2019/10/08

「銀行融資を受けるための条件ってあるの?」

「自分の企業は銀行融資を受けられるの?」

中小企業を営む経営者の方や個人事業主の方は気になるところではないでしょうか。

事業資金の調達方法はさまざまですが、今回は銀行からお金を借りる方法に的を絞り、銀行融資が受けられる条件とは何か、どのように審査されるか、そしてその条件を経営者が満たすにはどうすればいいのか詳しく解説します。

(今回の記事では、ビズローン編集部に在籍する元銀行マンの経験も織り交ぜながら、リアルな情報をお届けしていきます。)

銀行融資の種類

銀行融資のメインは、プロパー融資と信用保証協会融資です。

プロパー融資とは

プロパー融資は、銀行融資の主戦力とも言われる融資です。

金利を低く設定しているため、同時に事業者の経営不振・倒産等の貸し倒れが発生した場合のリスクも大きくなります。

それだけにリスク回避のため融資のハードルも非常に高くなっています。

信用保証協会融資とは

信用保証協会融資は各都道府県にある信用保証協会が、資金力や信用力に乏しく銀行からプロパー融資が受けにくい中小企業や個人事業者に対し、公的保証人になって融資を受けられるようにしてくれてる方法です。

信用保証付融資のイメージ

銀行としても信用保証協会の保証で貸し倒れリスクを最小限にしながら融資できるので、信用保証協会が保証書を出した事業者なら、都銀や信用金庫等、金融機関の規模に関係なく基本的に融資に応じています。

銀行にもカードローンがある

カードローンと言えば消費者金融のイメージが強いかも知れませんが、銀行もカードローンの提供を行っています。

例えば日本3大メガバンクの1つである三菱UFJ銀行には「バンクイック」というカードローンがあり、消費者金融のカードローンよりも低金利で資金調達が可能です。

ただし、銀行のカードローンは事業資金を借り入れるために利用することが建前上禁止です。

銀行に資金使途を追跡されることは通常ありませんが、もし事業資金として利用しているが発覚すれば全額を一括返済という可能性もあります。

資金繰りに行き詰まり、すぐに資金調達ができるカードローンを利用したいという方は、事業資金専用の法人カードローンを利用するのが得策です。

銀行融資の判断は定量評価と定性評価で行われる

銀行融資は定量評価と定性評価を基本に行われます。

定量評価とは?

定量評価とはその会社・個人事業主の事業を数字で客観的に把握して評価を行う方法です。

銀行は、事業者から出された決算書(貸借対照表・損益計算書)や確定申告書を使って評価します。

決算書類の個々の数字を、行内に備えてある「格付けモデル」と呼ばれる評価システムに入力することで、自動的にその事業先がどのくらいのレベルにあるか、結果を相対評価して出すことができます。

