ベンチャーキャピタルはいわゆるベンチャー企業がスタートアップ(起業)するときに、資金面・経営ノウハウなどあらゆる面で経営支援をする投資会社のことです。
銀行のように融資をするだけでなく経営面のサポートがあるので、企業経営未経験者でも安心してスタートアップができます。
しかし、ベンチャーキャピタルのサポートはどんな企業でも受けられるわけではありません。
今回はベンチャーキャピタルの資金調達に関して解説しましょう。
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【ライター】嶋崎 -
当サイトを運営している嶋崎と申します。
わたしは経営の経験はありませが、サイト運営に携わり約2年が経過するなかで、事業主のお金の悩みは特有であることを勉強してきました。
たとえば事業主へ実際にインタビューをしたり、実際にセミナーに参加したりするなどして、資金調達の流れやどのようなときにお金の不安を感じるのかを勉強しています。
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ベンチャーキャピタルとは?
ベンチャーキャピタルは出資をして利益を得ることを目的とした組織です。
特にハイリターンを狙う投資会社をベンチャーキャピタルと呼んでいます。
ベンチャーキャピタルの対象
ベンチャーキャピタルが出資する企業は高い成長率のある未上場企業です。
ベンターキャピタルは基本的にハイリスクハイリターンを狙う投資家集団なので、一般企業は投資の対象になりません。
いわゆるベンチャー企業が投資対象で、将来上場する可能性がある企業に投資します。
そうした意味ではベンチャーキャピタルの投資先となる企業は、かなり狭い範囲に限られるといえます。
す。
日本のベンチャーキャピタル
日本最大手のベンチャーキャピタル「ジャフコ」は1973年に設立されていますが、それ以降も銀行・証券会社系列を中心として設立されています。
系列としては銀行・証券系列の他に、事業会社系、商社系、通信系、政府系、大学系のベンチャーキャピタルがあります。
銀行・証券系 | 大和SMBCキャピタル りそなキャピタル みずほキャピタル 信金キャピタル |
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政府系 | 東京中小企業投資育成株式会社 名古屋中小企業投資育成株式会社 大阪中小企業投資育成株式会社 |
商社系 | 伊藤忠テクノロジーベンチャーズ 安田企業投資 三井ベンチャーズ |
事業者系 | SBIインベストメント 紀陽リース・キャピタル |
大学系 | 慶應イノベーション・イニシアティブ |
独立系 | 日本アジア投資 日本テクノロジーベンチャーパートナーズ フューチャーベンチャーキャピタル グロービス・キャピタル・パートナーズ CSKベンチャーキャピタル |
系列やベンチャーキャピタルによってそれぞれ投資の対象が違うので、自社が条件に当てはまるかどうかを確認することが第一です。
例えば政府系ベンチャーキャピタルでは「資本金3億円以下の中小企業」「公序良俗に反しない企業」といった条件があります。
また、ベンチャーキャピタルから撤退するケースも多くなっているので、安定したベンチャーキャピタルを選ぶことも重要です。
ベンチャーキャピタルからの資金調達方法
ベンチャーキャピタルからの資金調達といっても、基本的には金融機関への融資申込と大きな違いはありません。
しかし銀行融資の審査と比べると、市場を含めた将来性を重視するという点で違いがあります。
ベンチャーキャピタルが重視する点
ベンチャーキャピタルが投資するかどうかは次の点の評価によって決まります。
・差別化ができるか
・株式公開の可能性があるか
投資先企業の将来性はもちろんですが、その市場自体に成長性があるかどうかということが重要な要素になります。
成熟した市場に新規参入するのであれば、将来性は見込めないという考えです。
またその成長市場の中でも突出するためには、他社を差別化できる技術やノウハウを持っているかどうかもポイントになります。
