2019/02/21

会社によっては事業で利用する社用車を用意しなければならないことがあります。

購入となった場合、法人名義の車にカーローンを組むことはできるのでしょうか?

もしリースで済ますのであれば、毎月のリース代金はどう仕分けるのか、ローンの返済と比較してどちらがお得なのかも気になるところ。

今回は、法人名義の車を所有するためのローンについて解説します。

法人が車を所有するには

法人が車を所有することで、それらに関わる費用を経費として計上できます。

そんなときに気になるのが以下の点ではないでしょうか。

・法人が車を所有するのにかかる費用は?
・法人が事業用の車を所有する方法

法人が車を所有する場合、支払いの方法によっては会計上の処理の仕方が大きく変わります。

そのため、予算や会計処理の方法を理解していないまま購入すると、後々で税務署から指摘されてしまう可能性も。

ここでは法人が事業用の車を所有するにはどんな方法があるのか、詳しく紹介します。

法人が車を所有するのにかかる費用は?

法人が車を所有する場合、かかるのは車の代金だけではありません。
法人が車を所有するのにかかる費用には以下のものがあります。

・税金と保険
・車両本体の代金と消費税
・車両維持費

税金と保険

法人が車を持つ場合、以下のような税金や保険金がかかります。

・自動車所得税(取得価格の5%、軽自動車なら3%)
・自動車税(排気量によって異なるが1501〜2000ccの場合には39,500円)
・自動車重量税(購入時と車検時に発生、1.5t〜2.0tで25,000円)
・自賠責保険(購入時と車検時に発生、35,950円)
・リサイクル料(6,000円〜18,000円)

上記の料金はカードやローンは使えず、現金で支払うしか方法はありません。

車両本体の代金と消費税

また必要に応じて以下の費用が発生することがあります。

・車両本体の代金と消費税
・登録費用
・車庫証明費用
・納車費用
・下取り費用

これらの費用は、条件に当てはまらない場合には費用を負担せずに済ませるものも。

例えば納車費用であれば自分で取りに行けば発生しない費用です。

車両維持費

それ以外にも以下の費用があります。

・任意保険代
・ガソリン代
・車両維持費
・車検費用
・修理費、消耗品

もし法人であれば、法人用のクレジットカードを利用することで、これらの費用を多少節約可能です。

法人が車を購入する場合、必要な台数や種類によって大きく金額が変わります。

そのため、事業に必要な台数や車種をよく検討しておきましょう。

法人が事業用の車を所有するための方法

法人で事業用の車を所有する場合、その購入の方法でその後どう経理上処理するのかが変わります。

法人が事業用の車を所有する方法は大まかには以下の3通りが一般的です。

・現金購入
・リース
・ローン

現金購入

現金一括払いであれば、車両本体にかかる費用を減価償却させることができ、そのほかの費用も経費として会計処理できます。

現金で支払う場合、会計処理がシンプルで処理しやすいのがメリット。

必要な車の台数が少ない場合や、購入資金に余裕がある場合におすすめの選択肢です。

リース

リースとはいわゆる車の長期レンタルのこと。

この場合には、リース料金を経費として計上できます。

初期費用をかけず、ローンと比べると会計処理がシンプルなのがメリットです。

リースのメリット

メンテナンスリースであれば、定期的なメンテナンスにかかる手間やコストを減らすことができ、会計管理がしやすくなります。

さらに社用車は固定資産として扱われるため、車両を入れ替えるときに計算が複雑になります。減価償却した後の価格(残存価格)と実際に売却した価格を計算しなければいけません。

リースであればリース契約が満了したときに、新しい車に入れ替えることで、それまでと同じように処理できます。

リースのデメリット

ただし、リース期間は長期になることが前提の契約になるため、途中で解約すると違約金が発生してしまう場合も。

事故を万一起こすと、リース元の会社とトラブルになるため、そうしたリスクも計算に入れておきましょう。

ローン

ローンで購入する方法は、法人でも可能です。

・審判会社による立替払いのローン
・融資による銀行ローン

どのようなローンなのかで経費の計上の仕方が変わるので、間違えないようにしましょう。

ローンで購入するのがおすすめな人は以下の通りです。

・長期間にわたり保有する
・現金で支払いするのが難しい

ただし、ローンを組むためには審査があり、場合によっては審査に通らない可能性があることがデメリットです。

法人がカーローンを利用する際の注意点

「現金で社用車を購入する十分な元手がない」

そんな場合で法人が車を保有するならカーローンがおすすめです。

というのもカーローンであれば、長期の保有をしていてもトラブルになりにくいから。

ただし法人がカーローンを利用する場合には注意するべきことが4点あります。

・先に諸経費を払う必要がある
・仕分けが複雑
・プライベートでは利用不可
・社用車にできる車には条件がある

先に諸経費を払う必要がある

法人がカーローンを利用する場合には諸経費は先に支払うことに注意しましょう。

というのも、車を購入する場合、ディーラーが建て替えることが多いからです。

特に台数が多くなると、ディーラーへの負担が大きくなってしまいます。

法人で車を購入する場合、月々の支払いだけではなく、購入するために先に支払うべき費用があることを忘れてはいけません。

仕分けが複雑

経費計上するとき特に間違えやすいのが、現金払いやリースの場合と違ってローンの場合には車両本体の費用を経費として計上できないことです。

ローンの場合、経費として計上できるのは、利子にあたる部分のみです。

仕分け処理が現金やリースの場合より難しいため、間違えないようにしましょう。

プライベートでは利用不可

社用車をプライベートでも利用する場合、車両に関わる費用を経費にはできません。
仕事で使っている分と、プライベートで使う分の配分を分け、仕事で使っている分だけを経費にするという考え方が家事按分です。

