PR
2023/10/25

会社が発行するクレジットカードを法人カードと呼びます。

経費精算とその仕訳を簡略化するために、多くの企業が活用している法人カード。

では、この法人カードを利用して貯まるポイントはいったい誰のものになるのでしょう。

社長や役員、または一社員が利用してもいいのでしょうか。

今回は、法人カードで貯まったポイントは一体だれがどう利用するものなのか解説します。

ライター嶋崎の実物写真

【ライター】嶋崎
当サイトを運営している嶋崎と申します。
わたしは経営の経験はありませが、サイト運営に携わり約2年が経過するなかで、事業主のお金の悩みは特有であることを勉強してきました。
たとえば事業主へ実際にインタビューをしたり、実際にセミナーに参加したりするなどして、資金調達の流れやどのようなときにお金の不安を感じるのかを勉強しています。
資金繰りの悩みを解決するためのサービスをすべてを網羅するのは大変です。
一から資金繰りの悩みを調べずとも、「ビズローンで解決できた」が叶うように、全力でサポートします。

法人カードで貯まったポイントは法人のもの

法人カードで貯まったポイントは、利用者の名前が書かれていたとしても、原則として法人のものとして扱われます。

「では個人で勝手に利用したらどうなってしまうの?」

そう考える人もいるのではないでしょうか。

そこでここでは以下の点から法人カードのポイントについて見ていきましょう。

・私的利用は業務上横領罪にあたるのか
・法人カードの私的利用をさせないためには
・個人名義のカードで会社のものを購入した場合にはどうなるのか

私的利用は業務上横領罪にあたるのか

「ポイントを私的利用してしまったら捕まってしまう可能性はあるの?」

そう不安な人も多いかと思います。

横領とは、自分が預かっている他人のお金などのものを本人の許可なく使用することのことを指します。

この罪に該当する場合、刑法253条により10年以下の懲役になる可能性もあります。

2019年現在はポイントを私的に利用したとしても、どう扱われるのか明記されている法律はありません。

そのため会社の法人カードで溜めたポイントを私的利用しても、道義上の話では問題ですが、法律上処罰されることはないのが現状です。

ただし会社の就業規則でポイントの利用について記載がある場合には話が変わります。

会社の法人カードのポイントを私的に利用することを禁止する記載があるのであれば、ポイントの私的利用は会社内で懲戒の対象になります。

法人カードの私的利用をさせないためには?

法人カードの私的利用をさせないためには以下の方法があります。

・社員カードを発行し、親カードにポイントを集約させる
・社内規定で利用時には利用内容を報告させるようにする

社員カードを発行し、親カードにポイントを集約させる

社員カードを発行できる法人カードを利用し、親カードにポイントが集まるようにする方法もあります。

そうしておけば社員が無断でポイントを使うことはできません。

会社のポイントとして全て集約できるため、効率的にポイントを集めることができますよ。

社内規定で利用時には利用内容を報告させるようにする

社内規定で利用するためのルールを明確にするのも効果的です。

そのためにはまず就業規則でしっかりとポイントについて言及しておきましょう。

ポイントの利用を制限するだけではなく、その報告義務を設けることで、カードそのものの私的利用や法人カードのポイントの不正利用を防げます。

これは社用車で利用されるETCカードなどにも適用できるよう規定を設けるようにしましょう。

個人名義のカードで会社のものを購入した場合にはどうなる?

