提になります。

そこで、本人確認書類を出した時の住所できちんと事業しているか、ローン審査の途中で業者から在籍確認の電話も入ってきます。

その際、業者に登録しておく連絡先としては、移動が容易な携帯電話でなく固定電話のほうが審査で信頼性が高くなる傾向があるので覚えておいて下さい。

振込融資サービスの有無

振込融資サービスがあるかどうかも業者選定の大事なポイントです。

振込融資サービスとは、手持ちのスマホやパソコンからネットを通じて直接融資の振込依頼ができるサービスの事です。

もちろんこのようなサービスが提供できる先は審査も来店不要でやってくれる先が多いです。

銀行・コンビニATMで借入(キャッシング)や返済が可能か?

大手業者の中には、借入や返済方法において、提携銀行・コンビニのATMを活用している先があります。

提携先ATMを活用すると、利用できるATMは一挙に数万台に広がることもあり、限られた店舗しかない業者と比較して、そのサービスの充実度は比較にならないものになります。

ここでもうひとつのポイントはそのATM利用に掛かる手数料が無料かどうかということです。

手数料が有料、または1回当たりの手数料金額が高いと、利用の頻度によって思わぬ出費となることもあります。

ビジネスローンの利用においては、契約内容の確認と共にこの点についても事前チェックが必要です。

申込・審査の必要書類

最期にビジネスローンの申込・審査の必要書類についても触れておきましょう。

個人事業主の場合、まず免許証や健康保険証等、本人確認書類の提出が必要になります。

また所得を確認する書類として収入証明書類では確定申告書、または青色申告決算書あるいは収支内訳書等を提出する必要があります。

確定申告書イメージ

銀行や公的機関では最低2期~3期の連続した決算書類を用意しなければなりませんが、ビジネスローン会社では直近1期の決算書類で良い場合も多く極めて簡単です。

ただし、ビジネスローン会社でも厳しめの対応もする業者もあり、個人事業主の場合、確定申告書に加えて公的所得証明書を要求される場合もあるので注意が必要です。

さらに個人事業主でも業歴を聞かれることもあるので、説明資料として会社のパンフレットや自社サイトがあればそのURL、事業実態を確認される場合に備えて、営業許可証、取引先からの発注書や納品書等も用意していたほうがよさそうです。

個人事業主はケースによってカードローンの方が便利な場合もある

ここで個人事業主にとって、資金の調達方法でビジネスローンでなく、カードローンを利用した方が便利なケースを二つ取り上げます。

ケース1:プロミス自営者カードローン

プロミス自営者カードローンプロミスは三井住友銀行グループの大手消費者金融SMBCコンシューマーファイナンスがキャッシングで使っているブランド名です。

この業者の取扱商品の中に「プロミス自営者カードローン」があり、融資先にローンカード発行して融資の便宜を図っています。

このプロミス自営者カードローンは名前の通り、自営業者(個人事業主)専用に作られたカードローンですが、面白いことに、その資金は「事業資金」だけでなく「生活費等」にも使えます。

カードローン(極度額)方式なので、一件ずつ審査・融資するビジネスローンと異なり、審査は初回1回限り、その後も1年ごとの自動更新なので手間もかかりません。

さらに、自営業者の資金が必要な時だけ、随時ローン極度額の範囲で繰り返し借入・返済ができ、短期・臨時の資金需要にはもってこいのローンだと私は考えています。

ただデメリットもあり、他のビジネスローンと比べて、プロミス自営者カードローンの最高極度額は300万円とやや低く、利用者によっては不満足な人もあるかもしれません。

それでもこのローンは、事業性資金のみならず生活費等にも利用可能なので、個人事業主の場合、資金使途で事業資金と生活費等の境界があいまいなケースも多く、その点を気にせず利用できるだけでも一枚持っておく価値はあると思います。