それらを含めて株式公開の可能性がある起業家や企業に対して投資を行なうのがベンチャーキャピタルです
ベンチャーキャピタルの審査
ベンチャーキャピタルでも銀行融資同様に審査を行ないます。
一般的な審査の流れは次の通りです。
【2】書類提出
【3】2回目の面談
【4】ヒアリング
【5】審査
【6】投資
経営者や経営陣との面談は数回あり、創業の経緯、事業の内容、事業の強み・弱みなどを確認します。
事業計画書などの書類提出後、審査対象企業の各種関係先や業界関係者へのヒアリングによって将来性の判断が行われます。
担当者に審査後、社内審査に進み次の視点から審査の可否を決定します。
・市場の規模
・成長性
・事業性・参入障壁
最終的に審査を通過すると投資決定となり、投資契約を締結します。
その後も計画通り進んでいるか、資金使途の通り資金が使われているかをモニタリングしてチェックが行われます。
クラウドファンディングとの違い
クラウドファンディングも不特定多数の個人投資家から資金調達をするので、ベンチャーキャピタルによる資金調達と共通している点があります。
しかし、クラウドファンディングはひとつのプロジェクトの成功で資金調達が可能ですが、ベンチャーキャピタルで成功するには株式公開・株式上場までこぎつける必要があります。
より長期的な展望が必要となる点でクラウドファンディングよりもベンチャーキャピタルの利用は難しいといえます。
またベンチャーキャピタルの対象となる企業もクラウドファンディングに比べると限られるという点でも違いがあります。
ベンチャーキャピタルのメリット・デメリット
ベンチャーキャピタルを利用するメリットはどこにあるでしょうか?
また、デメリットや注意点はあるでしょうか?
簡単にまとめたので利用する前に確認しておきましょう。
ベンチャーキャピタルのメリット
設立したばかりのスタートアップ企業にとって、最も問題となるのが信用力の弱さです。
また担保力もなければ、銀行などの金融機関からの資金調達が難しいというお金の問題に直面します。
しかしベンチャーキャピタルの投資(VC投資)では、信用力や担保力ではなく将来性や経営者のビジョン、技術力によって投資を判断するというメリットがあります。
さらに金銭面だけでなく育成支援という側面もあるので、経営ノウハウや他企業との連携支援も行なってくれるのもメリットのひとつです。
ベンチャーキャピタルのデメリット
デメリットとしてはメリットの裏返しとして経営の自由が失われるという点があります。
ベンチャーキャピタルは個人投資家や機関投資家よりも対象企業に対して強い影響力があります。
VC投資の目的はビジネスであって助成金や補助金とは意味が違い、企業価値を高めて売却や株式による利益を得ることです。
そのためお金も出しますが、経営に対しても口を出すのがベンチャーキャピタルです。
自分の会社を上場させたいという強い意志がなければ、VC投資は利用しないほうがいいでしょう。
ベンチャーキャピタル以外の資金調達方法
ベンチャーキャピタルでも投資できない企業に対してはエンジェル投資家を探すという方法もあります。
エンジェル投資家は個人投資家なので、VC投資よりも融通が聞くというメリットがあります。
また、創業資金の調達であれば政府系の制度融資なども利用できます。
日本政策金融公庫の制度融資や国や地方自治体の助成金や補助金利用も効果的です。
また創業資金以外の運転資金や設備投資資金の調達には以下の方法があります。
・クラウドファンディング
・銀行融資
・手形割引
・ノンバンクビジネスローン
ベンチャーキャピタルは株式会社が対象となるので、それ以外の中小企業や個人事業主は上記の資金調達方法で対応しましょう。
まとめ
VC投資は資金力が不足しているベンチャー企業がスタートアップを成功させるためには有効な資金調達方法です。
しかし対象となる企業が限定的で、どんな企業でも利用できる方法ではありません。
対象外の企業や個人事業主は、資金使途に合わせて適切な資金調達方法を選びましょう。
また、VC投資の対象となる企業もベンチャーキャピタルのメリット・デメリットを良く理解した上での利用を心がけましょう。