2019/08/19

ファクタリングとは、売掛債権を期日よりも前に売却することで事業資金を調達するサービスです。

ここ数年で急速な広がりを見せ、融資ではない新しい資金調達の方法として利用者を増やしています。

しかし、新しいサービスであるがために、法整備も追いついておらず、悪徳な業者も紛れていることも。

今回はファクタリング会社10社を徹底比較。ファクタリングによる資金調達方法についても解説します。

ファクタリング会社の比較

ファクタリングは銀行の関連会社や銀行も直接取り扱っています。

銀行のファクタリングサービスとノンバンクのファクタリングサービスをそれぞれ比較してみました。

銀行系ファクタリング会社の比較

それでは銀行系ファクタリング会社の比較です。

社名 3社間
ファクタリング
2社間
ファクタリング
取扱金額 現金化スピード
三菱UFJファクター できる できない 1億円以上 2週間~1ヶ月
みずほファクター できる できない 規定なし 2ヶ月~3ヶ月

銀行系ファクタリング会社は基本的に、中小企業が対象でも優良企業が中心で、審査も厳しい傾向にあります。

中でもみずほファクターは資金化までに数カ月かかるので、よほど長期の売掛債権を持っていない限り、中小企業の事業資金調達手段としてはあまり適していません。

現在、銀行では「でんさい(電子記録債権)」に力を入れているので、通常のファクタリングよりも「でんさいファクタリング」の活用も考えてみましょう。

でんさいは手形や売掛債権などを電子データ化して、「でんさいネット」経由でインターネットを利用した記録や売買ができるシステムです。

でんさいファクタリングでは売掛債権を現金化せずに、そのまま別の取引先へ一部譲渡することで支払することが可能です。

専業・貸金業者系ファクタリング会社の比較

続いて、ノンバンクが提供しているファクタリングサービスの比較です。

最初にどれくらい早く現金化できるのか、いくらまで現金化できるのかを比較してみました。

会社名 現金化
スピード
買取金額
上限
債権譲渡
登記
ビートレーディング 最短即日 3億円 登記なしも可
 JTC 最短翌日  1億円  登記なしも可 
MEDCS  1~2日  5,000万円 2社間は必須
 NSキャピタルマネジメント 最短2日 1億円
(1社2,000万円)
原則必要
トップ・マネジメント 最短即日 1億円
(1社3,000万円)
原則必要
アイフルビジネスファイナンス 1億円 原則必要
ライジングインベストメント 最短即日 1億円 原則必要 
ワダツミ 最短3日 10億円 原則必要 
財務会計支援機構 3~4日 1億円 不要
三共サービス 最短2日 3,000万円 原則必要

銀行が提供するファクタリングでは、現金化まで数ヶ月かかるものがありましたが、ノンバンクのファクタリングは最短即日で現金化することができるものもあります。

なかでもビートレーディングは、最短即日現金化に加え、銀行に負けない3億円の限度額をほこる優秀なファクタリングサービスです。

ファクタリング会社の手数料の比較

ファクタリングには手数料が発生します。

どんなに素早く現金化してくれるとしても、手数料でほとんど持っていかれてしまっては意味がありませんよね。

手数料も比較してみました。

会社名 2社間
手数料
3社間
手数料
ビートレーディング 3.0%~
 JTC 2.0%~
MEDCS  2.0%~10.8%
 NSキャピタルマネジメント 1.0%~
トップ・マネジメント 1.0%~
アイフルビジネスファイナンス 2.0%以下
ライジングインベストメント 1.0%~
ワダツミ 1.0%~3.0%
財務会計支援機構 7.0%~11.0%
三共サービス 5.0%~ 1.5%~