ケース2:銀行カードローン

銀行イメージ

銀行カードローンの場合、単純にビジネスローンと比較することは無理があります。

なぜならビジネスローンの資金使途は事業資金である一方、銀行カードローンの資金使途は原則自由ですが、唯一事業資金に利用することだけは規約で禁じられているからです。

しかも銀行カードーンの資金使途は消費性資金、つまり生活資金とか教育費、レジャー資金等に使うことはできますが、仮に個人事業主が銀行カードローンを持っていても事業資金に使うことはできないのです。

しかし個人事業主の場合、事業をしている時間と個人の生活時間を明確に分けることは難しいです。

常に両者の活動が重なりながら現実の生活が営まれているはずです。

そこでは資金面でも重なりがあり、時には持っている現金の中から事業資金に多くの割合をつぎ込んでしまい、生活資金に不足を生じる状態も発生すると思います。

そこで銀行カードローンの登場です。

銀行カードローンの資金を直接事業資金につぎ込むことは禁じられていても、資金不足になっている生活資金に銀行カードローンの融資金を充てることは何も規定に違反しません。

さらに銀行カードローンは金利も低いので、ビジネスローン利用より個人事業主の金利負担は軽くなります。

そういう意味では、個人事業主の場合、適宜うまく銀行カードローンを活用することで、ビジネスローンを利用する場合より便利なケースもあると考えています。

ビジネスローン・銀行カードローン一覧表

最期に私が多くのビジネスローンの中から、大手金融業者を中心に利用価値の高いと思った業者5社と銀行カードローンを4社選んで金利や融資額(限度額)中心に一覧表にしてみました。

金融業者名
(ビジネスローン)
金利 限度額 特記事項
オリックスVIPローンカードBUSINESS 年率6.0%~17.8% 500万円 最短60分で審査回答
ビジネスパートナー 年9.98%~18.0% 500万円 運転資金として使途自由
ビジネクスト ・年8.0%~15.0%(利用限度額100万円以上)
・年13.0%~18.0%(利用限度額100万円未満)
1,000万円 ビジネスローン方式・カードローン方式あり
プロミス自営者カードローン 年6.3%~17.8% 300万円 生計費・事業費に利用可能
楽天銀行ビジネスローン※ 固定・変動金利(当行所定の利率) 100万円以上1億円以下 ・証書貸付・当座貸越方式
・原則担保が必要
銀行名
(カードローン)
金利 限度額 特記事項
新生銀行カードローンレイク 年4.5%~18.0% 500万円 事業資金には利用不可
オリックス銀行カードローン 年1.7%~17.8% 800万円 事業資金には利用不可
みずほ銀行カードローン 年2.0%~14.0% 800万円 事業資金には利用不可
楽天銀行カードローン 年1.9%~14.5% 800万円 事業資金には利用不可

※楽天銀行ビジネスローンは、それまで楽天市場に出店していた店舗経営者限定のビジネスローンを拡充して、新たに多くの法人・個人事業主に利用できるようになったビジネスローンです。(2016年8月4日取り扱い開始)

ファクタリング

ビジネスローン以外の資金調達方法として、最近はファクタリングという方法も注目されるようになっています。

ファクタリングとは、事業で売掛金債権がある場合、事業者はその債権を回収前にファクタリング業者に売却することで早めに資金調達を図る方法です。

2社間ファクタリングのイメージ

しかしファクタリングの場合、売掛債権を持っている先が主に法人である場合が多く、また今回のテーマは「ビジネスローンと個人事業主」であることから、今回はファクタリングに関しては詳しく説明せず簡単な紹介に留めます。

まとめ

個人事業主がビジネスローンを利用する場合、ビジネスローンとはどのようなものか、また申込・審査や借入・返済に当たってどのような点に注意すればいいか、さらにビジネスローンでなくカードローンを利用したらいい場合はどのようなケースがあるのかなどについて解説してきました。

ビジネスローンを取扱いしている金融機関・金融業者はじつに多種多彩です。

しかし、その中でも個人事業主に絞れば、利用できる金融業者は限定されてきます。

個人事業主の方がシッカリと調査研究し、自社にマッチしたビジネスローン会社をうまく見つけることを大いに期待しています。

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