ノンバンク系のビジネスローンは金利が高いですが、融資スピードが速く、緊急時の事業資金調達として活用できます。
個人事業主にとっては審査スピードも速く、使いやすいビジネスローンですが、審査に関してはどうでしょうか?
銀行融資と比べると金額の上限も低いので審査基準は低いかもしれませんが、誰でも簡単に審査を通過するわけではありません。
今回はビジネスローンの審査について解説しましょう。
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【ライター】嶋崎 -
当サイトを運営している嶋崎と申します。
わたしは経営の経験はありませが、サイト運営に携わり約2年が経過するなかで、事業主のお金の悩みは特有であることを勉強してきました。
たとえば事業主へ実際にインタビューをしたり、実際にセミナーに参加したりするなどして、資金調達の流れやどのようなときにお金の不安を感じるのかを勉強しています。
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融資審査の基本
ビジネスローンに限らず融資審査には共通する点があります。まずは審査の基本から解説していきましょう。
スコアリングのシステム
融資に限らずクレジットカード審査でも実施しているのが、スコアリング方式です。
スコアリングは審査項目に点数をつけて一定の点数に達した場合に融資を実行するシステムです。
所得や事業歴は長いほど点数が高く、自己所有の資産(事務所・店舗)があるといった場合も点数が高くなります。
そのため、開業したばかりの場合や、ネット事業で実際の店舗などを持たない場合には、点数が低くなります。
よくカードローンで30分審査という言葉を見かけますが、スコアリングシステムがなければ短時間で、審査結果を導き出すことはできません。
個人と法人の調査
クレジットカードや個人向けカードローンの場合は、個人についての情報で審査を行ないますが、ビジネスローンの場合は法人申込もあります。
法人審査と個人の審査での違いはあるでしょうか?
個人事業主の場合は、個人信用情報機関の情報を参照して審査します。
法人の場合は法人代表者が連帯保証人となるので、代表者の審査は個人事業主と同じになります。
法人の情報は個人信用情報機関では取り扱っていないので、民間調査機関(東京商工リサーチ・帝国データバンク)のデータをチェックします。
ここでは法人に関して倒産歴や銀行取引停止、手形不渡りなどの情報をチェックします。
個人信用情報機関では融資の利用歴はプラス材料になることもありますが、法人の場合はマイナス情報がないかどうかのチェックとなります。
過去の利用状況
消費者金融系の個人信用情報機関はJICCと言いますが、クレジット系のCICとともに貸金業法で定めている指定信用情報機関として登録しています。
消費者金融会社やクレジットカード会社は、指定信用情報機関の情報を参照して、審査することが義務付けられています。
また銀行系の個人信用情報機関にはKSCがあります。
この3社はお互いに情報の交流が行われています。
JICCとCICはFINE(ファイン)システムで会員情報の交流を、3者間ではCRIN(クリン)システムによって事故情報(ブラック情報)を交換しています。
そのためクレジットカードの支払い滞納情報もビジネスローンの審査に大きな影響があります。
クレジットヒストリーは重要
融資やクレジットの利用歴はクレジットヒストリーと呼ばれています。
クレジットヒストリーは審査にとって重要な意味があり、3ヶ月以上延滞の事故情報があると、審査は確実に却下されます。
スコアリングシステムでもこうした事故情報は大きなマイナスの配点となるので、他の審査項目の点数が良くても却下になってしまいます。
事故情報は基本的に5年間データ保存されているので、5年経過するまで融資・クレジット審査は却下となります。
マイナス要素としてのクレジットヒストリーの影響は審査にとっては大きいので、返済をしっかりとして良好なクレジットヒストリーを作ることが重要です。
個人融資と事業性融資の審査の違い
個人が消費に使う融資と事業性資金への融資では審査にも違いがあります。
事業性融資の場合はどんな点を重視して審査をしているのでしょうか?
