2020/02/05

この記事では、主に国の経済産業省や厚生労働省からの補助金・助成金の違いについて紹介します。

補助金と助成金は、国や地方公共団体からもらえる交付金のことです。

どちらも返済不要の交付金という共通点があり、同じ交付金のように感じるかもしれません。

確かに、都道府県などの地方自治体や独立行政法人で実施されている多数の補助金、助成金は明確に言葉を分けている場合は少ないです。

しかし、国から受給される補助金や助成金は、以下のような違いがあります。

  補助金 助成金
対象 ・事業革新
・新製品
・新技術 等
→事業に関すること
・雇用改善
・新規雇用
・キャリア形成 等
→人に関すること
管轄 経済産業省 厚生労働省
特徴 審査あり 雇用保険に加入済で申込できる
審査の有無 審査あり 要件を満たせば原則受給
申込期間 短期(1ヶ月程度)公募 長期間
財源 税金 雇用保険
実績報告の必要性    

違いを把握できるように、まずは補助金と助成金の特徴から見ていきましょう。

補助金とは

補助金とは以下の特徴を持つ交付金のことです。

・事業の施策に対する交付金
・経済産業省が管轄
・受給するためには審査がある
・事業計画書が必須
・募集期間が短い
・補助金は後から支払われる

特徴を1つずつ解説します。

事業の施策に対する交付金

補助金は主に事業の施策に対して国から交付されるお金です。

新規事業や創業促進、国策を推進するための手段の1つとして、交付によって事業者の取り組みが広がることを目的としています。

例えば、「システム導入で事業の効率化を図りたいけど、資金的にリスクがある…」

という事業者に対して、目的達成のために税金を使って支援する制度です。

経済産業省が管轄

国の補助金の場合、経済産業省が管轄している場合が多いです。

応募する際は、商工会議所などが主な問い合わせ窓口となっています。

受給するためには審査がある

補助金は受給要件を満たしていても審査状況によっては受給できないことがあります。

なぜならば、倍率が高いからです。

応募する際はどのような事業に対し、どう補助金を活用するかを具体的にしておく必要があります。

事業計画書が必須

具体的な補助金の使いみちを表すために、補助金の審査でポイントとなるのが“事業計画書”です。

主な記載項目は以下のとおりです。

・事業内容の詳細
・事業の魅力や優位性
・ターゲットとなる市場
・事業の効率化

事業計画書を通して、補助金を交付するのに値する事業なのかを見られるわけです。

つまり、事業計画書が社会貢献度や見通しが立ちそうな内容でなければ審査が通らないのです。

募集期間が短い

多くの補助金は募集期間が1ヶ月から3ヶ月程度と短いです。

公示されてから応募の準備をしても間に合わないことも。

計画的に事業計画書を書き進める必要があるといえるでしょう。

もしくは事前に事業計画書を作っておき、その事業計画書にあった補助金が発表されたら申請するというやり方もあります。

特に人気の補助金は、期限前に終了してしまうこともあるので注意が必要です。

補助金は後から支払われる

補助金受給の有無は、“事前の審査”と“事業実施後の検査”によって決定するものです。

つまり、審査だけでなく事業を実施した後に報告書や支払証憑などの必要書類を提出します。

その後検査を受けて、ようやく補助金を受け取ることができます。

申請から受給まで期間があるので、資金がショートしないように計画を立てて準備しましょう。

助成金とは

助成金には、以下のような特徴があります。

・人の施策に対する交付金
・厚生労働省が管轄
・就業規則の整備が求められる
・助成金は条件に該当すれば高い確率でもらえる
・募集期間が決まっていない
・前年度の助成金内容が引き継がれる場合も多い
・申請から入金まで時間がかかる

1つずつ紹介します。

人の施策に対する交付金

助成金とは、雇用を安定させるために国から交付されるお金のこと。

雇用した人たちが活躍してもらえる体制を継続するために助成金が使われます。

雇用は、主に以下のような状況にある人を対象としています。

・非正規雇用者の正社員登用
・出産や育児中の女性
・高齢者
・障害者

従業員の充実のために環境を整えることで、従業員がよりすぐれた仕事をするようになることが狙いです。

厚生労働省が管轄

国で申請できる助成金は、主に厚生労働省が管轄しています。

扱われているのは、雇用分野の公的助成金です。

国の雇用政策に連動し、施策を実施した企業に対して助成金が支給されます。

就業規則の整備が求められる

助成金をもらう条件として、就業規則の整備があげられます。

中小企業の中には、就業規則を作成していない会社もあるので、助成金を受ける機会で改めて就業規則を作る会社も多いです。

人を雇用する前に、あらかじめ助成金の受給条件について知っておきましょう。

助成金は条件に該当すれば高い確率でもらえる

ほとんどの助成金は審査による倍率がなく、一定の条件を満たすことで支給されるものです。

それは助成金の財源の一部は企業が支払っている雇用保険だから。

言い換えると、雇用保険料を収めているすべての会社に受給の可能性があります
業種や社員数が条件に合致していれば、助成金はほぼ支給されるのです。
助成金によって異なりますが、申請に必要なものとして以下が挙げられます。

