2017/09/27

固定資産税は不動産を所有していれば法人・個人、事業者であるなしにかかわらずかかる地方税です。

新規に不動産を取得する人にとっては具体的に固定資産税がいくらかかるのか気になることでしょう。

固定資産税の計算方法そのものは簡単ですが、建物と土地の評価に違いがあります。

今回は固定資産税の計算方法をわかりやすく解説しましょう。

固定資産税の概要

まずは固定資産税の基本的について解説しましょう。

固定資産税の課税対象と納税義務者

固定資産税は市町村などの地方自治体が課税する地方税です。

役所イメージ

固定資産税は土地と建物に課税されるもので、納税義務者は対象となる不動産の所有者となります。

納税義務者は土地・建物の所有者なので、賃貸住宅に居住している場合は固定資産税を支払う義務はありません。

毎年1月1日時点での所有者に対して課税されるので、不動産売買などでは固定資産税の負担も取り決めするのが一般的です。

月割や日割りなどで所有権移転の日付に合わせて、固定資産税の負担割合を決定します。

ちなみに固定資産税には免税点があり、次の金額未満の評価であれば課税されません。

・土地30万円未満
・建物20万円未満

固定資産の評価と税率

固定資産税の計算は簡単で、「固定資産税評価額✕標準税率」で計算することができます。

標準税率は基本的に1.4%ですが、財政の厳しい地方自治体などでは1.4%を超えることもあるので各市町村で確認しましょう。

固定資産税評価額は各市町村にある「固定資産課税台帳」に記載してあります。

固定資産課税台帳は毎年一定期間に縦覧期間が設けられているので、その期間内であれば閲覧することが可能です。

しかし、閲覧できるのは納税義務者とその家族で、第三者は委任状が必要となります。

不動産購入前に固定資産税を確認したい場合は、概算でよければ自分で計算したほうがいいかもしれません。

およその目安であれば購入価格の70%に1.4%をかけると、固定資産税の概算ができます。

不動産業者の仲介などがある場合は、業者に確認すればもっと正確な金額がわかります。

また、それほど難しい計算ではないので自分で計算してみるのもいいでしょう。

固定資産の評価替え

土地の価格は大きな変動はありませんが、建物に関しては毎年劣化していく(経年劣化)ため、土地・建物ともに3年に1回固定資産税評価の見直し(評価替え)が行なわれます。

評価替えを行なう年度を基準年度と呼び、直近では平成27年度基準年度となり、次回は平成30年度評価替えとなります。

本来であれば毎年評価替えを行なうことが公平さにつながりますが、毎年膨大な不動産の評価を行うことは難しいため3年に一度となっています。

負担水準と負担調整措置

土地の評価はそれほど大きな変化はありませんが、急激な値上がりもあります。

そのため課税負担が急激にならないよう、緩やかに課税評価が行なわれるよう調整する措置がとられています。

これを負担調整措置といい、そのために負担水準が決められています。

負担水準=前年度課税標準額/新年度課税標準額(×住宅用地特例率1/3又は1/6)

この負担水準に応じて新年度課税標準額を決定します。

住宅用地の課税標準額

負担水準100%以上 新年度評価額×住宅用地特例率(1/6 又は1/3)
負担水準90%以上100%未満 前年度課税標準額を据え置き
負担水準90%未満 前年度課税標準額 +(新年度評価額×5%)

※負担水準90%未満の場合、負担水準100%以上の評価額の90%を超えるときは90%まで引き下げる。※同じく20%未満の場合は20%まで引き上げる。

非住宅用地の課税標準額

負担水準70%超 新年度評価額×70%
負担水準70%以下60%以上 前年度課税標準額を据え置き
負担水準60%未満 前年度課税標準額 +(新年度評価額×5%)

