2017年から国税がクレジットカードで納付できるようになりました。
法人代表者や個人事業主さんの中には、もうすでにクレジットカードで納付をしている人も大勢いらっしゃること思います。
しかし、この記事を見ている方は…、まだクレジットカードで税金を納付したことがない方ですよね。
「クレジットカードで納税できるのは知っているけど、手続きがめんどくさそう」
「クレジットカードで税金を払うと手数料が高いんでしょ?」
そんな風に思っていませんか?
たしかに、クレジットカードで税金を納めるには所定の手続きが必要ですが、手続きも納税もパソコンかスマホでできるので、わざわざ納付場所に足を運ぶ必要もなくなります。
つまり、今この記事を読んでいる場所から一歩も動かずに納税ができるんです(納付書とクレジットカードが今手元にあればですが…)。
また、納税のために使用するクレジットカード次第では、たとえ手数料がかかっても現金で納税するよりお得に納税することができます。
この記事では、経営者のみなさんが法人カードを使ってお得に納税する方法をお届けします。
クレジットカード納税の手数料を差し引いてもお得に納税できる法人カードも紹介するので、最後まで読み逃しなく。
まずは、クレジットカードで納税できる税金の種類から確認していきましょう。
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cardmania -
クレジットカード会社に26年の勤務歴あり。
カード会社勤務時代は督促業務、カード審査も経験しました。
クレジットカード会社に勤務していた経験を活かして、
公式サイトでは語られない審査の裏側などをお伝えしていきます!
法人や個人事業主が納める税金は法人カードで納税できる
一言で税金と言ってもいろいろな種類がありますね。
まずは税金を国税と地方税に分けて、法人カードで納税できる税金の種類をそれぞれ紹介します。
法人カードで納税できる国税
法人カードで納税できる国税は以下のとおりです。
法人カードで納税できる国税 | 事業主に関係する税金 |
---|---|
申告所得税及び復興特別所得税 | |
消費税及び地方消費税 | |
法人税および復興特別法人税 | |
地方法人税 | |
源泉所得税及び復興特別所得税 | |
自動車重量税(告知分のみ) | |
相続税 | |
贈与税 | |
酒税 | |
たばこ税及びたばこ特別税 | |
石油税 | |
石油石炭税 | |
電源開発促進税 | |
揮発油税及び地方道路税 | |
揮発油税及び地方揮発油税 | |
石油ガス税 | |
航空機燃料税 | |
登録免許税(告知分のみ) | |
印紙税 |
上記の表には個人が納付する国税や一部の特殊な法人が納税する税金も含まれています。
一般的な法人・個人事業主が納めなければいけない、6つの国税について簡単に解説します。
- 申告所得税及び復興特別所得税
- 消費税及び地方消費税
- 法人税および復興特別法人税
- 地方法人税
- 源泉所得税及び復興特別所得税
- 自動車重量税(告知分のみ)
申告所得税及び復興特別所得税
個人事業主が1年間の売上に基づいて申告するのが申告所得税で、サラリーマン源泉徴収税に相当する。
復興特別所得税は東日本大震災復興のための特別税。
消費税及び地方消費税
消費税の対象は消費者だが、納税するのは法人や個人事業主などの事業者。
事業者の規模によっては納税義務がない場合もある。
法人税及び復興特別法人税
法人税は個人の所得税に相当する税金で、法人の利益に対して課税される。
復興特別法人税は個人の復興特別所得税に対する法人向けの税金
地方法人税
国税として徴収して地方自治体に配分する税金。地方自治体の税収格差をなくすために創設された経緯がある。
源泉所得税及び復興特別所得税
源泉所得は給与所得者を対象とした所得税だが、源泉所得税の納付は法人や個人事業主が給与天引きして納付する義務がある。
自動車重量税
購入した自動車の重量によってかかる税金。
法人カードで納税できる地方税
では続いて、法人カードで納税できる地方税を紹介します。
以下の表をご覧ください。
法人カードで納税できる地方税 | 事業主に関係する税金 |
---|---|
自動車税 | |
固定資産税・都市計画税 | |
固定資産税(償却資産) | |
不動産取得税 | |
個人事業税 | |
住民税・法人住民税 | |
法人事業税 | |
事業所税 | |
自動車取得税 | |
鉱区税 | |
宿泊税 | |
軽油引取税 | |
ゴルフ場利用税 | |
地方たばこ税 |
※地方税によって利用できるカードが異なるため管轄の税務署へお問い合わせください。
上記の地方税の中でも一般的な法人や個人事業主に関する〇印をつけた地方税について簡単に説明します。
自動車税
個人、法人に関係なく自動車を購入すると所有者が廃車するまで年に1回納付しなければいけない地方税。
固定資産税
土地や建物など不動産の所有者に対してかかる地方税。所有している限り毎年かかる。
固定資産税(償却資産)
法人や個人事業主が事業のために所有する資産(償却資産)に対してかかる税金。不動産や自動車を除くほとんどの資産が対象となる。
不動産取得税
法人、個人を問わず不動産を取得したときにかかる税金。
個人事業税
個人事業主の所得に応じてかかる地方税。
住民税・法人住民税
所得に対してかかる地方税のひとつ。所得に関係なくかかる「均等割」もあるので、所得がなくても課税される。
法人事業税
個人事業主の個人事業税に相当する税金。
事業所税
一定以上の床面積のある事業所や一定以上の従業員を抱える事業者に対する地方税。人口30万人以上の都市や精霊都市にある法人や個人事業主が対象。
自動車取得税
自動車を取得したときにかかる税金で、法人、個人に関係なく課税される。
法人カードで納税できる税金ってたくさんありますよね。
法人カードで決済できる国税や地方税がわかったところで、次に各税金を納付するタイミングについて説明します。
税金を納めるタイミングはいつ?