日本政策金融公庫等の公的融資の審査
中小企業を対象とした公的融資の場合は、基本的に政策によって融資をするので、政策に沿った事業目的に使用するかどうかが問題となります。
低金利なので違う目的に利用されやすいというリスクがあります。
日本政策金融公庫の融資申込は所定の必要書類を提出するのはもちろんですが、面談による審査もあります。
この面談によって申込者の人柄を判断し、申込情報に虚偽がないかという点も判断します。
書類だけではわからない点も審査するというのが日本政策金融公庫の審査の特徴です。
銀行融資の審査の特徴
銀行の場合は日本政策金融公庫とは違い、貸し倒れを発生させないという絶対的な命題があります。
バブルの時代に多額の貸し倒れが発生し、公的資金を注入して再生した銀行なので、貸し倒れの可能性は最小限にする必要があります。
また従来から事業融資を行なっている経験値があるので、企業や事業者の経営状態を見抜く力があります。
事業計画書、資金計画書、決算書類、個人の場合は確定申告書など提出書類から経営の現状を判断しますが、特に重要視しているのは純資産です。
純資産は資本金の他に会社が出した利益が加わるので、業績が好調であれば増えていきます。
債務がいくらあっても資産がそれよりも大きければ、倒産することはありません。
一方で資産から債務金額を差し引いたのが純資産なので、これがマイナスになると債務金額が資産を超えていることになるので債務超過となり、いつ倒産してもおかしくありません。
銀行は資産と負債のバランスをチェックして、倒産寸前でないかを判断するのです。
またプロパー融資と呼ばれている銀行が直接貸付する融資よりも、最終的な審査を信用保証協会など保証会社が行なう保証付き融資のほうが、審査基準も低くなる傾向もあります。
ノンバンク系ビジネスローン審査の特徴
ノンバンクは本来、消費者を対象に融資を行なっています。
消費者金融のノウハウはありますが、企業融資や事業融資の審査ノウハウは銀行等の金融機関に比べると低いのです。
また金利が高いため、ある程度の貸し倒れリスクは見込んで審査を行なっています。
赤字決算が続いているといった明らかに不安定な状態でない限り、過去の利用状況に問題がなければ、融資額を減らすことはあっても却下となることはありません。
初めての利用であれば少額の貸付から初めて、実績を積んでいけば利用枠を大きくし、金利も引き下げていくというスタンスです。
無担保が前提となっているので、銀行のように絶対に貸し倒れを防ぐという意識はないのです。
事業融資といっても事業の将来性や資金計画をチェックするわけではなく、スコアリングシステムでほぼ個人融資と同じように審査しています。
そうしなければ即日融資といった審査スピードは実現しません。
ノンバンクの場合は個人事業者や法人代表者に一定以上の所得があり、クレジットヒストリーが良好であれば、審査を通過する可能性が高いのです。
ノンバンク系ビジネスローンで却下される理由
ノンバンクのビジネスローンでも却下となるケースはあります。却下理由とその対策を考えてみましょう。
個人事業主や法人代表者の事故情報
個人信用情報機関で過去の借入に関しての延滞情報、クレジットの事故情報などがあると審査は通りません。
事業と個人の利用は無関係という考え方もありますが、個人事業主の場合は同じと判断されます。
中小企業などの法人代表者であっても、個人として支払い観念がなければ、経営にも大きく影響すると判断されるので却下の可能性は高くなります。
この場合は個人信用情報機関の情報が消えるまで待つしかありません。
事故となった契約が終了して5年経過してから申し込みましょう。
確実に消えたかどうかは個人信用情報機関に情報開示申請をして確かめます。
赤字決算
同じ赤字でも原因によっては審査に影響がない場合もありますが、連続で赤字となっている場合は、法人でも個人事業でも却下の可能性は高くなります。
個人事業主の場合赤字は生活にも影響するので、他に収入がない限り返済能力がないと判断されてしまいます。
証書貸付方式であれば保証人をつけることができるので、収入のある配偶者や家族を連帯保証人にすることも考慮しましょう。
また、別に収入があれば、その所得証明を添付するなど返済能力があることをアピールする必要があります。
まとめ
ビジネスローンの審査は公的な制度融資や銀行融資と違って、審査結果が早くわかります。
そのため次の対策を打ちやすいというメリットがありますが、却下の原因を解消しなければ何度申込をしても同じ結果になりやすいのです。
ノンバンク系ビジネスローンの申込をする場合は、念のため個人信用情報機関の情報を開示して確認しておきましょう。
個人信用情報機関の情報に問題がなければ、他に却下理由があることがわかるので対策も立てやすくなります。
ノンバンクのビジネスローンは銀行融資に比べて審査は通りやすいですが、却下になると資金調達の方法が狭められてしまうので、事前の準備もしっかりした上で申込ましょう。