法人カードを発行するための最低条件は、法人設立3年以上経過かつ2年以上は黒字決算であることと言われています。
ただし、アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード(以下アメックスビジネスゴールドカード)は、法人設立0ヵ月や、法人設立1年未満で赤字決算でも発行できたという話があります。
そんな話があることから、アメックスビジネスゴールドカードの審査は甘いという噂を見かけたことがある方もいのではないでしょうか。
アメックスビジネスゴールドカードは、持っているだけで信用にも繋がる高ステータスさと、他社のプラチナカード並みの付帯サービスが特徴の法人カードです。
そんなアメックスビジネスゴールドカードは本当に甘いのでしょうか?
答えは、「イエス」です。
この記事では、アメックスビジネスゴールドカードの審査が何故甘いのか、どういった人が通りやすいのかを解説していきます。
まずはアメックスビジネスゴールドカードの基本情報と入会の為のための条件を確認しておきましょう。
アメックスビジネスゴールドカード基本情報
申し込み条件 | 20歳以上の個人事業主か法人経営者 |
---|---|
年会費 | 31,000円(税別) |
追加カード | 1枚につき12,000円(税別) |
ETCカード | 500円(税別) |
限度額 | 審査によって個別に決められる |
ポイント還元率 | 通常1.0% 最大3.0% |
申し込みに必要な書類 | 本人確認書類 法人の場合のみ、登記簿謄本か登記事項証明書も必要 |
アメックスビジネスゴールドカード入会の条件
アメックスビジネスゴールドカード入会のための資格は、20歳以上の個人事業主(フリーランス)または法人経営者の方です。
個人事業主向けに発行されるカードと、法人向けに発行されるカードはカードの名前の欄に法人名が書かれるか、個人名が書かれるかの違いがあります。
アメックス・ビジネスゴールド入会の条件自体は特に変わったものはありません。
それなのに何故、持っているだけで高ステータスなカードと言われているのでしょうか。
何故ステータスが高いカードというイメージがあるの?
そもそも、何故アメックスビジネスゴールドカードには、高ステータスの証というイメージがついているのでしょうか。
それは、アメックスの歴史を見ると理解することができます。
アメリカン・エキスプレス(アメックス)は、1980年に日本で最初にゴールドカードを発行した会社です。
発売した当時の日本はバブル初期だったので、持ち物等に対するステータス性を意識している人も多い時代でした。
そこで、他社が発行していなかった「ゴールドカード」を発行したことで、爆発的な人気を獲得し、アメックスのゴールドカードを持っているということがステータスになったのです。
また、当時のアメックス・ゴールドカードを発行するための最低条件は、「25歳以上で年収が500万円以上」という厳しいものでした。
こういった歴史が影響して、アメックスビジネスゴールドカードは、高ステータスの人のみが持てるカードというイメージが世間に定着しているわけです。
では、そんなアメックスビジネスゴールドカードは、なぜ審査が甘いと言われているのでしょうか?
なんで審査が甘いの?
過去には、法人カードの最高峰と言われていたこともある「アメックスビジネスゴールドカード」なのに、なぜ審査が甘いと言われているのでしょうか?
考えられるのは、以下にあげる3つの理由です。
- 会社よりも個人を見て審査をしているから
- ゴールドカードが1番上のランクではなくなったから
- 限度額の設定がないから
ではそれぞれ詳しく説明していきます。
会社よりも個人を見て審査をしているから
冒頭で、法人の設立から1ヵ月経っていなくても、アメックスビジネスゴールドカードの審査に通った例があるという話をしました。
アメックスビジネスゴールドカードが法人設立から1ヵ月経っていない法人でも、カード発行する場合があるのは、審査で「会社」よりも「個人」を見ているからです。
アメックスビジネスゴールドカードの発行を個人事業主が申し込んだ場合、必要な書類が「本人確認書類」のみというのも、そういった理由からでしょうか。
会社の信用がまだなくても、個人の信用があれば発行してもらえるため、他社の法人カードと比べて審査が甘いと認識されています。
ゴールドカードが1番上のランクではなくなったから
元々はアメックスの法人カードの中では、ゴールドカードが最高ランクのカードでした。
それが、今はゴールドカードの上に、「プラチナカード」があります。
現在のアメックスから発行できる法人カードのランクをまとめると以下のようになります。
|
プラチナカード |
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ゴールドカード |
|
グリーンカード |
上に行けば行くほどランクが上がります。
上の表を見てわかることは、ゴールドカードは現在、アメックスのカードの中でも下から2番目のランクのカードということです。
1番上のランクだった頃に比べると、より上のランクのカードが出てきたため、審査基準が甘くなったのかもしれません。
