銀行から事業資金を借りる際のテクニック

更新日:2018/03/20
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事業者が銀行から事業資金を借りようとする時、誰もがスムーズに借りたいと思います。

しかし銀行融資には審査があるので誰でも簡単に借れるというわけでもありません。

そこには審査に通って意気揚々とする事業者もいれば、審査に落ちて落胆してしまう事業者もいます。

でも審査は結局、最後には銀行員という人間がする判断です。

また審査の過程では銀行員は色々な判断材料を使います。

それだけに事業者としては、最終的に良い結果を得るため、事前にその審査の判断材料をできるだけそろえて銀行審査に臨みたいものですね。

そこで今回は、その判断材料とはそもそも何があるのか、またそれらを良くするためには事業者は事前にどんな対策を打ったらいいのかなど、長年地方銀行の行員として、融資業務に携わってきた筆者が、自分の経験も織り込みながら、事業資金をうまく借りるためのテクニックを紹介します。

銀行から事業資金を借りる際のテクニック【審査書類】

決算書サンプル

まずは銀行から評価される決算書類作りが重要ポイントであり、銀行の審査は全て決算書から始まるといっても過言ではありません。

審査結果の8割は決算書で決まると言ってもいいほどです。

それだけに事業者としては、経営において、なにより決算書の内容を良くする努力を怠ってはなりません。

銀行はこれまで毎年、金融検査マニュアル※に沿って自己査定(格付け)を行い、融資取引先を1~10ないし11の区分にランク付けしてきました。

その格付けは決算書をベースに行われているので、決算内容が良好で格付けが上がれば、当然銀行から良い条件で事業資金が借れるようになります。
格付けに関する詳細は「銀行融資を受けられる条件は格付けランクで8割決まる」を参考にしてください。

それだけに経営者としては、決算の内容を良くして、時には税理士等、専門家のアドバイスも受けながら、常に銀行に評価される決算書づくりを怠ってなりません。

そのためには、銀行に疑いを持たれないよう、たとえば関係会社との資金のやり取りを明確にするなどの配慮も必要だし、いくら決算書を良く見せようとしても、粉飾処理などしてはならないのは言うまでもありません。

※検査マニュアルは、金融庁の傘下の銀行に対する方針転換で、2018年度末に廃止予定ですが、これからも決算書をベースとした銀行審査の基本は変わらないので、上記に書いた原則はそのまま続くものと考えています。

決算書で債務超過だけは避ける

赤字に落ち込む事業主

決算書作りで事業者に絶対避けてもらいたいこと、それは債務超過です。

債務超過とは、決算で利益が出ず赤字を繰り返した結果、当初の資本金を食いつぶし、実質会社の自己資本がマイナスになった状態の決算書をいいます。

仮に単年度に赤字が出ても、回復の可能性も含めて明確な理由があれば銀行はあまり気にしませんが、さすがに経営者から決算書が債務超過になった決算書を出されて、それで融資をしてくれと言われても、簡単に応じられるほど、銀行員のメンタリティは高くありません。

また仮に不動産担保があったとしても、決算書が債務超過なら借れないケースが多いです。

なぜならそもそも債務超過というのは、利益が常に赤字なので融資に対する返済財源がないし、第一、そのような決算書を銀行に出してくる経営者としての姿勢に銀行も疑問を持つからです。