「会社で利用するものを個人名義のカードで支払った場合はどうなるの?」

という人も中にはいるのではないでしょうか。

これについて現状ポイントをどう扱われるか法律上でははっきりと定められていないで、会社経費であっても個人のポイントとして扱っても法律上は問題ありません。

ただし会社によっては会社経費にあたるものを個人のカードで利用してポイントを稼ぐことを規制する動きもあります。

もし社員のカードの私的利用を控えさせたいのであれば、就業規則を作りポイントの私的利用を控える趣旨の記載を入れておきましょう。

逆に個人のカード利用を特に問題にしないのであれば、特に規制を設ける必要はありません。

ポイントの上手な使い方

法人カードで溜まったポイントの、使い道に悩む経営者は多いのではないでしょうか。

おすすめの利用法としては社員に還元して使うことです。

法律上、個人用のポイントとして利用しても何の問題もないのですが、「ポイントを個人利用している」と会社員に思われるのはあまり好ましくないですよね。

具体的には以下のように利用するのがよいでしょう。

・出張旅費として利用する
・福利厚生費として利用する

出張旅費として利用する

法人カードのポイントの使い道としておすすめなのが出張費です。

法人カードのポイントを航空会社のマイレージに変換することもできますし、ポイントに還元することもできます。

具体的には以下のものに使うことがよいでしょう。

・ホテルの宿泊費
・レンタカーの利用費用
・出張に使う飛行機の航空券

 このようにホテル代やレンタカー代、飛行機代に利用すれば、経費を抑えることにもつながります。

ポイントをマイルに変えるならアメックス・ゴールド

アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード

出張旅費としてポイントを使うのであれば、ポイントをマイルに交換しやすい、アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カードがおすすめです。

オプションで「メンバーシップ・リワード・プラス」(参加登録費:年3,000円)に登録すると、ポイントが無期限になり、マイル・ポイント移行の際のレートが格段にアップ。

たとえば、ANAマイルだと2,000ポイント=1,000マイルであったのが1,000ポイント=1,000マイルと、単純に2倍になります。

福利厚生費として利用する

福利厚生費として還元する方法もおすすめです。

日用品や普段購入しにくい高級食材、ギフトカードや電子マネーなどに交換する方法もあります。

またカードによっては福利厚生として利用可能な施設などの特典があるものもあり、社員旅行などに利用する方法も。

社員に労いの気持ちとして還元させることで、従業員のモチベーション向上につながるかもしれません。

ポイントの仕訳方法

「法人カードのポイントを経理上どのように仕分けたらいいのかわからない」

という人もいるのではないでしょうか。

法人のポイントカードの仕分けは、その利用使途によって変わります。

具体的には以下のように分けられます。

ポイントの仕訳
全額ポイントで支払った場合 雑収入
一部をポイントで支払った場合 雑収入+未払い金
社員が私用で使う場合 給与所得
個人事業主が使う場合 雑所得(年間20万円以下は所得を申告する必要なし)

全額ポイントで支払った場合は雑収入として計上します。

また一部をポイントで支払った場合は雑収入+未払い金として計上します。

社員が私用でポイントを使った場合には、給与所得として計上されます。

給与所得になるため、経費として計上しても問題ありません。

これが社長や役員のプライベート利用になると、役員報酬として扱われるため、経費にはできなくなります。

また法人の役員がポイントを勝手に使うこと自体、法律上の問題はないものの組織運営に悪影響を与えてしまう可能性もなくはありません。

そのため、このような処理はするべきではないと言えるでしょう。

個人事業主が私的に利用する場合には、雑収入として計上します。

ただし、雑収入が20万円以下の場合には、所得税の課税対象とはなりません。

ポイントだけで20万円分以上になる場合、それ相応の金額をカードで利用していることになります。

大企業の会社名義などの場合はわかりませんが、中小企業の法人カードであればまだ20万円を超えるということは、それほど気にする必要はないでしょう。

ポイントを経費に計上しなかった場合にはどうなる

「ポイントを経費に計上すると税務処理の手間が面倒くさい」

そう感じている人もいるのではないでしょうか。

ポイントは厳密に処理するのであれば、上記のように処理するのがベストなのは間違いないでしょう。

ですが、ポイントを私的に利用してかつ上記のように計上していない場合でも税務調査で現状指摘されないケースも少なくありません。

ただし税務調査で指摘を受ける可能性が0ではない以上、ポイントであってもきちんと仕分けした方が問題はこりにくいと言えるでしょう。

まとめ

法人カードで貯まったポイントは、社長や社員個人のものになるのではなく、法人のものになります。

たとえ個人で利用したとしても、厳しく罰せられる可能性は少ないですが、会社でルールをつくってみんなが納得する形で活用するようにしてください。

ポイントが無断で使用されないように管理するなら、社員カードを複数枚発行できるカードがおすすめです。

法人カードで貯まるポイントは、会社にとって経費削減の大きなメリットになるので、まだ導入していないのであれば是非法人カードを作ってみましょう。

関連記事