限度額の設定がないから
アメックスのカードには、決められた限度額がありません。
というのも、申し込みをした人の信用情報によってそれぞれ個別に限度額が設定されるためです。
カード入会の入り口を広くし、入会してから利用できる金額を制限することによって貸し倒れのリスクを減らすというシステムです。
実際、カード発行したばかりの時は、限度額が30万円までということが多いようです。
会員になってから信用を積み上げていくことが大事になっています。
ただ、いくら審査が甘いと言っても審査に落ちてしまう人もいます。
次は、審査に落ちてしまう人の特徴を紹介します。
アメックスビジネスゴールドカードの審査に通りにくい人
アメックスで審査に通りにくい人はどのような人でしょうか。
自分が該当していないかチェックしましょう。
審査に通りにくい人は以下の2種類の人です。
・カードの申し込み枚数が多い人
では、それぞれ詳しく解説していきます。
信用情報に問題のある人
過去に債務整理などの金融事故を起こしている人や、クレジットカードの支払いを延滞している人は審査に通りにくいでしょう。
アメックスの公式サイトに、カード発行審査の際には信用情報機関に登録されている信用情報を参照していると書かれています。
いくら審査が甘いと言っても他のクレジットカード会社と同じように、個人信用情報はチェックしています。
金融事故や、支払いの延滞等をしてしまった人は、事故情報が信用情報機関から抹消されてからでないとアメックスビジネスゴールドカードを発行するのは難しいでしょう。
カードの申し込み枚数が多い人
クレジットカードや、カードローンに申し込んだ記録は信用情報機関に6ヵ月間保管されます。
その期間内に何度も続けて申し込んでいると、「申し込みブラック」という状態になってしまい、余計審査に通りにくくなってしまいます。
過去6ヵ月間の間に5回以上クレジットカードやカードローンに申し込んで審査に落ちている場合、申し込みブラック状態になっているかもしれません。
その際は、最後の申し込みから6ヵ月以上は期間を空けてアメックスビジネスゴールドカードに申し込むようにしましょう。
上記でお伝えした内容とは逆に、信用情報に問題がない方で最後にカードを申し込んでから6ヵ月以上期間が空いていれば、審査に通る可能性は高いです。
では、次は審査に必要な書類を見ていきましょう。
審査に必要な書類
では、アメックスビジネスゴールドカードの審査を受けるのに必要な書類はなにか見ていきましょう。
アメックスビジネスゴールドカードの審査に必要な書類は、個人事業主か法人かで変わります。
それぞれ、詳しく説明していきます。
個人事業主の場合
アメックスビジネスゴールドカードに申込むのが個人事業主の場合、カード申込みに必要な書類は本人確認書類のみです。
本人確認書類として利用できるものは、以下の8種類の書類です。
個人事業主がアメックスビジネスゴールドカードを作る際の必要書類 | |
---|---|
書類の種類 | 該当する書類 |
本人確認書類 | 運転免許証 特別永住者証明書 在留カード パスポート マイナンバーカード 各種健康保険証 住民票の写し 住民基本台帳カード |
審査に必要な書類が本人確認書類のみなら、サラリーマンでも発行してもらうことができそうです。
個人用カードとは別に、副業専用のクレジットカードとして、アメックスビジネスゴールドカードを持つということもできます。
法人の場合
アメックスビジネスゴールドカードに申込むのが法人の場合、カード申込みに必要な書類は本人確認書類に加えて、商業登記謄本か登記事項証明書のどちらか1つが必要です。
個人事業主がアメックスビジネスゴールドカードを作る際の必要書類 | |
---|---|
書類の種類 | 該当する書類 |
登記簿謄本 | 登記簿謄本 登記事項証明書 |
本人確認書類 | 運転免許証 特別永住者証明書 在留カード パスポート マイナンバーカード 各種健康保険証 住民基本台帳カード |
注意しなければならないのは、法人の場合のみ本人確認書類として住民票の写しが認められないという点です。
書類を用意したら審査を受けることができます。
審査にはどれくらい時間がかかるのでしょうか。
審査には時間がかかる
アメックスビジネスゴールドカードの審査にかかる時間の目安を、インターネット上の口コミを集計して割り出しました。
集計の結果が以下です。
口コミ60件中 | |
---|---|
申込日から1週間未満でカード到着 | 15件 |
申込日から2週間未満でカード到着 | 15件 |
申込日からカード到着まで2週間以上 | 30件 |
アメックスビジネスゴールドカードに申し込んでから、2週間から3週間前後でカードが到着したという人が1番多かったです。
アメックスビジネスゴールドカードは、使用する予定の直前に申込んでも審査に時間がかかってすぐには発行されない可能性が高いです。
アメックスビジネスゴールドカードに申込む際には、審査に3週間程度かかると考えておいた方が良いでしょう。
ちなみに口コミの中では、カード申込みからカード到着までの最速が5日、最遅が73日でした。
人によって審査にかかる時間は大きく変わるようです。
