会社設立の前に必ず知っておきたい助成金と補助金

更新日:2019/01/16
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資本金や登記費用、オフィスの契約金や設備投資など、会社を設立するためには多くの資金が必要になります。

革新的なアイデアを持っているのに、会社設立のための資金がない為にそれを諦めてしまうのはもったいないですよね。

そんな起業家たちのために、国や地方公共団体などが会社設立のための助成金や補助金制度を実施しているのをご存知でしょうか。

助成金や補助金は制度が次々と変わることもあり、常に最新の情報をチェックしておく必要があります。

今回は会社設立のために利用できる助成金や補助金についてご紹介していきます。

そもそも助成金・補助金とは

助成金や補助金の制度は積極的に開示されていませんし、各種税金と違って対象となる事業を行っていても役所から連絡が来ることはありません。

その為、本来なら対象となる法人や小規模事業者(個人事業主)が、存在自体を知らないために受け取っていないケースもあります。

これは明らかに損ですよね。

そこで最初に助成金や補助金についての基礎知識を身に付けておきましょう。

助成金とは?

助成金とは厚生労働省や厚生労働省系の役所の管轄である雇用に関する支援金です。条件を満たせばほぼ確実に支給され、返済する必要はありません。

起業後に経営者として従業員を雇う場合には必ずチェックしましょう。

厚生労働省が管轄する助成金の種類は下記の通りで、更に条件によってコースが細分化されています。

・中小企業退職金共済制度に係る新規加入掛金助成及び掛金月額変更掛金助成
・建設業退職金共済制度に係る新規加入掛金助成
・清酒製造業退職金共済制度に係る新規加入掛金助成
・林退共制度の特色
・業務改善助成金
・受動喫煙防止対策助成金
・ストレスチェック助成金
・職場環境改善計画助成金
・心の健康づくり計画助成金
・小規模事業産業医活動助成金
・人材確保等支援助成金
・時間外労働等改善助成金
・建設労働者確保育成助成金
・障害者福祉施設設置等助成金
・重度障害者等通勤対策助成金
・障害者能力開発助成金
・教育訓練給付金

また、地方自治体でも独自に助成金を出しているケースもあります。

非常に数が多く、既に人を雇用している企業向けの案件も多いですが、起業する分野によっては最初から対象になりえる助成金もあります。

個人事業主に関係がありそうなものをチェックしておきましょう。

補助金とは?

補助金は事業全体にわたっての支援金です。主に雇用以外に関係しており、管轄しているのは経済産業省や経済産業省系の独立行政法人、各地方自治体となりますが、民間団体が運営しているケースも多いです。

もちろん返済の必要はありません。

ただし、条件を満たした上で審査があるので、全員に支給されるわけではありませんし、実際に費用を捻出してから支給されます。

例えばIT化に関する補助金の審査にパスしたら、直ぐに支援金がもらえるのではなく、実際にIT機器を導入した後で支給されるというわけです。

また、補助金は対象者が多く、事業の活性化を目的としているため、どれくらい社会の役に立ち、支援金を受けるのにふさわしいか、様々な方法で担当者にアピールする必要があります。

助成金と補助金の違い

どちらも新規事業を起こす際に国や自治体等から受け取ることが出来て、返済不要の支援金という点では同じですが、審査の有無という点が大きな違いです。

助成金が主に雇用の負担を軽減すし、雇用促進の目的を持っているのに対し、補助金が事業の拡大や充実を目的としているためです。

助成金と補助金のメリット

経営者としては事業の資金調達は常に悩みの為ですが、助成金や補助金の支援を受けるとビジネスが軌道に乗るまでの経営計画に余裕が出来て、資金繰りが楽になります。

設備投資をした後でその一部が補助金として支給される等、単なる低金利の貸付とは違って返済不要の資金である事の利点は計り知れません。

資金に余裕が出来ればビジネスの可能性が広がります。

助成金・補助金を出している機関の種類

助成金や補助金を出しているのは主に下記の通りです。

・厚生労働省
・経済産業省
・各自治体の役所(県庁・市役所)
・独立行政法人
・民間団体(民間企業含む)

