「事業のための資金を借りたいけど、どこから借りるのがいいかわからない」
「来週が仕入れ先の支払日なのに、納品先の支払い遅れて現金が足りない…」
会社を経営していたり、自ら事業を営んでいたりすると、このようなお金の悩みはつきものだと思います。
事業資金といっても、それが事業を立ち上げるための開業資金と経営を動かしていくための運転資金、設備を増強するための設備資金があります。
3つの事業資金 | ||
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開業資金 | 運転資金 | 設備資金 |
いま、この記事を読んでいるみなさんが必要としている事業資金は、いったいどの事業資金でしょうか?
どの事業資金が必要かによって、事業資金の最適な借り先は異なるため、まずは必要な事業資金がいったいなんのためのお金なのかを再確認しておきましょう。
例えば、「来週が仕入れ先の支払日なのに、納品先の支払い遅れて現金が足りない…」という状況なら、申込から借入までに2週間ほど時間がかかる銀行融資ではなく、最短即日~3日で借入できるビジネスローンが最適です。
この記事では、事業資金が必要な場面で、その借入方法を選べぶのが最適なのかを解説していきます。
最後まで読んでいただければ、今みなさんが置かれた状況に最適な事業資金の借り方が見つかるはずです。
事業資金には3つの資金使途がある
まずは何の用途でお金が必要なのか切り分けましょう。
事業資金には3つの資金使途があります。
②運転資金
③事業資金
起業資金(開業資金)とは?
起業資金とは、ビジネスを始める時に必要なお金で、一言で言ってしまえば起業のための元手です。
起業資金はビジネスを始める時点で用意するものですから、自分自身で目標や期限を設定する事はあっても、第三者への支払い期限がありません。
起業資金は融資決定までのスピードよりも金額や条件を重視しましょう。
直ぐにお金を用意しようとして、消費者金融やカードローンなどの高金利の融資を受けるべきではありません。
運転資金とは?
運転資金とはビジネスを継続していく上で必要になるお金です。仕入れ代金の支払いや家賃、光熱費、通信費、人件費、広告費等が相当します。
起業資金と違って、既に事業が動いている状態で必要になるお金ですから、常に支払い期限があります。
もし家賃が払えなければ、事務所を追い出されますし、仕入れ代金が払えなければ商品を売ってもらえません。
何よりも従業員に給料が払えなければ働いてもらえません。
つまり、運転資金の不足は最も緊急性が高いのです。
運転資金が必要とされる時
通常、健全経営をしているのなら運転資金の融資を受けることはありません。常に黒字で回っているのが事業として当たり前だからです
もし赤字が常態化しているのなら、会社の資金が減っていく一方です。運転資金を借りる事が出来たとしても、返済計画のメドが立ちません。
支払期限のズレや手形の問題で一時的に運転資金が枯渇する事があってもいいですが、慢性的に運転資金が不足している場合は、事業の形態そのものに問題があるといえます。
ピンチをしのいだら、借りたお金がある内に大きく業務内容を変化させないと事業を継続できなくなります。
お金を借りて次の支払いを乗り切れればいいという考えは典型的な自転車操業ですし、いくら借り入れしても返済できないので、最終的な負債が大きくなり、遂には破綻するでしょう。
できるだけ運転資金を借入金でまかなうような状態にならないように注意して下さい。
設備資金とは?
設備資金とはビジネスを維持・拡大するための投資一般の事です。
例えば営業車やトラックを購入したり、老朽化した機械を新しい機械に入れ替えたり、お店の内装をきれいにする時に必要となるお金です。
設備資金は一度にまとまった金額が必要になりますが、会社にそれだけの資金がストックされている事はあまりありません
そこで金融機関から融資を受けるというわけです
内部留保と設備資金
利益を再投資せずに内部留保(貯金)として残しておく事で、設備資金を用意できますが、会社の黒字が増えるという事は税金をたくさん払う事を意味します。
会社としては出来るだけ税金を納める金額を減らしつつ、こまめに将来に向けた投資をして事業を安定させるべきです。
内部留保が潤沢という状態は長い目で見れば、余分に法人税を払っているので好ましくありません。
もちろん、個人事業主でも黒字が大きくなれば、所得税や住民税、健康保険の支払いが一気に増えます。
つまり、設備資金は必要な時に必要なだけ有利な条件で融資が受けられることが最も望ましいのです。もしもの時に備えてお金を貯めておけばいいというわけではありません。
