2019/10/16

会社設立直後に税理士は必要なのかと悩む経営者会社を設立するには煩雑な手続きがいくつも待ち構えています。

そして、会社を設立してからも決算書の作成や法人税申告など、多くの手続きに悩まされることになります。

本業に集中するためにも、可能ならば本業以外の会計処理業務を税理士や会計士に任せたいと思う起業家や事業主の方は多いのではないでしょうか。

しかし、初めて会社を設立するとなれば、税理士に依頼しようにも、何をどう依頼すればいいのかわからないことが多いですよね。

「税理士は一体何をしてくれるの?」
「どんなメリットがあって、費用はどれくらいかかるの?」

この記事ではそういった疑問にお答えするために、税理士に依頼をするメリットや費用相場、頼れる税理士の見つけ方紹介していきます。

ビズローンでは、記事の執筆のために、さまざまな税理士・会計士・社会労務士の方にアドバイスをいただいています。

ビズローンに取材協力していただいたみなさんのインタビュー記事もあるので、ぜひご一読ください。

ビズローン編集長の田中です

ビズローン編集長:田中
当サイト「ビズローン」の運営をしております、田中と申します。
中学3年生のとき、父親の借金によって家庭が崩壊・・・。
その後、母親の勤務している医療法人の奨学金制度を利用して4年制大学へ。
毎月5万円ずつの奨学金の返済を継続中。
しかし、この借金を背負ってでも、大学に行った経験はかけがえのないものとなっています。
借金の酸いも甘いも知るオトコとして、みなさんの資金調達のお困りごとを解決するサポートをしていきます!

会社設立時に税理士をつけるメリット

「会社設立のときにできるなら税理士をつけたくない」

税理士を雇えばその分費用がかかるので、そう考える人も中にはいるのではないでしょうか。

そうした費用がもし不要であれば削りたいというのももっともです。

ですが、会社設立時に税理士をつけることで業務外の手間を削減でき、会社が成長してから税理士を雇うよりもコストを抑えられる場合があります。

会社の登記に関わる3つの士業とは?

なぜ会社設立の段階から税理士を雇う方がいいのか、その説明をするために、まずは会社設立に関連する士業について説明します。

会社設立に関連するのは以下の3つです。

  • 司法書士
  • 行政書士
  • 税理士

「どう違うのかわかりにくい!」という人も多いかと思いますので、その違いを順に見ていきましょう。

司法書士の仕事

司法書士は会社の登記についての専門家です。

登記手続きを代理できるのは実は司法書士のみで、税理士も行政書士も実は直接申請することができません。

「税理士や行政書士が登記の代行をしてくれた」という場合でも、間接的に司法書士が関わっています。

「とにかく登記だけすればよい」という場合には司法書士だけで十分かもしれません。

行政書士の仕事

行政書士は行政に関する書類を作成する専門家です。

特に許認可事業に関係する書類を作成できるため、許認可事業が関わるときには欠かせません。

税理士の仕事

税理士は税務や決算についての専門家です。

登記や行政書類には精通していないケースも少なくありません。
そういった知識のない税理士に上記の手続きをお願いすると、むしろ手間がかかってしまいます。

そのため、中には司法書士や行政書士と連携をとっているところもあり、連携を取ることでそうしたデメリットをカバーしています。

会社設立時に税理士をつけるメリットは?