ただし、融資をするかどうかの判断は、その結果を受けて、あくまで個々の銀行の判断にゆだねられることになります。

定量評価で経営者に意識すべき条件

銀行の審査についてはっきりいえることは銀行員による手作業で格付けの結果が変わることはほとんどないという事実です。

決算書類が融資先から持ち込まれ、銀行で格付けモデルに決算数字が入力された時点でほぼ結果が出ています。

支店がすることは、決算書類をその都度本店審査部に送ることだけで、入力結果は数日して決算書類と共に帰ってきます。

その後では、いくらその融資先の担当者でもその結果を簡単に変えることはできないのです。

経営者は常日頃から銀行格付けを意識した経営を行い、できるだけバランスの取れた内容の決算書を銀行に持ち込んで下さい。

格付を意識した決算書を作るポイント

具体的には以下の4つのポイントです。

・安全性
・収益性
・成長性
・債務返済能力

それぞれが決算書類でバランスよく確保されて初めて格付けで高得点が取れます。

ここで、安全性とは事業先としての安定度を指しており、例えば指標として総資本に対しどれ位自己資本が充実しているかを示す自己資本比率などで判定されます。

収益性はその事業での収益力を問うものであり、例えば経常利益をその年間の売上高で割って出した売上高経常利益率がその代表的な指標です。

成長性はその企業の成長のポテンシャルを測るものであり、経常利益増加率(当期経常利益÷前期経常利益)、あるいは売上高の伸びで測ります。

最期に債務返済能力は融資そのものに関係するもので、その事業先がどれ位借金を返済できる能力が高いかを測ります。

返済能力は債務償還年数で計られる

その返済能力を測るものとして債務償還年数があり、その事業先の事業から生み出される返済財源で総借入額を何年で返済できるかを計算します。

当然その期間が短いほど返済能力が高いと判断されます。

債務償還年数の計算式は(有利子負債-経常運転資金)÷キャッシュフローです。

有利子負債
…(短期借入金+長期借入金)
経常運転資金
…(売掛金+受取手形+在庫-買掛金-支払手形)
キャッシュフロー
…経常利益(営業利益+営業外収益-営業外費用)+減価償却費

 

定性評価とは?