個人事業主の場合にはこの家事按分が適用できますが、法人の場合にプライベートで利用していることが明らかな場合、経費として認められないことも。

社用車にできる車には条件がある

法人で車を購入する場合、車の車種にも注意しましょう。

特に具体的な制限があるわけではありませんが、社用車として不適切だと税務署に判断されると社用車として認められないことも。

例えば仕事で使うのに、営業には不向きなスポーツカーや高級車などを利用している場合には、税務署から調査があったときに指摘を受けてしまいます

人を乗せるなどしやすい4ドアの車や荷物を多く載せられるミニバンなどが無難だと言えます。

どうしてもスポーツカーなど指摘を受ける可能性がある車を利用したい場合には、合理的な理由が必要を説明しなければいけません。

そこに万一合理的な正当性があれば経費として認められるケースもなくはありませんが、極めてまれなケースのため、実質的には難しいでしょう。

ローンを利用したときの仕訳方法

「法人で車を購入した場合、どうやって仕分けをしたらいいの?」

という疑問をお持ちの方もいるかと思います。

特にローンで購入した場合には、その費用の仕分けに注意が必要です。

その仕分けの方法は2つあります。

・車両代と利子を別々で仕分ける方法
・車両代を未払金として処理する方法

車両代と利子を別々で仕分ける方法

車両代と利子を別々に仕分けるとは、ローンの返済計算表通りに、車両の費用と金利にあたる費用を別々の項目で計上する方法のことです。

車両代はローンで購入した場合には固定資産として扱われるため、固定資産台帳に記載し、その費用分減価償却にて処理します。

この場合減価償却の始まりは購入したときではなく、車を実際に業務で利用しはじめたときになるので、間違えないようにしてください。

車両代を未払金として処理する方法

車両代を未払金として処理する方法もあります。

つまり車両の未払い分の金額を一回全額資産として計上し、毎月未払い分を支払っている、という考え方です。

この場合、減価償却費用がずれにくく、決算の際に処理が楽になります。

この場合も利子分は経費として計上します。

個人で使用していた車を社用車にできるのか

「社用車を購入するよりも少しでも費用を安くしたい」

そんなときには、個人で使用していた車を社用車にするのも選択肢です。

個人の車を法人として利用したい場合には以下の選択肢があります。

・車を売却し、法人名義にする
・合意書を作成する
・個人から法人に車を貸し出させる

車を売却し、法人名義にする

個人の車を社用車にするには、個人から法人へ車を売却するという方法があります。

・売却価格の決定
・個人から法人に名義を変更する

ここで重要なのが、売却価格を適正価格に設定することです。

売却価格は高すぎても低すぎてもダメで、売却価格が適正ではないと税務署が判断した場合、この処理そのものが却下されてしまうことも。

・査定業者で査定してもらう
・ネット上で調べた条件が近い中古車の販売価格

査定業者に査定してもらうのが一番否認されにくく安全です。

中古車の販売価格を調べる場合には、複数の価格を参考にし、整合性を確保できていない場合、否認される可能性も0ではありません。

合意書を作成する

以下のような理由で売却できず、法人へ名義変更ができないケースもあります。

・ローンがまだ残っている
・保険の関係で名義変更ができない

この場合には売却することができず名義変更もできません。

法人利用を裏付ける合意書を作れば大丈夫

そうした場合でも社用車として経費に計上する方法はあります。

それはその車を実質的に法人として利用しているという合意書を作ること。

「それで社用車として扱えるなら、わざわざ名義変更しなくてもよいのでは?」

そう思われる方もいるかもしれませんが、それは間違いです。

というのも、「法人名義にしたかったが、できなかったため個人名義で購入されている」ことが前提条件だからです。

合意書の記載事項

この合意書には厳密なフォーマットはありませんが、以下の事項を盛り込むようにしましょう。

・車両の詳細
・車両を個人名義にした理由
・車両を法人の事業にのみ利用するという記載
・車両に関する責任は法人が持っているということ
・車両に関わる収益や費用はすべて法人に帰属すること

この際に以下の書類を準備しておくと、税務署に提出した際の信頼性が高まり、経費として認められやすくなります。

・車の請求書や見積書
・取締役会議議事録
・総勘定元帳
・固定資産台帳
・預金通帳

これらの手順を踏んでおくことで、法人名義ではない場合でも社用車として経費に計上できます。

個人から法人に車を貸し出させる

個人名義の車を社用車にしたい場合、個人名義の車を法人に貸し付けるという方法もあります。

この場合、法人の所有車としては扱われませんので、車両費を経費として計上できないというのが最大の違いです。

ただし、車両に関わる経費を計上することは可能です。

この場合には以下の手続きを行う必要があります。

・個人と法人の間で金銭のやり取りを行うかどうか
・契約書の作成
・会社が負担する費用は必ず記載する
・賃貸する場合には契約書に賃貸料の記載

上記のような手順で個人の車を社用車として借りて利用できます。

まとめ

法人名義でもカーローンを組んで社用車を購入することは可能です。

その前に、連帯保証人となる代表者が変わった場合や会計処理の方法について理解を深めておくとスムーズです。

車両をそれほど利用しないという場合では、カーリースやシェアカーという方法もあります。

事業の規模や内容と照らしてよく吟味してから、社用車の所有を検討してください。

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