「会社設立のときに税理士を頼む必要はないのでは?」と思われるかもしれませんが、税理士にお願いすることで以下の4つのメリットがあります。

  1. 資金調達や事業計画の作成がスムーズになる
  2. 事務作業の手間が軽減される
  3. 効果的な節税ができる
  4. 脱税するリスクを回避できる

資金調達や事業計画書の作成がスムーズになる

税理士をつけることで、資金調達や事業計画書の作成がスムーズになります。

なぜなら、税理士が顧問についていることで、融資を受ける際に必要な以下のような書類をあっという間に作成することができるからです。

  • 試算表
  • 月次損益計算書
  • 資金繰り表

これらのものを税理士にお願いすることでどんなタイミングでお願いしても、ほぼ最新の状態で入手できます。

個人で作成することもできますが、税理士にお願いする方が審査の場面でより信用度が高いと見なされることもあり、融資の成功率も高められるのもメリットです。

税理士は地域の金融機関とも密接に連携しているため、相談された事業主に合った金融機関を紹介してくれます。

金融機関にとってよく知った税理士が顧問についているなら、「この税理士が紹介する経営者なら貸し倒れをおこす心配はないだろう」という安心材料にもなります。

税理士にとっても、金融機関に紹介した経営者が万が一貸倒を起こすと、自分自身の信用を損ねることにもつながるからです。

事務作業の手間が軽減される

税理士がいることで事務作業の手間が大幅に削減されます。

会社設立しているのであれば、仕分けや記帳するべきことがどんどん増え、自分でやるには手間がかかりすぎ、事務作業に1日以上かかってしまって時間を大幅にロスしてしまうことも。

記帳代行や決算手続きまで1〜2万円程度で受けてくれる税理士も少なくありません。

その時間を自分がすべきことに注力できます。

社長ともなってくると、事務作業を税理士に任せて自分の時間を有効活用できれば、より多くの利益が生み出せることでしょう。

効果的な節税ができる

税理士に依頼することで効果的な節税ができます。

一定額以上の売り上げがあれば税理士にお願いすることで、効果的な節税対策を出してくれるため、税理士の報酬以上の節税効果を得られることも。

税理士に年間報酬を支払うのにかかる金額は30〜40万程度、その費用に対して100万円以上節税できるなんてこともあり得る話です。

税理士にお願いすることで支払う報酬以上の節税が可能なら、お願いしない理由こそありません。

脱税するリスクを回避できる

税理士にお願いすることで脱税してしまうリスクを回避できます。

自分ですべてやろうとすると、間違った書類を作成して意図していなくても脱税してしまう危険性があります。

たとえ意図していなくても、脱税になってしまうと追加徴税が課されてしまいます。

追加徴税は税率も重くなり、会社の経営を非常に圧迫してしまい最悪事業縮小や倒産なんて事態にもなりかねません。

税理士にお願いすれば、税務上の処理が正しいか間違っているかを瞬時に判断できますので、そうした危険を回避できます。

そうしたリスクを30〜40万の費用を税理士に払うことで回避できるなら、むしろ非常に安いと言えるのではないでしょうか。

税理士をつけるべきタイミング

「税理士はどんなタイミングでつければよい?」と悩んで人もいるかもしれません。

税理士をつけるべきタイミングとしては以下のタイミングがおすすめです。

  • 会社設立時、ある程度の売り上げが見込める場合
  • 一定以上の売り上げが出てきた場合

目安としては「税理士の報酬30〜40万を払っても経営に支障がない」というときであれば税理士を検討する価値は十分あるでしょう。

売り上げ次第では節税効果を十分に発揮しないかもしれませんが、それでも税理士と顧問契約をすることで本業に対して十分な時間をかけられるからです。

個人事業主の場合は会計ソフトで対応できる場合も

個人事業主であれば、会計ソフトを使えば十分に対応可能な場合もあります。

個人事業主は売り上げがそれほどでもないとき、確定申告などの事務作業もそれほど手間ではないからです。

ただし個人事業主に適用される所得税は、利益が増えるほど課税額が増える累進課税が適用されるため、売上次第では税金が重くのしかかることも。

目安ですが、800万円を超えるほどであれば、個人事業主であっても税理士にお願いすることで節税効果が期待できるかもしれません。

また、個人であっても売り上げが大きいようであれば、法人化して事業所得とした方が節税できます。

節税効果を目的にして、法人化するもっともよいタイミングを見計らうのは難しいもの。

節税に強い税理士であれば、適切な節税案や法人化するべきタイミングを提案してくれますよ。

税理士に依頼する費用相場と節約効果

税理士への依頼日は、どんな作業をお願いするかで変わります。

目安ですが、以下のような費用がかかります。

登記申請の代行 司法書士に5万、税理士に5万円程度
事業計画書の作成 5万円
資金調達支援 調達できた金額の1%程度〜
記帳代行 1万円ほど。ただし仕分け数に応じて変わることも
決算申告 売り上げによって変動。10万円〜

税理士への依頼費用は安くできる?