粉飾することは絶対ダメですが、少なくても銀行に決算書を出す時には、債務超過状態だけは避ける経営努力をしてもらいたいと考えています。

銀行から事業資金を借りる際のテクニック【融資条件】

振込融資のイメージ

資金使途の明確化と借入に対する返済能力の証明も銀行の審査要素です。

経営者から「会社は今黒字だから事業資金を貸してくれ」と銀行が言われたとしても、それだけで簡単に銀行は貸しません。

融資の申込では、どんな目的にどれくらい資金を使うのか、資金使途と必要金額について根拠を示して明確にする必要があります。

また資金使途が明確になると、それではその資金は何で返済するのか、それもきちんと銀行に示さねばなりません。

借入金を運転資金に使うなら、返済財源は売上代金なのか、他の資金繰りから払うのかなど、明確にする必要があります。

また借入金の目的が設備資金なら、発注書等で必要金額を明確化するとともに、決算書で返済能力があることを示さねばなりません。

一般的には長期資金の場合、返済財源については

税引き後利益+当期減価償却費 > 返済期間(融資期間)で計算した要年間返済額

を満たす必要があります。

また必要に合わせて、資金繰り表や返済計画書も作り、返済に対する説得力を高めねばなりません。

担保があれば積極的に活用する

融資条件のひとつに担保があります。

もし事業資金の融資申込に出せる担保があれば、極力利用すべきだと筆者は考えています。

担保のイメージ

担保に使える物件は色々ありますが、何といっても銀行が好きなのは不動産担保です。

とりわけ土地は、日本社会では物件としての価値も安定しており、いざという時換金が容易なので、銀行融資の担保としては最も利用価値が高いです。

そこでまずは不動産担保中心にさらに詳しく解説します。

不動産担保付き融資

不動産担保付き融資では、担保が銀行の貸出リスクをカバーしてくれるので、無担保融資に比べて、事業者は資金借入で色々なメリットが得られます。

たとえば

・借入金利が下がる
・融資額が増える
・融資期間が延ばせる

などです。

ただし不動産担保では担保価値が重要で、仮に事業者が担保の時価一杯借りたいと希望しても、実際銀行は担保評価を時価の6~7割程度にしか見ないので、満額借れないうえに、土地の立地条件が悪いと評価はさらに下がります。

不動産担保のイメージ

私が勤務していた地銀でも、不動産に根抵当権を設定する時、物件価値の64%しか担保評価として見ていなかったので、これは他行でもあまり変わらない原則だと考えています。

さらにもし、不動産を担保に出す意思があるのなら、銀行でなく信用保証協会に直接担保を出すのもテクニックのひとつです。

信用保証協会なら、銀行より評価をやや弾力的に見てくれる可能性もあるし、しかもその担保はどの金融機関の融資にも使えるので、担保として汎用性が高いです。

しかも根抵当権設定時、銀行なら登録免許税が4/1,000掛かるのに、信用保証協会だと1.5/1,000しか掛からないのでさらにお得です。

※別に「不動産担保ローン」という名のローンがありますが、これは厳密には上記の不動産担保付き融資とは違います。

不動産担保ローンは個人ローンの一種で、資金使途は自由ですが、事業資金には使えません。

その他銀行融資で利用できる担保の種類には以下のようなものがあります。

債権担保融資 決算書に計上してある売掛債権が担保として利用できます
有価証券担保融資 株式、公社債など
預金担保融資 定期預金
動産担保融資 特許権、意匠権、実用新案権など無形固定資産

これらの担保の注意点は、不動産担保同様、それぞれ担保評価に対する掛け目が違っており、また取引途中で担保の銀行評価が下がる場合があることです。

そのため、もし担保の再評価の結果、担保価値が融資額を下回った場合、場合によっては銀行が追加担保を求めてくる場合もあります。

保証人があれば用意する

人的担保のイメージ

最近は保証人制度についても、大きな変革の流れが起こっており、金融機関でも事業に関係のない第三者保証は取らない動きが強まっています。

たとえば信用保証協会付き融資などでは、債務者が法人の場合、会社代表者以外、融資の連帯保証人を取らなくなっているし、個人事業主に対する融資なら連帯保証人は必要ありません。

しかし銀行融資では、事業者側から申し出のあった保証人まで拒否することはないです。

もし事業者が融資で保証人が立てられるのなら、融資を容易にするためそれもいいと思います。

ただし昔の融資のように、ただ漠然と経営者の配偶者や親兄弟等を形式的に保証人にすることは現在では認められていません。

あくまで銀行としても、融資の保証人として受け入れる以上、保証人は確実な資産背景があり返済能力が高い人であることが前提です。

その点も事業者はしっかり押さえておいてもらいたいと思います。

銀行から事業資金を借りる際のテクニック【銀行への対応】

どのような融資サービスにも共通して言えることですが、まずは借入を少額融資から始め、最後に高額融資へレベルアップしていくのが基本的な考えです。

同じように銀行で事業資金を借りる場合も、いきなり高額の資金申込をしてはいけません。

結果を急がず、まずは必ず少額融資から始めるようにして下さい。

秘書の笑顔

いきなり高額で申込みすると、その申込者に融資実績のない銀行はそれでなくても対応は慎重になります。
そこは必要な資金のことはぐっと我慢して、まずは少額融資で実績を作り、徐々に取引拡大を目指して下さい。

そうすれば銀行も安心して融資の要請に弾力的に応じてくれるようになります。

急がば回れの精神です。

融資相談は複数の銀行にすること

競争原理を利用して、事業資金は単独の銀行に依頼するのでなく、複数の金融機関に申込するテクニックもあります。 

銀行はできるだけ融資取引先を増やし、貸出残高を増やしたいニーズがあるので、もし申込者が複数の金融機関に申込していることが分かると、競争原理が働き、できれば他行より早くその顧客を自行の取引先として取り込みたいという気持ちが働きます。