前段で紹介した法人や個人事業主が納める必要がある税金について、それぞれ納付するタイミングは以下のとおりです。
法人・個人事業主が収める国税 | 納税の時期 |
---|---|
申告所得税及び復興特別所得税 | 前年度分を3/15まで納付 |
消費税及び地方消費税 |
前年度分を3/31まで
課税期間終了日の翌日から2ヶ月以内 |
法人税および復興特別法人税 | 事業年度終了日の翌日から2ヶ月以内 |
地方法人税 | 同上 |
源泉所得税及び復興特別所得税 | 給与を支払った月の翌月10日 |
自動車重量税 | 車両購入時および車検時 |
法人・個人事業主が収める地方税 | 納税の時期 |
自動車税 | 毎年5月末日 |
固定資産税・都市計画税 | 自治体によって違いがある 毎年6月頃が一般的 |
固定資産税(償却資産) | 自治体によって違いがある 年4回の分納が可能 |
不動産取得税 | 不動産取得時 |
個人事業税 | 毎年8月または8月と11月の分納 |
法人住民税 | 事業年度終了日の翌日から2ヶ月以内 |
法人事業税 | 同上 |
事業所税 |
毎年3/15
事業年度終了日の翌日から2ヶ月以内 |
自動車取得税 | 車両購入時 |
それぞれ納税のタイミングがことなるため、忘れることがないようにあらかじめスマートフォンなどに記録しておくことをおすすめします。
上記表の通り、納税のタイミングがわかったら、実際に法人カードで納税する方法を知って納税に備えておきましょう。
法人カードで納税する方法
法人カードで各種税金を納税する場合は税務署などに出かける必要はありません。
事務所にインターネット環境があればパソコンやスマホを利用して、いつでも納税することができます。
法人カードで税金を納税するためには以下の専用サイトを利用しましょう。
サイト名 | URL |
---|---|
国税クレジットカードお支払いサイト | https://kokuzei.noufu.jp/ |
都税クレジットカードお支払サイト | https://zei.metro.tokyo.lg.jp/ |
千葉市税納付サイト | https://koukin.f-regi.com/fc/chiba_city/payment |
大阪市税納税サイト | https://koukin.f-regi.com/fc/osaka_city |
京都市税納付サイト | https://koukin.f-regi.com/fc/kyoto_city/ |
Yahoo公金支払い | https://koukin.yahoo.co.jp/ |
上記以外にも各地方自治体が地方税をカード決済できるサイトを立ち上げているので、自社のある自治体のサイトを探してみましょう。
会社がある地方自治体に専用サイトがない場合でもYahoo公金支払いを利用して納税できる場合もありますよ。
ただし国税の場合、Yahoo公金支払いは利用できないので、国税クレジットカードお支払いサイトを利用することになります。
次に国税を例にして法人カードで納税する流れを紹介します。
法人カードを使った納税の流れ
国税クレジットカードお支払いサイトでの納税の流れは以下のとおりです。
- 利用に当たっての注意事項の確認
- 納付情報の入力
- クレジットカード情報の入力
- 手続内容の確認
- 納付手続の完了(最終確認)
地方税を法人カードで納付する場合の流れもほとんど同じなので参考にしてください。
1. 利用に当たっての注意事項の確認
まずは注意事項をよく確認しましょう。初めての利用の場合は特に必要となります。
2. 納付情報の入力
納付情報は氏名・住所・納付金額・税目など従来の納付書に記載されている情報のことです。
3. クレジットカード情報の入力
クレジットカード番号、有効期限、支払方法、セキュリティーコードの入力が必要になるので、手元に法人カードを準備しましょう。
4. 手続内容の確認
すべて入力すると確認画面が表示されるので間違いがないかどうかを確認します。
5. 納付手続の完了(最終確認)
最後に納付ボタンをクリックして終了します。
「国税クレジットカードお支払いサイト」を運営しているのはトヨタファイナンスです。
でも、使えるクレジットカードはトヨタファイナンス発行のカードでなくても、もちろん大丈夫ですよ。
法人カードで税金を納付するメリット
なぜ法人カードで税金を納付することをおすすめするのか、そのメリットを紹介します。
法人カードで納税するメリットは以下の4つです。
- 納付のために納付場所に行く必要がない
- 24時間いつでも納付できる
- 支払方法が選べる
- クレジットカードのポイントが貯まる
納付のために納付場所に行く必要がない
法人カードで税金を納付するメリットのひとつに金融機関や税務署などに出向く必要がないという点があります。