審査が遅いと思ったらアメックスのデスクに電話して問い合わせましょう。
電話することによって優先して審査を進めてもらうこともできます。
ところで、時間のかかる審査が完了して、アメックスビジネスゴールドカードが手に入ったらどのようなメリットがあるのでしょうか。
アメックスビジネスゴールドカードのメリット
アメックスビジネスゴールドカードを発行できれば、以下4つのメリットが得られます。
- 経費を法人カードで支払える
- ポイントをマイルに交換できる
- 最大1億円の海外旅行傷害保険
- 充実した付帯サービス
では、それぞれ詳しく説明していきます。
経費を法人カードで支払える
会社の経費を、アメックスビジネスゴールドカードで支払うことができます。
法人カードで会社の経費を支払うことによって経費の支払い金額に応じて、ポイントが貯まるというメリットが得られます。
アメックス・ゴールドカードのポイント還元率は通常1%です。
毎月50万円の経費がかかっていた場合、毎月5,000ポイント貯めることができます。
では、貯まったポイントはどのように使うことができるか見てみましょう。
ポイントをマイルに交換できる
アメックスビジネスゴールドカードで貯めたポイントは、全15航空会社のマイルに交換することができます。
ANAマイルに交換する場合の、ポイントからマイルへの最大換算率は100%、1ポイント=1マイルに交換することができます。
参考までに、50,000マイルあれば、そのシーズンでも東京とハワイを往復できます。
月に50万円の経費を支払っている会社なら、年に1回経営者がマイルでハワイ旅行を楽しむことができます。
アメックスビジネスゴールドカードは、さらに海外旅行の際にも役に立つ保険機能がついています。
最大1億円の海外旅行傷害保険
アメックスビジネスゴールドカードで、出入国のための国際航空機または、国際船舶のチケットやツアーの料金を支払っていれば、最大1億円の海外旅行傷害保険が受けられます。
またこの保険は、最大補償料金こそ変わりますが、基本カード会員の家族や、追加カード会員にも適用されます。
追加カードを持った部下が海外で事故に遭ってしまった際など、思わぬトラブルの際に役に立ちそうですね。
充実した付帯サービス
アメックスビジネスゴールドカードには、たくさんの付帯サービスがあります。
空港ラウンジを利用できるのはもちろん、特に便利なのは手荷物無料宅配サービスとオーバーシーズ・アシストです。
それぞれ説明していきます。
手荷物無料宅配サービス
手荷物無料宅配サービスとは、海外出張などに出かける際に、空港から自宅、自宅から空港へスーツケース1つを無料で配送できるサービスです。
このサービスを利用すれば、出張前後の、空港と自宅の行き帰りが手ぶらなんてことも可能になります。
オーバーシーズ・アシスト
オーバーシーズ・アシストとは、海外で会食のための店を探さなくてはならなくなった時や旅程変更の際に、24時間年中無休で、日本語で旅のサポートをしてくれる特典です。
一人だと心細い海外出張も、アメックスビジネスゴールドカードの付帯サービスのおかげで、無駄な時間をたられず、スムーズな行動がとれます。
アメックスビジネスゴールドカードには、このようなカード付帯のサービスや特典を利用できるメリットがあります。
メリットに関しては徹底解説している記事があるので、そちらもぜひ一読してみてくださいね。
次は、利用の際に注意しておきたいデメリットも見てみましょう。
アメックスビジネスゴールドカードのデメリット
では、アメックスビジネスゴールドカードにはデメリットがあるのでしょうか。
アメックスビジネスゴールドカードのデメリットは以下の2つです。
- 年会費が高い
- 分割払いができない
年会費が高い
アメックスビジネスゴールドカードの年会費は31,000円(税別)です。
他社のゴールドカードの年会費が10,000円前後ということを考えると、この金額はかなり高いです。
ただ、アメックスビジネスゴールドカードの付帯サービスを日頃から利用するようにすれば、充分満足できるのではないでしょうか。
年間31,000円(税別)は、月額にすると2,600円程度です。
この年会費は経費にできますので、経費として精算しましょう。
分割払いができない
アメックスビジネスゴールドカードは分割払いに対応していません。
法人カードで分割払いができること自体少ないですが、最近ではJCB法人カードや、オリコEX Gold for Bizなら分割払いができるようになっています。
会社でかかるお金を分割払いしたいのであれば、アメックスビジネスゴールドカードは利用できません。
まとめ
アメックスビジネスゴールドカードは持っているだけで高ステータスの証となり、充実した付帯サービスを受けることもできます。
また、ビジネスマンがいつかは持ちたいと考えているカードとも言われています。
このような世間でのイメージによって「自分には持てないよ」と思って持つことを諦めている方も多いのではないでしょうか。
ですが、アメックスビジネスゴールドカードの審査自体は他社の法人カードと比べて、通過しやすいと言われています。
この機会に申込んでみてはいかがでしょうか。