公的機関だけでなく、企業を含む民間団体が事業化支援事業として、基金を作って補助金を出しているケースは珍しくありません。

例えば、ある地域の民間団体が海外で技術を身に付けた人が地域で活動する場合に何百万円の援助を出す、といった具合です。

民間団体の補助金はニッチなものが多いですが、起業した事業内容によっては当てはまるケースもあるかと思います。

会社設立のために利用できる助成金・補助金

数多くある助成金や補助金のうち、会社設立時におすすめの案件をピックアップしました。

同じ名称の補助金・助成金でも地域や実施機関によって、大きく条件が異なるので、必ず自身が事業をする自治体の情報を確認してください。

助成金額については支給される金額(補助額)の上限と補助率を併記しました。

上限となる金額が一律に支給されるのではなく、あくまでも経費に補助率を掛けた金額が支給されるので注意して下さい。

創業補助金

創業補助金は新たな需要や雇用の創出を生み出して経済を活性化させることを目的としており、起業者に経費の一部を支援してくれる制度です。

最低1名を雇用する事が上限ですが、まとまった金額の補助を受けられるので広く活用されています。

申し込み条件  該当する市町村において、最低1名を雇い入れて起業をする
助成金額 ・補助上限額は2分の1以内
・50万円以上100万円以内
・資金調達がある場合は上限200万円以内
必要書類 ・事業計画書
・応募申請書類
・認定市区町村又は認定連携創業支援事業者による特定創業支援事業に係る確認書
公募時期  平成29年5月8日~平成29年6月2日(前年度)
実施機関  創業・事業承継補助金事務局

創業助成金

東京都中小企業振興公社の起業に関する助成金です。

起業時だけでなく、起業後5年未満なら条件を満たすための要件を揃える事が可能なので、既に起業をしている人にもおすすめです。

申し込み条件 都内での創業を具体的に計画している個人又は創業後5年未満の中小企業者等のうち、一定の要件(※)を満たす方
助成金額 ・補助上限額は2分の1以内
・100万円~300万円
必要書類 ・申請書類
公募時期 10月22日~10月31日(前年度)
実施機関  東京都中小企業振興公社 事業戦略部 創業支援課 創業助成係

一定の条件とは「TOKYO創業ステーションの事業計画書策定支援終了者」「東京都制度融資(創業)利用者」「都内の公的創業支援施設入居者」等、支援を受ける前段階から東京都中小企業振興公社の制度を利用している事です。

生涯現役起業支援助成金

生涯現役起業支援助成金は雇用者と被雇用者に年齢制限があります。キャリアを積んだ中高年の起業には非常に役立つ助成金です。

雇用創出措置助成分としては、40歳以上の中高年齢の方が起業をしたときに、中高年齢者を雇った場合、募集・採用や教育訓練の実施にかかる費用の一部を援助してもらえます。

申し込み条件 起業日から11か月以内に計画書を提出し、12か月の間に一定人数を雇う事
助成金額 ・補助上限額(60歳以上は)3分の2又は(40歳以上は)2分の1まで
必要書類 ・申請書類
・生涯現役起業支援助成金 雇用創出措置に係る計画書
公募時期  通年
実施機関  厚生労働省

雇用創出措置助成分を受給した後で生産性がアップしていると認められた場合は、さらに生産性向上助成分として雇用創出措置助成分の4分の1が支給されます。

地域中小企業応援ファンド

全国各地の特産品や伝統技術を活用した商品開発や販路開拓の助成金の総称です。

町おこしや地場産業を事業化して起業する人におすすめです。

全国一律に支給されるのではなく、自治体によって様々なコースに細分化されているので確認をしてください。

例)ちば中小企業元気づくり基金事業の新商品・新技術・特産品等開発助成

申し込み条件 経営革新計画の承認を受けて申請時点で計画期間内にある中小企業者、連携体、組合
助成金額 ・補助上限額は2分の1以内
・経営革新計画の承認を受けている場合は500万円まで
必要書類 ・申請書類
・事業計画書
公募時期  平成30年3月20日~平成30年4月26日午後5時まで(前年度)
実施機関  公益財団法人千葉県産業振興センター