ただし、現在は銀行が貸付に消極的ですから、法人・個人事業主ともに内部留保を増やしているところが多く、お金が滞留して不況の原因の一つとなっています。
余分に税金を払ってもお金を会社(個人)に残しておきたい、というのは社会不安の表れなのです。
事業資金を借りるための必要書類
事業資金を借りる為には審査があり、審査を通過するには様々な書類が必要です。
貸し手側も貸し付けたお金が返済不能になって焦げ付く事を恐れています。
その為、事業資金を返済する能力がある事を証明するために、たくさんのデータが必要となるのです。
具体的には下記の書類を用意します。
・賃借対照表
・資産表
・事業計画書
・資金繰り表
・借入状況一覧法
・納税証明書
・収入証明
これらの多くは公的な書類なので、借り手側の信用能力をチェックする事ができます。
自己申告だけでは貸し手側に信用されません。
また、決算書は前期分だけでなく、前々期の分と合わせて2期分の提出を求められることもあります。
審査の担当者が会社の業績の推移をチェックする事で、事業の安定度合いが分かるのです。
他にも資金繰り表や事業計画書をチェックする事で、お金を借りた時に何に使い、返済計画はどうするのかが読みとれます。
決算書に嘘が無いかは、納税証明書や収入証明書で確認できます。
今現在の貸し手側はバブル崩壊時の不良債権処理の悪夢があるため、簡単には信用してくれません。
沢山の書類による裏付けが必要となります。
起業資金の借り方
起業資金の借り方はかなり難関となります。
なにしろ、ビジネスを始めていないので、信用情報が全くありません。
銀行側は審査基準が無いので、お金を貸していい相手なのか判断が出来ませんから、良い条件で融資を受けることは難しいのです。
銀行ローンについて
銀行からお金を借りるというのは、ローンを組むという事です。
個人ならマイカーローン、住宅ローン、教育ローンなど、各銀行が様々なプランを用意しています。
起業目的でお金を借りる場合も同様で、ビジネスローンとなります。
一部の地方銀行では起業者向けのビジネスローンのシステムがありますが、該当する条件は厳しいです。
メガバンクを含むほとんどの銀行で創業時に資金を借りるとなると、連帯保証人を立てなければなりません。
または、信用保証協会と契約して、返済できなくなった場合に建て替えてもらう契約をする必要があります。
万が一返済不能に陥った場合、信用保証協会が銀行にお金を返してくれますが、借りたお金が帳消しになるわけではありません。
借り手側は銀行ではなく、建て替えてくれた信用保証協会にお金を返す必要があるので、破産など特殊なケースに該当しない限り、融資を受けたら返済義務があるのです。
新創業融資制度
そこで最もおすすめなのが日本政策金融公庫の新創業融資制度です。
新創業融資制度はこれから事業を始める人、事業を始めて1度しか決算をしていない人(創業2年目)の人が対象となる融資制度です。
最大の特徴は無担保で保証人がいらないという点。
新創業融資制度の活用について詳しくは、下記の記事で解説しているのでご覧ください。
個人事業主ならPayPay銀行ビジネスローン
日本初のネット銀行として有名なPayPay銀行は、2019年の5月から法人代表・個人事業主むけに使途自由のビジネスローンをスタートさせました。
このPayPay銀行ビジネスローンは、上限金利が年13.8%と、ビジネスローンの中ではとても良心的な金利設定になっています。
また、個人事業主の新規事業立ち上げのための事業資金を借り入れることもできるので、これから事業を始めようとしている個人事業主におすすめのビジネスローンです。

- 上限金利は年13.8%
- PayPay銀行の口座がなくても申込める
- 最短翌営業日に借入可能
実質年率 | 限度額 | 審査時間 |
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4.8%~13.8% | 500万円 | 最短翌営業日 |
運転資金の借り方
運転資金は何よりもスピードが大事です。
支払い期限が決まっているので悠長に審査結果を待っている事が出来ないからです。
運転資金が調達できず、もし2回の手形不渡りを出したら、会社は倒産です。
資金繰りに苦慮しながらもビジネスを回している状態と倒産状態は、似ているようでまったく違います。
ビジネスが回っている以上は改善や逆転の目がありますが、倒産してしまったら信用情報に傷がつき、取引先にも迷惑をかけ、場合によっては自分自身の資産も失います。
それだけは避けたいですよね…。いや、避けていただきたいです!