「少しでも安くならないの?」という人は会社設立時に顧問契約を検討してみるのも選択肢です。

会社設立時に税理士に税務顧問契約することで総額の費用を抑えられる場合もあり、いずれ税理士にお願いすることを考えているのであれば、最初の段階でお願いすることも検討してみるとよいでしょう。

節税効果はどれくらい?

「どのくらいの節税効果があるの?」ということが気になる人もいるかと思います。

これは業種や売り上げによって変わるため一概には言えません。

そもそも赤字である場合には節税対策は意味がないことだってあるのです。

節税するための施作にはたとえば以下のものがあります。

  1. 家族を従業員にして給与として支払うことで節税する
  2. お金を使い経費に計上することで節税する
  3. 生命保険や倒産防止共済などの利益を先送りし節税する

これ以外にもたくさんの節税対策があり、売り上げが上がることで、中には100万円を超える節税効果があることも。

自分では思いつかないような節税の方法を教えてくれるのが税理士なのです。

頼れる税理士の選び方とは

節税効果がどのくらいあるのかは結局のところ税理士次第です。

残念ながら税理士の中には、節税について何も教えてくれないという税理士もいます。

というのも、「顧客への満足度」などをしっかり考えていない税理士が一定数いるからです。

「税理士はサービス業」という認識がないままの税理士だと、あまり相談にも乗ってくれず、それほど役に立たないなんてこともありえます。

  • 「間違いない納税」だけを伝え、節税対策について何も教えてくれない
  • 知識ばかり豊富で、上から目線で接してくる
  • その業界のことを知らず、調べようともしない

上記のような税理士が全くいないとは言い切れません。

税理士を選ぶ8つのポイント

「節税対策をしたい!」という場合には先にあげたような税理士を避け、自分にあった税理士を選ぶことがとても大切です。

とはいえどう判断するのか今ひとつわかりにくいですね。

自分にあった税理士を選ぶ具体的なポイントとしては以下の通りです。

  • 節税対策を教えてくれるかどうか・登記まで行ってくれるか
  • 自分のビジネスや業界についての理解があるか
  • レスポンスが早い
  • 資金調達が得意かどうか
  • 料金と内訳がはっきりしている
  • 幅広い士業の人がいる
  • 許認可事業や補助金・助成金の申請に強いか