さらに相互の金融機関が意識して、融資金利自体を下げてくる可能性もあります。

秘書の笑顔

とにかく事業資金を有利に借りて、しかも金利交渉をうまく展開させるためには、複数の金融機関で申込し、できれば申込する金融機関も違うタイプの金融機関にすることも必要です。
たとえば地銀と信用金庫、県内銀行と他県に本店がある銀行の県外進出店舗などの組み合わせなどがベストです。

それぞれ金融機関の特徴も違うし、審査の難易度も異なります。

片方の審査がダメでももう一方で審査に通る可能性もあるし、とくに他県から進出してきた県外店舗は融資特化店が多いので、融資条件も緩いケースが多いです。

利用価値が高いので、事業者は近隣に他県から進出してきた銀行店舗があるかどうか、まずチェックしてみて下さい。

融資担当者・得意先係、支店長と親密度を上げておく

融資の申込み前に銀行の融資関係者と親密度を高めておくのは、融資審査を優位に進めるためにも王道のテクニックです。

親密度を高める方法はいくつかありますが、私の考える方法は以下の3点です。

■経理部長等部下任せにせず、会社代表者自ら、銀行への定期的訪問を行い関係者との親密度を上げること

特に年次決算書ができたら、必ず1ケ月以内に銀行を訪問し、決算内容について直接融資関係者にブリーフィング(事情説明)することです。

その際、代表者は会社の決算内容を的確に説明できるよう十分事前準備しておいて下さい。

■銀行に対する信頼感を高めるため、資金繰り表の定期的提出

経理業務がしっかりしている融資取引先なら、毎月きちんと資金繰り表を作り分析して経営に活かしているはずです。

また同時にその資金繰り表を、取引している全ての金融機関に出すことで、財務がしっかりした会社として信頼感を高めることもできますのでぜひ実行して下さい。

■経営に関する相談ごとがあれば、極力、一番に銀行に相談すること

融資制度や融資審査に関する質問も含めて、何か相談ごとがあればまず銀行へすることが肝心です。

それがいざという時、融資の審査にも活きてきます。

銀行には中小企業診断士など、経営に関するプロもおり、標準的な質問なら組織的に何でも回答してくれます。

しかも銀行なら何を聞いても相談料は掛かりません。

これが民間の経営コンサルタントなら有料相談となってしまうし、顧問の税理士や公認会計士でも相談業務は別の有料のケースがあります。

そういう点では銀行は利用価値が高いと思います。

融資申込予定の銀行で総合取引を活性化させておく

銀行というのは融資に特化した金融機関ではありません。

円預金に及ばず、外貨預金、国債、投資信託、保険など各種の金融商品がそろっているので、融資申込前から経営者は意識して、その金融機関で各種商品を利用しておくのがいいと思います。

特に金融機関は、給与振込、年金口座など、一度振込口座指定を受けると、後は苦労せずどんどん資金が入ってくる仕組みが大好きなので、可能な限り銀行に協力して、会社従業員の給与振込指定や経営者の父母の年金受取口座の指定など、事前にやっておくべきです。

自己資金をできるだけ充実させる

事業資金申込に際しては、どれくらい自己資金を持っているか、銀行にアピールするのも大事です。

理想は、常に申込予定の融資金額を上回るほどの自己資金を持っていることですが、なかなかそんな優良な会社は少ないので、あくまで事業者としては、融資額の10%~20%程度は自己資金で用意できるという姿勢を銀行に示すことが大事です。

またこれは特に日本政策金融公庫などの融資審査で大事な点ですが、自己資金の証拠作りも大事なポイントです。

日本公庫の審査では、申込者から預金通帳を提出させて自己資金を確認します。

その際、見せ金のように、いきなり通帳にどこからか出所不明のお金が入ってきている通帳を見せて、これが自己資金と経営者が主張しても、日本公庫は疑うだけなので、それは止めておいた方がいいです。

むしろ日頃からコツコツと積み立てて自己資金を貯めているような経営者の姿勢が評価されます。

これは銀行融資でも同じなので、ぜひ融資申込みに当たり、通帳を銀行の担当者に見せてアピールして欲しいと考えています。

ちなみに銀行の場合、融資申込で通帳の提出を言わないケースが多いので、むしろその効果は高いと思って下さい。

銀行と関係の深い有力な取引先・関係者から紹介を受ける

銀行は融資も実績主義と言いましたが、これは人間関係でも同じです。

全くの飛び込みで窓口に融資を初めて申込してきた事業者より、日頃から銀行と濃い取引をしている有力なお客様や、司法書士・税理士など、日頃の銀行業務を通じて関係の深い専門家から、銀行が融資先の紹介を受けると、やはり銀行員としても一定の配慮はせざるを得ません。