ホームページ作成補助

地域の中小企業がホームページを開設する場合、費用の一部が補助されます。ビジネスを始める際、会社ホームページは必須です。外注する場合は援助を受けないと損をします。

ホームページ作成補助金は地域によって条件が異なるので、事務所を構える地区で探してみてください。

例)東京都江東区のホームページ作成補助金

申し込み条件 江東区内に主たる事業所を有するか、江東区中小企業団体名簿に登録されている中小企業
助成金額 ・補助上限額は2分の1以内
・事業所がある場合は5万円
・江東区中小企業団体名簿登録企業なら30万円
必要書類 ・申請書類
・事業計画書
・実績報告書
・交付請求書
公募時期  3月20日から3月31日
実施機関  東京都江東区 地域振興部 経済課 産業振興係

スタートアップの企業がおさえておきたい助成金

ビジネスが軌道に乗るまでは様々な試行錯誤があります。当初は予想していなかった投資が必要になる事は珍しくありません。

そこで起業する前から検討するのではなく、スタートアップの時期にも申請可能な補助金・助成金について紹介します。

トライアル雇用助成金

ハローワークや職業紹介事業者の紹介で35才未満の対象者に対してトライアル雇用を実施した場合、支給対象者一人につき最長で3か月にわたって月額4万円が助成されます。

ただし、対象者が母子家庭や父子家庭の場合は月額5万円となります。

社員を雇う際、厚生労働省から月額4~5万円の補助を受けられるのは大きなメリットとなりますが、3か月のトライアル雇用期間を終えてから支給が開始されるので、雇ってすぐに助成金がもらえるわけでは無いので注意して下さい。

また、雇用してから2週間の間にトライアル雇用実施計画書の提出をする必要があります。

グローバルニッチトップ助成

事業の世界展開が期待できる高い技術を持った中小企業の知的財産の取り扱いに関する経費やアドバイスの補助を得られます。

金額は必要経費の半分まで。上限は3年で1000万円と高額ですが、東京都知的財産総合センターが主催しているため、東京をメインに活動をしている必要があります。

新・展示会等出展支援助成事業

助成限度額は半分、上限は150万円まで。東京都中小企業振興公社が主催しており、東京ビッグサイトや幕張メッセなどで行われる展示会に出展する際にかかる様々な費用を援助してもらえます。

もちろん、東京都以外の自治体でも同様の制度があります。

展示会は自社製品やサービスを広く知ってもらい、販路を開拓するのに重要なイベントですが出品するには費用がかかります。

・ブースの小間料(出展料)
・ブースを飾り付ける資材費
・資材の輸送費

これらはスタートアップ時点の企業には大きな負担となります。

展示会出展支援助成金を申請して、負担を軽減しましょう。

新規開業賃料補助制度

東京都港区に事務所を構えた場合、月額賃料の最大3分の1が1年間支給されます。

バーチャルオフィスや事務所兼自宅でないことが条件となります。

事務所費用を補助してもらえる制度は非常に魅力的で、毎年6月と12月に港区の産業・地域振興支援部産業振興課産業振興係の窓口で受付をしています。

東京都港区にオフィスを構えるのなら見逃せない補助金制度です。

ものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金

限度額は3分の2、上限は1000万円まで。生産性を向上させるための設備改善やモノづくりを行う中小企業に対して設備投資の費用を一部援助してくれます。

上限額が大きく、設備投資の支援としては非常に心強いです。生産用設備を整備したり、新調したりするような大掛かりな計画の助けとなるので、審査をパス出来ればビジネスモデルを大きく改善できるでしょう。

東京都限定ではなく、全国の中小企業団体中央会の事務所から申請します。

地域のよって起業家を支援する助成金・補助金は様々

以上が起業家の方におすすめの補助金や助成金となります。

返済不要の補助金や助成金が無い場合でも、日本政策金融公庫の創業融資など低金利の融資制度を含めれば更に多くの企業支援制度があります

地域によっては非常にニッチな制度もあるので、起業内容と事務所所在地で補助金・助成金を検索しましょう。

まとめ

会社設立のときに利用できる助成金・補助金はいくつかあり、それぞれ金額はもちろん、申込条件や必要な提出書類が異なります。

その制度を利用するのが良いか迷ったときは、社労士や税理士などの専門家に相談してみてください。

また、設立後のスタートアップ時期に利用できる助成金・補助金を把握しておくことも忘れないようにしましょう。

融資と違って返済の必要がない分、受給できるかどうかの倍率は高くなります。

公募の時期に乗り遅れて後悔しないよう、今回紹介した助成金・補助金の最新情報を常にチェックするようにしてください。

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