※2019年1月時点の情報なので、利用する場合は最新情報を必ずチェック・確認してください。

平均的な手数料の下限は3.0%~5.0%といったところでしょうか。

手数料がすべて「〇〇%~」となっているのは、ファクタリング会社に売却する売掛債権の信用度によって手数料が異なるからです。

手数料の仕組み

中には手数料1.0%~となっているファクタリング会社もありますが、はじめて利用する場合1.0%の手数料が適用されることはほとんどありません。

またほとんどが支払サイトによって手数料が変わる月利となっています。

つまり売掛債権の支払サイトが30日の場合に基本手数料1%とすると、90日では3%になります。

さらに基本手数料が2%であれば、もっと高い手数料になります。

上限手数料を公表していないファクタリング会社を利用する場合は、手数料の仕組みを必ず問い合わせてからにしましょう。

ファクタリングとは

ファクタリングを利用すると、支払期日よりも前に債権を現金化することができます。

具体的に説明すると、“3ヶ月後に100万円が貰える権利”を80万円で買い取ってもらうサービスです。

小売業を除く日本の商売では、仕入れの支払いが先で売り上げの入金が後になるのが基本。売上が入金される前に支払いが発生するため、それを建て替える運転資金が必要になります。

しかし中小企業や個人事業主の場合、売上が入金されなければ支払いが追い付かないという事態がないとは言い切れません。

3ヶ月後には100万円手に入るけど、明日支払う50万円が手元にない…

そういった資金ショートを解決する方法がファクタリングになります。

ファクタリングと融資の違い

ファクタリングはお金を借りる融資とは異なり、売掛債権を売却して資金調達をする方法になります。

融資を具体的に説明すると、“3ヶ月後に100万円にして返す約束”で80万円を借りるサービスです。

どちらも手に入るのは80万円ですが、融資の場合は約束どおりに返済する義務があり、別で返済原資を調達しなければなりません。

ファクタリングはもともと自分が持っていた権利を買い取ってもらっているので、返済も何もありません。

その上、貸借対照表やバランスシートが改善されるので、今後の資金調達にも良い影響を与えます。

審査方法にも違いがある

仕組みだけではなく、審査の方法にも違いがあり、融資は利用者の信用度が審査されるのに対して、ファクタリングで審査されるのは売掛先の信用度です。

もし利用者が税金を滞納していたり赤字決算だったりした場合、“3ヶ月後に100万円にして返す約束”が守られそうにないと判断され、融資を申し込んでも断られてしまうケースが多いでしょう。

しかしファクタリングの場合、売掛先が信用に足る企業なら、“3ヶ月後に100万円が貰える”のは確実だと判断され、利用者が税金を滞納していたり赤字決算だったりした場合でも審査に通る可能性が高くなります

ファクタリングと手形割引の違い

ファクタリングはノンリコース(償還請求権なし)で利用できるため、万が一売掛先が倒産したとしても、ファクタリングで受け取った金額を返却する必要はありません。

ファクタリングとよく似た資金調達方法に手形割引がありますが、こちらは売上金が支払われることを担保にした融資という仕組みをとっているので、売掛先が倒産した場合は、売却した手形を買い戻さなければなりません。