また、現金を持ち運ばなくてもいいので経理処理も簡単で、高額な納税であるほど持ち運ぶリスクを軽減できます。
また、現金を準備しなくてもいいので法人カードの支払時期まで資金を運用することも可能です。
24時間いつでも納付できる
インターネットを利用した納付となるので24時間いつでも納付できるのも大きなメリットです。
金融機関や税務署での納付には時間的な制限がありますが、クレジットカードでの納付にはそれがありません。
つまり納付期限の夜でも納税が可能となるので、うっかり納付期限ぎりぎりになってしまった場合でも慌てる必要がありませんね。
支払い方法が選べる
国税クレジットカードお支払いサイトでクレカ情報を入力する場合、1回払以外に分割払やリボ払いなどの支払い方法を選択することができます。
しかし、法人カードによっては一括払いしか利用できないカードもあるので注意しましょう。
また、実際に支払いが発生する引き落とし日ではなく、法人カードで決済した日が納期限内であればいいという点もメリットになります。
クレジットカードのポイントが貯まる
法人カードで税金を収める最大のメリットはクレジットカードのポイントが貯まるという点です。
納税は国民の義務なので絶対に納めなければいけないものです。
同じ納税するのであれば、クレジットカードを利用してポイントが貯まるほうが絶対嬉しいですよね。
でもクレジットカード決済は手数料がかかるという点にも気をつける必要があります。
次に法人カードでの納税に関する注意点を紹介します。
法人カードで税金を納税する注意点
法人カードで税金を納税する際の注意点がいくつかあるので解説します。
ここで紹介する法人カードで納税する際の注意点は6つです。
- 使えるカードの種類を知っておく
- 限度額に注意する
- 納税の度に申込が必要
- 自動振替にしている場合は管轄の税務署に連絡する必要がある
- 納税が完了すると取り消せない
- 納税に手数料がかかる
「注意点が6つもあるのか…」と思ったかもしれませんが、ひとつひとつは難しいことではないので心配しなくても大丈夫ですよ。
順に見ていきましょう。
使えるカードの種類を知っておく
ほとんどのクレジットカードで税金を納付できますが、念の為に利用できるカードを紹介しておきますね。
以下のブランドがある法人カードであれば使用することができます。
- Visa
- Mastercard
- JCB
- American Express
- Diners Club
- TS CUBIC CARD
上記の国際ブランドが付与されていない法人カードは日本ではほとんどありません。
でも自分のクレジットカードに上記ブランドがあるかどうかを、念の為に確認しておきましょう。
限度額に注意する
法人カードには利用限度額があるので、限度額が足りなければもちろん納税することができません。
また納税に限度額のほとんどを使ってしまうと、普段の決済で使えないという自体も考えられます。
そのため納税用に専用の法人カードを用意するのが得策ですね。
特に税額が大きい法人ほど限度額には注意しましょう。
その都度申込が必要
カードショッピングや公共料金を決済する場合は、あらかじめクレジットカードを登録しておけば毎月申し込みする必要はなく自動引落となります。
しかし税金に関してはその都度申込みが必要なので自動引落ができないことに注意しましょう。
自動振替にしている場合は管轄の税務署に連絡する
すでに口座振替で税金を納税していてクレジットカード決済に切り替える場合は、自動振替を止めてから法人カードで納税することが必要です。
納税前に管轄の税務署に連絡することを忘れないようにしましょう。
納税が完了すると取り消せない
クレジットカード決済で納税が完了すると、金額が間違った場合は訂正ができまずが、手続きを取り消す(キャンセルする)ことはできません。
多く納付しすぎた場合や、間違って納付した場合などは税務署に出向いて還付の手続きが必要です。
ただし、すでに支払った決済手数料に関しては税務署に納めたわけでもなく、カード決済をするための手数料なのでクレジットカード会社からも返還されることはないので注意しましょう。
納税に手数料がかかる
クレジットカードには2種類の手数料があり、それがカード会社の利益となります。
ひとつはカード会員が支払う手数料で、もうひとつは加盟店が支払う手数料です。
クレジットカードで納税する場合、加盟店は税務署(国)または地方自治体ということになります。
加盟店が民間企業であれば加盟店手数料をカード会員に負担させることは禁じられていますが、国や地方自治体が加盟店となるためカード会員が負担することは認められています。
つまり納税にかかる手数料は加盟店手数料と同じということになります。
しかし一般的な加盟店手数料は2%~5%とも言われているので、それに比べると納税の場合の手数料は格安となっています。