節税対策を教えてくれるかどうか

税理士が節税対策について教えてくれるかどうか、当たり前のように見えて実は当たり前ではありません。

「税理士は税を間違いないように記帳されていればよい」という税理士も中にはいます。

そのため節税対策を提案できる税理士なのかどうか見極めるのはとても大切です。

まずは自分の業種では、どんな節税対策があるか聞いてみましょう。

業界の事情を踏まえて節税対策をしてくれる税理士であればとりあえず問題ないと言えるでしょう。

登記まで行ってくれるか

税理士を探すのであれば、登記まで行ってくれるか確認しましょう。

司法書士と連携していない税理士の場合、登記を行うことができないため、その場合は書類作成など部分的にしかしてくれない場合もあります。

会社設立も踏まえて税理士を選ぶ場合、どこまでサポートしてくれるのか、司法書士と連携が取れているのか、しっかり確認しましょう。

自分のビジネスや業界についての理解があるか

自分のビジネスや業界事情について精通している税理士がおすすめです

「税理士が業界に精通していることでメリットがあるの?」と思われるかもしれませんが、実は大きな関係があります。

税理士が自分のビジネスの業界に精通していれば、以下のような判断をまかせられるからです。

  • その業界特有の出費をどこまで経費にできるか
  • 利益率はどのくらいか
  • 融資を受けやすくするためにはどうしたらいいのか

業界に強い税理士はこれらの情報について把握しているため、話をスムーズに進められます。

税理士によって得意分野が異なるため、まずは自分の業種やサポートの内容をあらかじめ伝えておきましょう。

そうすることで自分にあった税理士かどうか判断しやすくなります。

また、依頼した段階では自社の業界について詳しくない税理士でも、依頼を受けてから猛勉強をして業界知識をみにつけてくれることがあります。

実際、ビズローンが話を伺った税理士さんは、みな様々な企業と関わった、いろんな業界について知れることが税理士・会計士の面白いところだと語ってくれました。

自社の業界に関する専門的な質問に対して、知識を身につけた上でしっかりレスポンスをくれる方なら信用して大丈夫です。

レスポンスが早い

税理士を選ぶ上でレスポンスの早さは重要なポイントです。

ときには税務調査が入ってすぐに連絡がとりたい、なんてこともなくはありません。

そんなときにサービス業という意識が低い税理士だと、レスポンスが1日以上かかることも

税理士にお願いするときはできるかぎりその日のうちにレスポンスしてくれるようなところを選ぶようにしましょう。

資金調達が得意かどうか

税理士で資金調達ができるかどうか、その能力はその税理士ごとにかなり違いがあります。

なぜなら税理士の試験では資金調達の項目はないからです。

税理士が資金調達できるかどうかは、実務経験にかなりの影響を受けます。

「会社を設立したら、銀行から資金調達をしたい!」

そんな人にとっては、融資実行率を確認し融資をどのくらい引っ張ってこれるかどうか、その実績があるかどうかきちんと判断するようにしましょう。

料金と内訳がはっきりしている

サービス業の意識が高い税理士ほど、どんな作業にいくらの料金がかかるのかはっきりしています。

はっきりしていない場合、何かお願いしたときに「追加料金がかかります」なんてことにもなりかねません。

そうならないためにもまずは料金表を確認してみましょう。

料金表がない税理士は要注意です。

あらかじめどんな場合に追加料金がかかるのか、その費用は適正かどうかまで見極めることが大切です。

幅広い士業の人がいる

税理士を選ぶときには、以下のような士業の人と幅広く提携が取れているかどうかも調べておくとよいでしょう。

  • 登記に関わる司法書士
  • 許認可事業や助成金に関わる行政書士
  • 社会保険や年金に関わる社労士

など、これらの点で連携が取れていると、幅広い内容でスムーズにやり取りを行えます。

許認可事業や補助金・助成金の申請に強いか

その税理士が許認可事業に詳しいか補助金・助成金に強いかどうかは自分のビジネスの事業内容によってはかなり重要です。

特に自分のビジネスの内容が許認可事業のときは、税理士だけではなく行政書士との連携が取れているかどうかは必須項目とも言えるでしょう。

まとめ

会社設立時に税務関係の仕事を全て任せられることを考えると、費用を割いてでも税理士をつけることでそれ以上のメリットが返ってくることがあります。

税理士は単に税金を管理して節税効果をもたらしてくれるだけでなく、会社のお金の流れを把握して、様々な場面でパートナーとして事業主をサポートしてくれるからです。

無料の相談会も開かれていることが多いですので、まずは直接税理士の方と話ができる場所に足を運び、そこでしっくりくる相手を選んでください。

ビズローン編集長の田中です
執筆者からのコメント
ビズローン編集長:田中 さん

税理士さんに直接話を伺ってみると、創業期の相談をかなりの数受けているという意見が多数聞こえてきました。

事業の業種にもよるところかとは思いますが、自身の事業に対するビジョンが見えてくれば、税理士に相談を持ち掛けるのは正しい判断だと感じます。

自分ひとりで悩んでしまったり、自分の知り合いだけに頼ってしまうと、視野が狭くなってしまいませんか?

税理士は他の士業や金融機関とも連携して仕事をしています。

税理士に相談することは、自分や自分の仲間内にはない新しい考えをインプットできるチャンスにもなるはずですよ。

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