ファクタリングでは、売掛先が倒産して“3ヶ月後に100万円が貰える権利”が白紙になるリスクも一緒に買い取ってくれるサービスなのです。

ファクタリングの種類

中小企業や個人事業主などが一般的に利用している売掛債権を買い取りするファクタリングは「一括ファクタリング」と呼ばれていて、2種類存在します。

そのひとつが2社間ファクタリングと呼ばれています。

2社間ファクタリングの特徴

ファクタリング会社(A)と売掛債権を譲渡する企業(B)の2社間で取引するファクタリングが2社間ファクタリングです。

2社間ファクタリングのイメージ

売掛債権先となる取引先企業(C)には通知をしないため、BはCから売掛債権の振込を受けてから、Aに振込をすることになります。

Aはすでに手数料を差し引いた金額をBに振り込んでいるので、Aには回収リスクがあり手数料も高い設定となります。

Bのメリットとしては取引先に売掛債権の譲渡を知られることがなく、その後の取引への影響がない点です。

3社間ファクタリングの特徴

3社間ファクタリングでは2社間ファクタリングでの関係に加えて、売掛先会社(C)も契約の当事者となります。

Cにも売掛債権譲渡の通知をするので、Cは売掛債権の振込先を本来のBからAに変更して振り込みます。

3社間ファクタリングのイメージ

AにとってはBから振り込まれるよりは、Cから振り込まれたほうが確実なので回収リスクが軽減されます。

そのため2社間ファクタリングの手数料(10%~30%)に比べて、1%~5%とかなり低い設定となっています。

Bにとっては売掛債権譲渡の事実がCに知られることになるので、今後の取引に影響があるというリスクはあります。

その他のファクタリング

一括ファクタリング以外にも3つのファクタリングがあります。

医療ファクタリング 診療報酬債権や介護報酬債権を譲渡することで現金化するサービス。 利用できるのは医療機関や介護事業所に限られるので一般的ではない。
国際ファクタリング 海外取引で利用される信用状(L/C)は銀行が支払保証を行う仕組だが、コストも時間もかかる。 国際ファクタリングを利用して保証を受けると、信用状を利用しないため低コストとなるメリットがある。 これも輸出企業など特定の業種に限られるので一般的ではない。
保証ファクタリング 取引会社の倒産や売掛債権の支払遅延などを保証するファクタリング。 売掛債権を現金化するのではなく、万一の場合に売掛債権を保証する保険的なサービス。 保証料は2%~8%が標準。

ファクタリングの注意点

融資とは違い、借金にならない資金調達として、ファクタリングは急速に広がっています。

しかし、ファクタリングを利用する際は、いくつか注視しておかなければならないポイントがあるのです。

売掛金全額は手に入らない

ファクタリングには手数料が発生します。

この手数料は、多くの場合売掛債権から差し引かれることになります。

つまり売掛債権のまま所持していた場合は満額手に入ったにもかかわらず、ファクタリングを利用すると手に入る金額が少なくなるのです。

期日までに現金化できること、不良債権化すること、この2つを回避できるメリットと差し引かれる手数料を天秤にかけ、どちらに利があるか判断してください。

掛け目

ファクタリングを利用する場合は掛け目が存在します。

不動産担保融資などでも不動産評価額に、掛け目80%をかけた金額を融資額の上限としています。

ファクタリングでも80%~90%の掛け目が一般的で、1,000万円の売掛債権でも期日前に現金化できるのは800万円~900万円となります。

しかしこの掛け目によって削られた10%~20%は、ファクタリング会社が売掛債権を回収したあとで戻ってくるのが一般的です。

しかし、中には戻ってこないこともあるので事前に必ず確認しておきましょう。

償還請求権と債権譲渡登記

償還請求権は万が一売掛債権がファクタリング会社に振り込まれない場合、ファクタリング利用会社に請求できる権利です。

ほとんどの場合償還請求権なしで取り扱っていますが、手数料が低い場合は償還請求権付きであることがあるので必ず確認しましょう。

また債権譲渡登記が必須となっているファクタリング業者が多いので、登記費用や印紙代の実費も利用者負担となるのでその費用も見込んでおきましょう。

設立が浅い業者には注意

ファクタリング業は法規制がないため、比較的手軽に開業できるので、悪徳業者も存在する可能性が高くなります。

貸金業法のように登録番号もないため公的に確認する方法もありません。

そのため設立年月日を目安にしてある程度判断しましょう。

ファクタリングを取り扱っている貸金業者であれば、貸金業者としての業歴も参考にするといいでしょう。

なお上記の表では極端に設立年月の新しい業者に関しては掲載していません。

まとめ

ファクタリング業者のホームページを見ただけでは、利用者に都合がいい情報を強調しているので、実態はわかりにくくなっています。

口コミサイトも業者のステマの場合もあるのであまりあてにはできません。

実際に利用する場合は直接問い合わせをして、見積もりを取ってよく確認することが重要です。

今回の比較表はホームページで確認できる情報を元にしているので、比較表は業者を絞る目安として利用しましょう。

良心的な業者に出逢えば、ファクタリングは早期に売掛債権回収ができる便利な資金繰り方法となります。

まずは自社のニーズに合った安心できるファクタリング会社を見つけましょう。

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