会社経営を続けていくためにも、運転資金を借りるなら小回りの利く金融機関を使いましょう。
銀行のビジネスローン
銀行ビジネスローンは各行それぞれの提供内容が異なり、利用に条件があります。
横浜銀行ビジネスフリーローン
例えば、最大級の地方銀行である横浜銀行のビジネスフリーローンは特定地域の中小企業法人だけを対象にしており、個人事業主や地域外の人は利用できません。
下記の3種類の固定金利となっており、審査結果によって適用金利が決定されます。
・年間 8.0%
・年間 14.5%
年間14.5%という数字は一部の民間企業のビジネスローンよりも割高です。
その上、審査結果が出るのは最短1営業日ですが、実際にお金が振り込まれるまでは1~2週間もかかります。
このように、”審査が厳しい銀行なら遅くても金利が安い”とは限らないので注意してください。
民間企業のビジネスローン
銀行のビジネスローンに対して民間企業のビジネスローンは借り手が用意しなくてはいけない書類も限られています。
銀行とは違って圧倒的に融資決定までのスピードが速く、最短即日で融資が受けられます。
ただし、民間企業のビジネスローンがあらゆる意味で優れているわけではありません。
審査の簡略化と対象範囲の広さ、融資スピードの面で有利ですが、銀行に比べて全体的に金利が高いのです。
もちろん、銀行の審査の結果、銀行から借りても同じ程度の金利だった、という事は十分にあり得るので、時間に猶予があれば両方の条件を比較してみると良いでしょう。
おすすめはアイフルビジネスファイナンス
民間ビジネスローンの利用は必ず選択肢として持っておくべきです。
大手消費者金融のアイフルグループが運営するアイフルビジネスファイナンスなら、借入限度額は1,000万円までとカバー率の高いビジネスローンとなっています。
すべての申込をWEBで完結できるため、来店の必要もなく、先にローンカードを手にしておけば、運転資金の調達が必要になったときすぐに融資を受けることができます。
申し込んでから融資実行まで最短即日。緊急時の資金調達方法としてここまで頼もしいものはありません。

- ゆとり融資額の最高1,000万円
- 赤字決算にも対応とHP上に明記
- 累計口座開設数15万口座以上
実質年率 | 限度額 | 審査時間 |
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【ビジネスローン】年3.10%~年18.0% 【カードローン】年5.0%~年18.0% |
1万円~1,000万円 ※新規取引時は上限500万円 |
最短即日 |
高金利は賢い利用方法でカバーする
高金利であるがゆえに経営んされる民間のビジネスローンですが、少額・短期の利用を徹底すれば利息負担は少なく済みます。
100万円×0.18÷365日×7日間=3,452円 ※概算です。
多少の金利差があっても長期にわたって借り続けなければ大きな問題にはならないので、時間的猶予がないときは、借入先をスピード重視で即断即決するべきです。
設備資金の借り方
設備資金を借りる場合は低金利で中長期的に返済できる金融機関を選びましょう。
設備投資にコストをかけても、直ぐに取り返せるほど売り上げが伸びる事は無いからです
特に旧式のパソコンや製造機械を新型に入れ替える場合は、作業効率が上がっても売り上げに直結するわけではありません。
毎月少しずつ作業の省力化が出来てランニングコストが減る事で、長期的に大きなメリットを生み出すからです。
直接的な営業力に関わる設備投資をしても、顧客まで増えるわけではありません。
事前に計画しておく
設備投資は突然必要となるわけでは無く、大抵の場合は事前に計画があるものです。
そろそろお店の内装をきれいにしようとか、機械が古くなって壊れそうだから買い換えようといった具合に、事業の継続性に気を配っていれば前もって計画を立てる猶予があります。
この場合は事前に設備購入先から月賦の見積もりを取っておくことが大事です。設備は高額なので一括購入する事は稀ですから、あらかじめ連絡をつけておくのです。
また、資金の不足が懸念される場合は、取引先の銀行融資や日本政策金融公庫の普通貸付などを利用しましょう。
審査が厳しく、長引いたとしても返済時の金利が安いというメリットがあるからです
もし商工会議所や商工会に参加しているのなら、更に有利なマル経融資の利用も選択肢に入れる事が可能となります。
健全経営が出来ていて時間的猶予があるのなら、選択肢の幅が広がり、有利な条件で借りやすいのです。
突発的なトラブルによる設備資金の必要性
設備の耐用年数などから投資計画をたてられる事は確かですが、何事にも例外があります。必ずしも予定通りにいくとは限りません。
事故や災害、突然の故障などで急に設備資金が必要になる事もあります。
この場合、保険の有無によって2つのパターンが想定できますが、結論は同じです。
重要な設備機械や自動車の場合は保険に入っているケースが多いですが、修理に出すにせよ、新調するにせよ保険金が下りるまでの間にお金が必要となります。
設備代金の支払期限と借り入れの審査結果が出るまでの期間を把握して、一般の融資を受けられるのなら構いませんが、時間的猶予がなければ、金利が高くてもすぐに借りられるビジネスローンを使って対処するしかありません。
また、保険に入っていない場合も同様です。
すぐに修理しないと事業が継続不可能となった場合は、やはりビジネスローンを使わざるを得ません。
このように、ビジネスローンが必要とされるのは主に緊急時です。
借入したい金額や金利よりも融資決定までのスピードが重要です。既存の金融機関や政府の制度がカバーしきれない部分に大きな需要があるのです。
まとめ
事業資金を借りるときは、目的別に最適な借り方・借り先を使い分けるようにしてください。
緊急性があるのか、長期的な計画の一部なのか、十分に考慮して借入先を選びましょう。
そうすることで、急場をしのぐこともでき、利息による余分なダメージを負うこともなく資金繰りできるようになります。
補助金や助成金を含めて資金調達の選択肢を多く知っておくことも、経営者に求められるスキルと言えるのではないでしょうか。