銀行融資は単に定量評価が高かっただけでは受けられません。

評価には数字だけで表せられない側面がいくつもあり、それを具体化したのが定性評価です。

定性評価の主要な項目とは以下の通りです。

・経営者の資質・能力
・事業に関係した市場の将来性
・過去の返済状況
・事業の強み

定性評価で事業者に満たしてほしい条件

融資の審査にあたり、銀行員は事業者との面談等の機会を通じて経営者としての能力や人間性、事業への意欲を判断し、審査書類に反映させています。

そのため面談で事業者の態度が悪くて銀行員に悪いイメージが伝わると、それだけで本来通るはずの審査も”経営者として能力が低い”という理由で却下される場合もあります。

市況が影響することもある

またその経営者がいくら能力的に優れていても市場環境が悪いとどうにもならない時もあります。

融資の活路を開くためにも、市況の悪さと関係なく競争を勝ち抜ける事業の強みをアピールして下さい。

経営者個人の金融事故は絶対NG

いくら事業に強みがあっても、経営者が過去の借入の返済で遅延や延滞を繰り返していたら話になりません。

過去の返済の履歴は長い間銀行内に残るので、たとえ個人ローンの返済やクレジットカードの支払い期日もしっかりと守る癖をつけておいて下さい。

銀行融資の8割は企業の格付で決まる

銀行は企業を6つのグループに区分して格付し、どのグループに入るかで個社別の融資の方針を決め、それに応じた融資金利や適正な融資額・融資期間を検討します。

企業格付とその目的は取引先を相対評価の中でランキング化して、個社別に融資の方針を明確にすることです。

6つのグループとは以下の通りです。

・正常先
・要注意先
・要管理先
・破たん懸念先
・実質破たん先
・破たん先

融資が確実なのは正常先のみ

ここで問題なく融資が受けられる区分先は正常先のみで、要注意先に入ると銀行員の融資態度はかなり慎重になり、要管理先以下になると追加融資が難しくなります。

また正常先の区分内でもさらに細かくランキングされて、それに応じた融資額・借入限度額や金利等の条件が決められる仕組みになっています。

ただこの区分内容は企業秘密として当然口外禁止なので、いくら事業者が親しい銀行担当者に自分の会社の格付を聞いても答えてくれません。

銀行の担当者や支店長の接客態度で自分の会社の評価を探るしか方法はないのです。

格付評価は定量8割、定性2割

はっきりとお伝え出来ることは、格付評価においての貢献度は定量評価8割、定性評価2割ということです。

つまり決算書類を銀行に出した時点でほぼその事業先に対する融資方針は決まっています。

もし銀行融資をこれからも円滑に利用したいのなら、常日頃から企業格付を意識した経営をしっかり行う必要があります。

銀行融資で外せない付帯的条件

融資の付帯的条件となる担保について物的担保と人的担保と呼ばれる2つの側面から説明します。

物的担保

物的担保とは換金性のある物件を担保として採用する形式の担保のことをいいます。

代表的な担保には土地や建物、預金、公社債、株式などがあげられます。

ただし、銀行融資の物的担保で主に取り扱うものは殆どが土地や建物等のいわゆる不動産です。

ところが日本の建物は、諸外国と比べて経過年数による建物評価の低下が早く、銀行だと新築から10年も経つと限りなく担保評価をゼロとみなします。

その点土地は物件としての担保価値が比較的安定していることから、昔から銀行でも好んで担保に土地を要求してきた歴史があります。

ただその土地の評価もそのまま時価を100%反映したものでなく、土地に根抵当権を付けるために、時価の6~7割程度となっています。

無担保対応の銀行融資もありますが、担保付き融資なら、銀行も融資額を大きくしたりより低い金利での対応ができるようになります。

人的担保

物的担保と併せて重要なのがこの人的担保です。

一般的には保証人と呼ばれています。またその保証責任の範囲においてより重い連帯保証人という保証形態もあります。

しかし、現在ではそのウェイトがかなり低下してきています。

 

直接その企業の経営に関わっていない人はできるだけ保証人にしないよう、金融庁から銀行に指導が入ったからです。

政府系金融機関の日本政策金融公庫や信用保証協会では、この対応をさらに徹底していて、個人事業主に対する融資ではすでに経営者の配偶者は保証人に取っていません。

つまり個人事業主に対する融資は単独融資となっています。

今のところ、この対応が銀行のプロパー融資ではまだ完全に浸透しきっているとは言えませんが、定着するのは時間の問題でしょう。

ただ融資対象が法人の場合は、特別な大企業を除き、その代表者は依然として連帯保証人になる必要があります。 

借入方法別に重要な融資条件

次に視点を変えて、銀行融資において借入方法が変わった場合、どのような点が重要になってくるのかを条件の面から見ていきましょう。

銀行カードローン

銀行カードローンは、個人をターゲットとした融資ではありますが、法人の代表者や個人事業主であっても利用することは可能です。

活用方法

銀行カードローンは直接事業資金として利用しないのが条件です。

ただ、銀行カードローンで生活費を補填することで、本来「事業主貸」の勘定科目で生活費とするはずだった資金が補填できた分、そのまま事業資金として使えるお金が増えることになります。

銀行カードローンは生活資金と事業資金が密接にリンクしている個人事業主の方には、特におすすめしたい融資方法です。

3大メガバンク、三菱UFJ銀行が提供するカードローン「バンクイック」なら、希望額50万円以下なら収入証明ナシで融資可能。口座を開設せずとも利用できるため、開業間もない事業主にとってはとても頼りになる資金調達方法です。

利用回数を増すごとに融資枠も拡大していきますので、個人事業主の方は生活資金として必要な金額を銀行カードローンでまかない、少しでも浮いた分を事業資金として運用するようにしてください。