・就業規則
・出勤簿
・賃金台帳
・雇用契約書

助成金は申請条件と今の状況が合っていれば、支給される可能性が高い交付金です。

募集期間が決まっていない

助成金は原則として通年を通して申請可能です。

あらかじめ予算が決められていて、予算がなくなるまで応募できることが多いです。

ただし、人気の助成金は発表から2ヶ月程度で受付終了になることも。

助成金の募集期間は決まっていないため、国や自治体の最新情報を常に確認しておく必要があります。
公示されたら、すぐに申し込むようにしましょう。

前年度の助成金内容が引き継がれる場合も多い

「サイトを見たら助成金の公募が終わっていた…」なんて諦めるのはまだ早いです。

確かに助成金の中には、期限切れでも自治体HPに掲載されたままのものがあります。

その際に電話などで問い合わせて、今年度も助成金が出るのか確認してみましょう。

もし公募ページから申請書をダウンロードできれば、早くから申請の準備ができますよ。

申請から入金まで時間がかかる

助成金は申請から入金まで時間がかかると言われています。

平均でも半年、長いと1年を超えてしまうものも。

受給の要件は主に“雇用“のため、条件の雇用期間に応じて受給期間もそれぞれ変わります。

補助金・助成金の違い

ここで改めて補助金と助成金の違いを振り返ります。

  補助金 助成金
対象 ・事業革新
・新製品
・新技術 等
→事業に関すること
・雇用改善
・新規雇用
・キャリア形成 等
→人に関すること
管轄 経済産業省 厚生労働省
特徴 審査あり 雇用保険に加入済で申込できる
審査の有無 審査あり 要件を満たせば原則受給
申込期間 短期(1ヶ月程度)公募 長期間
財源 税金 雇用保険
実績報告の必要性    

大きく分けると、補助金は事業に関する取り組みへの給付金であり、助成金は人に関する取り組みへの給付金です。

補助金は審査があり、場合によっては倍率がとても高いこともあります。

申込期間が短いことから、早めの準備が補助金受給へのカギとなります。

雇用保険を財源としている助成金は、雇用保険料を収めている事業主に応募する権利があるので、積極的に活用していきましょう。

以上の違いを把握した上で、自分の事業には“補助金”が合うのか、“助成金”が合うのか選びましょう。

補助金と助成金の共通点

補助金と助成金を比べてみると、違いだけではなく以下のような共通点が浮かび上がってきました。

・返済の必要がない
・補助金・助成金は後払い
・仕事の片手間で手続きができない

1つずつ解説します。

返済の必要がない

補助金も助成金も、融資とは異なり返済不要のお金です。

返さなくていいと聞くと、得に感じるかもしれません。

ですが、あくまでも実施した事業や雇用改善に対しての一部を補助してくれる交付金です。

規定の用途以外に使用することはできません。

補助金・助成金は後払い

補助金や助成金がもらえるのは、事業や施策をおこなった“後”です

つまり、すぐにお金が必要な場合の資金繰りには活用できません。

受給までの間は自己資金を使って先に支払う必要があるので、使用する資金はあらかじめ確保しておきましょう。

また、受給が決まってからすぐに入金されるのではなく、数カ月後に支払われるケースが多いです。

計画を持って申請しましょう。

仕事の片手間で手続きができない

補助金と助成金は、いずれも受給の要件が細かく決められています。

初見で申請するにはかなりの時間がかかると見たほうがいいでしょう。

さらに、条件は年度ごとに大きく様変わりすることがあります。

事業の片手間で申請手続きするのが厳しい場合は、専門家に任せることが安心です。

特に助成金申請代行は“社労士独占業務”です。

ただし、社労士に依頼する場合は報酬が発生します。

はじめは社労士に依頼し、何度か申請をおこなうことで慣れてきた場合は自分で申請するというように、状況によって変えましょう。

まとめ

補助金と助成金は両方とも同じ、国からの交付金ですが、それぞれ違いがあります。

助成金は審査がほとんどありません。

しかし、条件そのものが厳しい場合が多いので、就業規則などの必要資料は早いうちから揃えておきましょう。

補助金は審査を突破するために、あらかじめ事業計画を練っておくことがポイントです。

申請する補助金や助成金によって条件が異なるので、常に最新情報をチェックしておくことが大切です。

事業展開を目指すために、ぜひ補助金や助成金を積極的に利用してください。