2017/02/14

信用保証協会が連帯保証人となる「保証付き融資」を活用することで、融資を行う銀行側も貸し倒れリスクの軽減ができるので審査ハードルを下げることができます。

一方で、債務者は信用保証協会に連帯保証人になってもらう代わりに保証料を支払わなくてはなりません。

資金繰りが苦しい中、少しでも出費を抑えたい中小企業の経営者や事業主としては確実に融資を受けたい気持ちがある反面、いくらぐらい保証料が必要になるのか不安だと思います。

しかし、実際には信用保証料は高額ではなく、一括払いを基本としているものの分割での支払いも可能となっています。

ここでは「保証付き融資」に伴って発生する信用保証協会の保証料について説明していきます。

保証付き融資に必要な信用保証料とは

保証付き融資を活用するために発生する「信用保証料」は連帯保証人になってもらうためのリスク費用という考え方ができます。

信用保証協会としても債務者が金融機関に返済できなくなった際、自分達が代位弁済をする必要があるため、ただ保証人としてのリスクを負うだけのような立場は取りません。

信用保証料を受け取って、初めて連帯保証人となってくれるのです。

 

その信用保証料に関しては固定ではなく、主に下記の4項目から算出することになります。

・借入額(貸付金額)
・信用保証料率
・保証期間
・分割係数

この4項目は債務者の利用条件によって変動するものばかりです。

自分自身が保証人になったことをイメージすると分かりやすいですが、借入額100万円を保証するケースと、1,000万円を保証するケースとでは当然保証するリスクの高さが異なります。

このあたりは容易に想像することができますね。

また全国にある信用保証協会ですが、ベースとなる信用保証料率は9つの区分で分けられており、全国共通のものとなっています。

特定の都道府県で信用保証をお願いすれば保証料が安くなるという訳ではありません。

地方銀行や信用金庫など地元に特化した金融機関と親密な関係を築いていくことが小規模事業者には重要なことです。

地元の信用保証協会にも協力してもらい、金融機関との信頼関係の構築に繋げていくことが大切です。

保証料率を決める審査の流れ

保証付き融資では、金融機関だけでなく連帯保証人となる信用保証協会も当然ながら審査を行います。

審査の際に適用する保証料率を決められることになりますが、その基準となるのは企業や事業者の財務状況や保証の使い道です。

 

まず保証の使い道に応じて責任共有保証かどうかを振り分けされます。

カンタンに言えば、信用保証協会が最初に代位弁済の時に100%保証か80%保証かの違いです。

部分保証方式または負担金方式が決まったら、中小企業庁が中心となって立ち上げた「中小企業信用リンク情報データーベース(略:CRD)」と呼ばれる評価システムを活用して企業の信用力分析を行います。

大事だと感じますが、信用リスクの低い企業に対して保証料を安くすることは、信用保証協会としてのリスクを高めることにも繋がるのです。

このリスク評価に基づいて、ようやく料率区分が決められることになります。

もし、信用保証料率を参考までに知りたいということであれば確定申告書を直近2期分、裏書手形と割引手形の残高などを申告することで事前に調べてもらうこともできます。

保証料率の割引制度や分割払いも可能

また、信用保証料率には割引制度が設けられています。

・物的担保の有無
・「中小企業の会計に関する基本要領」に対応

担保を差し入れすることで適用料率から0.1%の割引が受けられます。

また、会社法に定められる会計参与がいるか決算書を作成していることを証明することで、別途0.1%の割引を受けることができます。

この信用保証料の支払いは申し込み時や条件変更の手続きの際に分割払いにすることも可能です。

ただ、保証料の補助を受けている場合などは分割支払いができないケースもあるので、各都道府県の信用保証協会に問い合わせてみましょう。

分割払いにすると分割係数として掛目が発生することになり、この掛目は均等・不均等などの一回あたりの支払い額の変動によっても変わります。

一括払いに比べると返済回数・期間によって支払う金額が多くなってしまうため、資金繰り上で問題がないのであれば一括払いしておきたいところです。

ただ、分割払いであっても最終約定期限前に融資金を完済(繰り上げ返済)した場合は、条件に応じて保証料の一部が返金されるケースもあります。

保証料を算出する計算方法

保証タイプによって計算式は変わりますが、下記の3パターンの計算式をピックアップします。

・満期一括返済

貸付金額×信用保証料率×保証期間(月数)/12

・均等分割返済

貸付金額×信用保証料率×保証期間(月数)/12×分割係数

・確定日保証

貸付金額×信用保証料率×保証期間(月数)/365

これらはいずれも円未満切捨ての扱いとなります。

事例として満期一括返済で2年(24ヶ月)の保証期間、貸付金額500万円、信用保証料率が年1.35%で満期一括返済した場合の信用保証料を計算してみましょう。

5,000,000円(貸付金額)×1.35%(信用保証料率)×24(保証期間)/12

これを計算すると信用保証料が135,000円ということが分かります。

なお、これらの信用保証料の支払いタイミングは融資を受けた時になるため、審査期間の間に保証料の準備をしておきましょう。

信用保証料の他に信用保証協会に支払う相談料や経費などは特には発生しません。

ただし、保証付き融資の手続きにおいて協力してもらう弁理士などに相談すると別途費用が発生します。

仕訳における保証料の勘定科目は前払費用

信用保証料を一括払いした場合、会計処理を行う科目の扱いは前払費用として扱うことができます。

ただし、複数年の保証期間であれば、一括払い・分割払いに限らず、当期分だけを未払費用として経費にする必要があるので注意が必要です。

信用保証料は非課税取引の扱い

事業を行う上で商品の納品や備品として事務用品を購入したりすることも多々ありますが、いずれにも消費税がかかってくることはご存知のとおりです。

国税庁では課税対象として見合わないもの・社会政策的配慮などから一部の取引においては非課税取引として認めています。

ここで説明してきた信用保証料も非課税取引として消費税がかかることはありません。

まとめ

信用保証料率は単体でみれば借入額全体に対しても差ほど大きなものではないと言えます。

しかし、銀行に返済する際には金利分も上乗せすることになります。

そのため保証付き融資を受けるにあたっては信用保証料と融資にかかる金利と総合的な返済額を見込んで検討することが重要になります。

ただ、資金調達は企業経営者・事業者にとっては止めることはできないものです。

少しでも安定した資金調達が行えることを考えると、信用保証料を支払う価値は十分にあると言えるでしょう。