手形貸付

手形貸付は銀行融資において短期資金の代表的な借入方法です。

主な資金使途としては運転資金やつなぎ資金、季節資金、従業員への賞与資金などがあります。

手形貸付の重要な融資条件は返済期日に確実に返済することです。

支払期限を延ばして手形貸付を借り続けている融資を「コロガシ単名」といって、銀行は事業先の経営が怪しくなると真っ先に融資引き上げの対象にします。

融資先としてもそのような対応を受けないよう、やはり期日には一旦返済して信用を保っておくべきと思います。

銀行としては、融資先から資金繰り表を出してもらって、いつ手形貸付の返済が可能か、資金の動きを見ながら判断しています。

手形割引

事業者の中には取引で売上の対価に約束手形や為替手形を受け取っている業者がいます。

通常手形は銀行に取立に回してお金を回収しますが、それ以外に銀行にその手形を買い取ってもらって、その売却代金で事業資金を作る手形割引という方法があります。

事業では思わぬ出費で、自己資金だけでは足らず資金ショートを起こしかける場面があります。

そのような場合でも手形を持っていると、すぐに銀行に手形割引を依頼できるので大変便利です。

ただし銀行が全ての手形の割引に応じてくれるものでもありません。

融資なので当然審査もありますし、担保が必要な場合もあります。

さらにその手形の信用度が低いと買取りもしてくれませんので、手形の信用度の高さが条件となります。

証書貸付

証書貸付は長期間の返済が伴う借入方法です。

証書貸付をする場合、安定した売上や利益の計上を求められるので、誰でも簡単に受けられる融資というものではありません。

証書貸付の融資金は主に長期運転資金や設備資金に使われます。

特に設備資金の場合、一種の投資なので長期に渡りその投資効果が問われます。

その資金がきちんと設備に投資され、どのように利益となって帰ってくるか、銀行としてもその効果を見極めねばなりません。

そしてその判断に使われるのが設備計画を盛り込んだ事業計画書です。

もしこの計画書がずさんで具体性を欠いたものであれば、当然融資が受けられないので、それだけ緻密な計画書作りが必要です。

一方で、この証書貸付がプロパー融資で受けることができたら、それはその事業者が銀行に一人前の融資先として認められた証拠にもなります。

リスケジュールについて

銀行融資においては返済がいつもスムーズにいくとは限りません。

事業には好況も不況もあり、売上が落ちて利益が出ず赤字になり、返済財源がなくなることで返済が滞ってしまう場面もあります。

ただそのような場合でも、経営者としてやっていけないことは銀行に相談せず勝手に延滞を放置することです。

そのような場合、経営者が取る策は、一日も早く銀行に出向いて事情を説明し、融資の返済条件緩和(リスケジュール)の相談してください。

リスケジュールはリスケとも呼ばれ、融資の返済条件を変更することを意味します。

リスケには、返済期間を延ばして自社の毎月返済額を減らし支払いを楽にする方法、一定期間元金の返済を止めてもらって利息のみ支払う方法、業況が回復するまで一切の支払いを止めてもらう方法など色々あります。

いずれも銀行にとっては返済条件の悪化につながるので簡単には応じてくれません。

合意までは事業者にとっても忍耐強い交渉が必要になります。

それでも銀行としても取引先が倒産しては融資が回収できなくなるので、可能な限り協力してくれるでしょう。

ただしリスケの依頼には必ず経営改善計画書も必要になりますので留意しておいて下さい。

相談は早ければ早い方がいいです。

業況の悪化が予想される前にできるだけ早く銀行に出向きましょう。

最近のトレンド【ファクタリング】

銀行融資、とりわけプロパー融資を受けるには色々な融資条件を満たさねばなりません。

しかしこのような融資の条件と関係なく運転資金が調達できる方法があります。

それがファクタリングです。

ファクタリングは売掛金を使った資金調達方法で最近まであまり注目されていませんでした。

しかし売掛金はその債権の裏にきちんとした取引の裏付けがあります。

そこでその取引の裏付けを元に売掛債権を売買して運転資金を確保する方法がファクタリングなのです。

売掛債権を持っている事業者は、ファクタリング会社にその売掛金を売却することで売掛金の回収期日を待たずに運転資金を手に入れることができます。

ファクタリングは融資でなく債券の売買なので銀行の貸借対照表には載りませんし、取引銀行にその利用も知られることがないので信用を落とす可能性もありません

最短即日で売掛債権から資金調達ができるビートレーディング

ファクタリング会社によっては、売掛債権の現金化に数日かかる会社もありますが、ビートレーディングでのファクタリングなら最短即日で現金化も可能です。

売掛先(取引先)に債権譲渡の事実が発覚することなく、安心して資金調達ができる2社間ファクタリングを利用することができます。

 

取引先に知られずに売掛債権を現金化できるので、信頼関係を維持したまま資金調達が可能です。

銀行の融資条件に悩む人はファクタリングの活用も考えられてはいかがでしょうか。

まとめ

銀行融資の条件は多岐にわたりますが、8割は事業実績などの定量評価です。

ただ、定量評価だけではとうてい融資は受けられないだろうとあきらめることはしないでください。

自分の事業について熱意をもって語り誠実に資金の必要性を訴える事業者には、銀行員としてもなんとか融資で応えたいと考えています。

両者が膝を突き合わせて真剣に融資の交渉を行えば、やがて活路が生まれます。

またその時点で融資が下りなくても、融資の条件で足らないところがあれば、事業者がそれを時間をかけて改善することで、次の申し込みで融資の可能性も見えてきます。

もし融資が厳しい場合は、銀行の貸借対照表に載らないファクタリングの利用も検討しましょう。

そこで資金繰りが改善されれば、銀行融資の活路が開かれるはずです。

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