納税の決済手数料は1万円に付き82円(税込み)となっているので、およそ0.82%と考えておきましょう(2019年10月1日の消費税増税後は83円)。
納税額が100万円の場合、約8,200円の手数料となるのでバカにできない金額となりますね。
でも、納税専用法人カードを作るときにポイント還元率が0.82%を超えるカードを選ぶとお得ですよ。
最後にこの手数料を上回る還元率を持つおすすめの法人カードを紹介します。
法人カードで納税するならこの1枚
法人カードで税金を納めるときにおすすめの1枚として「セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード」を紹介します。
セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード
セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードをおすすめする最大の理由は、マイル還元率が1.125%でクレジットカード納税手数料の0.82%を超えるという点です。
登録無料でセゾンマイルクラブに入会すると、JALマイルが1,000円に付き10マイル貯まります。
ただし、セゾンマイルクラブに入会するとポイントサービスの永久不滅ポイントが2,000円で1ポイントの付与率になるデメリットがあります。
それでもセゾンマイルクラブで1%、ポイント交換も含めてJALマイルでの還元率1.125%は十分なメリットがありますね。
・1,000円1マイル(セゾンマイルクラブ)→1.0%
・200ポイント500マイル(永久不滅ポイント)→0.125%
手数料以上の金額がポイント(JALマイル)で返ってくるので現金で払うよりすっとお得ですね。
貯まったJALマイルは出張での経費節減や福利厚生に活用することができます。
セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードの基本スペック
年会費 | 22,000円(税込) |
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入会資格 | 個人事業主または経営者(学生、未成年を除く) |
利用限度額 | 個別設定 |
ポイントサービス | 永久不滅ポイント ・基本還元率0.5% ・ポイント有効期限なし |
海外旅行傷害保険 | 最高1億円 |
国内旅行傷害保険 | 最高5,000万円 |
ショッピング安心保険 | 300万円 |
その他のサービス・特典 |
その他各種トラベルサービスやビジネスサポートサービス、優待特典が豊富 |
オリコEX Gold for Biz
おすすめの法人カードとしてもう1枚「オリコEX Gold for Biz」を紹介します。
オリコEX Gold for Bizのポイントサービス「暮らスマイル」では、年間利用料に合わせてポイント還元率が上がっていく(年200万円以上で1.1%)ので、オリコEX Gold for Bizもおすすめです。
ただし、限度額が300万円までなので使い分けが必要な場合もあるので注意しましょう。
オリコEX Gold for Bizの基本スペック
年会費 | 初年度無料 次年度以降2,200円(税込) |
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入会資格 | 法人代表者または個人事業主 |
国際ブランド | Visa、Mastercard |
利用限度額 | 10万円~300万円 |
ポイントサービス | 暮らスマイル 基本還元率0.6% 1,000円で1ポイント+20%加算 |
海外旅行傷害保険 | 最高2,000万円 |
国内旅行傷害保険 | 最高1,000万円 |
ショッピングガード保険 | 年間100万円 |
その他のサービス・特典 |
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まとめ
法人カードで税金が納められるようになれば、わざわざ金融機関やコンビニ、税務署まで税金を納めに行く必要がなくなります。
手数料がかかるというデメリットはありますが、手数料(0.82%)よりもポイント還元率の高い法人カードで納税をすれば、現金で払うよりもお得に納税をすることができます。
手間も減る上に、お得に納税できるなら、税金は法人カードで納税するに越したことはないですよね。
今回紹介したセゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードやオリコEX Gold for Bizなら、現金よりお得に納税できる可能性があります。
まだ法人カードで納税したことがない経営者さん、これからの納税は、法人カードで手軽に行っていきましょう。