※負担水準90%未満の場合、新年度評価額の60%を超えるときは60%まで引き下げる。
※同じく20%未満の場合は20%まで引き上げる。

固定資産税の計算方法

それでは具体的に固定資産税の計算のしかたを解説しましょう。

土地の固定資産税計算

土地の評価には実勢価格や公示価格、路線価などがありますが、固定資産税の評価基準は路線価で行ないます。

土地の評価としては実際の売買事例である実勢価格が最も高く、次に公示価格、路線価と続きます。

路線価は公示価格の70%を目安として決められています。

具体的に路線価は土地が接している道路に対して価格を設定しています。

路線価の数字が300であれば千円単位なので、その道路に接する土地は1㎡当たり30万円の評価となります。

土地の地積が100㎡であれば、評価額は30万円✕100㎡=3,000万円となります。

つまり固定資産税は3,000万円✕1.4%=42万円となります。

上記は単純な計算となりますが、居住用の土地であれば軽減措置もあるのでさらに減額される可能性があります。

参考HP:国税庁(平成28年分財産評価基準

建物の固定資産税計算

建物の評価は土地評価とまったく違い、再建築した場合の建築費を基準として評価します(再建築価格方式)。

新築住宅用家屋の場合

評価額=再建築費評点数×損耗減点補正率×1点単価

中古住宅用家屋の場合

中古資産のイメージ

評価額=前基準年度の再建築価格×再建築費評点補正率×損耗減点補正率×1点単価

※再建築費評点数
建物を部位別に点数化し再建築した場合の費用の基本を割り出します。
例えば外壁であればサイディングは8,300点、タイルは12,180点というように材質などで違いがあります。
すべての部位の合計点数が再建築非評点数となります。
基本的に点数は1円単位の金額となり、その他の補正を加えて最終的な評価額が決定します。

※損耗減点補正率
損耗減点補正率は経年劣化などによる補正のことで新築の場合、ほとんど影響はありません。

※1点単価
物価水準や設計管理費などを考慮して1点当たりの単価を補正します。
木造家屋と非木造家屋では非木造家屋の単価が高くなります。

建物評価は実際に自分で計算するには難しいので、業者など専門家に相談しましょう。

評価さえわかれば後は1.4%をかけるだけで固定資産税を算出できます。

マンションの固定資産税評価

マンションの固定資産税に関しても土地と建物をそれぞれ評価するという点では同じですが、土地に関しては共有部分もあるため評価方法の考え方が少し違います。

マンションでは居住している専用部分の面積(床面積)に応じた固定資産税を支払うことになります。

例えばマンション全体の土地の固定資産税評価額が5億円、30戸の分譲マンションの場合を考えてみましょう。

30戸すべての専用部分が同じ面積であれば、5億円÷30戸=1,667万円の評価額となります。

土地の固定資産税額は233,380円となります。

もちろん建物の専用部分の固定資産税も一戸建同様に支払います。

なお、土地の持ち分比率は登記簿謄本に記載されているので、それをもとにして詳しい計算をすることができます。

固定資産税の支払い

固定資産税の支払いは基本的に4分割で支払います。

納期は6月末日、9月末日、12月28日、2月末日で、6月初旬には納付書が送付されます。

基本的には4分割ですが一括で支払うことも可能です。

特に事業用で不動産を持っている場合は、資金繰りなども考慮して支払い方法を考えましょう。

また自治体によってはクレジットカードで支払えるケースも多くなっているので、高額な固定資産税はクレジットカード決済してポイントを貯めるとお得です。

ただしクレジットカードによっては公共料金決済にポイントがつかない場合もあるので注意しましょう。

固定資産税の軽減税率・優遇措置

固定資産税の軽減税率や優遇措置に関しては、別に解説しているので詳細はそちらをご覧ください。

ここではどんな軽減措置があるのかを簡単にご紹介します。

住宅用地(宅地)の軽減措置

賃貸物件も含めて居住用の土地であれば、小規模住宅用地・一般住宅用地に分けて1/3~1/6の軽減措置を受けられます。

新築住宅に対する固定資産税の減額措置

一定の居住部分の床面積によって3年度分の固定資産税が半減されたり、耐震性や耐久性の基準を満たした認定長期優良住宅に減額措置が講じられたりしています。

耐震改修・バリアフリー改修

一定期間内に耐震改修やバリアフリー回収を行なうと固定資産税が軽減される場合があります。

まとめ

固定資産税の計算は基本的には専門家にお願いすることをおすすめします。

特に建物の評価は複雑なので、自分だけの判断で固定資産税を見積もるのはリスクが伴います。

固定資産税は高額な税額となるので、特に事業者は正確な金額を専門家に依頼しましょう。

基本的には自分で計算する必要はなく、申告しなくても自動的に計算されて納付書が届きます。

自分で計算するのは事前にある程度の税額を把握する目安としましょう。

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