仮に紹介先の審査が厳しいとしても、紹介者の顔を潰さないためにも、どうにかして審査が通るための方法を一生懸命模索してくれるでしょう。

それが紹介者ルートで事業資金を申込するメリットです。

そのような関係者がいないか、ぜひ自分の周りの人間関係を一度チェックしてみて下さい。

銀行から事業資金を借りる際のテクニック【その他】

正規なプロパー融資をすぐに借れない時には、銀行ビジネスローンを使うのも方法としてあります。

以前の銀行はビジネスローンの販売はそれほど積極的ではありませんでしたが、最近は様相が変わってきています。

ネットで申し込むイメージ

個人向けカードローンでも、異なる顧客層向けに色々なタイプのカードローンを販売しているように、銀行も事業融資で、従来のプロパー融資に加えて、本格的にビジネスローンを販売するようになってきました。

銀行のビジネスローンの特徴は、審査をスコアリングで判定することです。

顧客の融資条件をスコアリングモデルに入れて、自動判定の結果、合否を判定するので、プロパー融資に比べて、ビジネスローンは審査時間も早くなり、当然今のインターネット申込にも対応できるようになっています。

全般的に銀行ではこのようなビジネスローンの取扱いが増えているので、これからは事業者も正規なプロパー融資を借りる前に、先にビジネスローンを借りて、実績を作っておくという方法も考えてもいいと思います。

筆者のおすすめは三菱UFJ銀行のビジネスローン「融活力」です。

最大融資額は5,000万円、借入金利は年2.1%~9.0%、返済期間最長3年、原則無担保、第三者保証不要の融資商品です。(2017年12月現在、東京商工会議所メンバーズビジネスローン専用のケース)

参照:三菱UFJ銀行(外部サイト)

ただしこのローンでは、法人に対する融資には代表者が連帯保証人になることが必要です。

また申込はインターネットが利用できますが、正式申込や契約には受付店舗への来店が必要になります。

さらに業歴は2年以上、決算書は2期分必要、直近決算で債務超過でないこと、申込時に税金の未納がないことなども条件です。

消費者金融等、ノンバンクのビジネスローンは最後に借りる

ビジネスローン会社イメージ

あまり銀行取引に知識のない事業者は、ファイナンス(資金調達)の方法なら、銀行も、消費者金融やビジネスローン会社等、ノンバンクからの調達方法もあまり差がないように理解しているでしょう。

しかしこれが大きなまちがいなのは、最初にノンバンクからお金を借りて、後で銀行のプロパー融資や信用保証付き融資、日本公庫の融資を借りようとしたらよく分かります。

かなりのケースで融資を断られることになります。

特に地銀以上ではこの傾向が強く、銀行の審査前に決算書に、ノンバンクから事業資金を借りていた実績が入っているとかなりの確率で審査に落とされます。

これはその経営者が事業資金の借入で、低金利の公的融資や銀行融資を借りる前に、金利の高い融資をノンバンクから受けてしまった経営者の姿勢を銀行が問題視してしまっているからです。

もちろん筆者もノンバンクからの資金調達を否定するものではありません。

経営者がどうしても急ぎで資金が必要ならば借りてもいいと思います。

しかし資金を借りる王道から行けば、まずは低金利の公的融資や多少手間が掛かっても安全度の高い銀行融資から始めて、次の段階としてノンバンク等から資金を借りるべきと考えています。

ぜひこの資金の申込優先順位だけはしっかり頭に留めておいて下さい。

事業資金でプロパー融資など、窓口融資を使わず銀行カードローンをうまく使うテクニック

ATMキャッシングのイメージ

事業主は銀行窓口で事業資金を借りるだけでなく、銀行カードローンをうまく利用して、事業資金をカバーできる方法も使えます。

特に個人事業主などは、売上が減って利益が少なくなると、自己資金の多くが事業資金に回され、さらに役員報酬も取れなくなり、どうしても生活費が厳しくなることもあります。

そのような場合、一時的に銀行カードローンから借りて生活費をカバーするという方法も使えます。

いずれにしてもカードローンは弾力的に色々な目的に利用できるので、できれば事業者も銀行カードローンを最低1~2枚は持っておきたいところです。

そのような場合、利用者におすすめなのは、みずほ銀行カードローンです。

みずほ銀行カードローンは口座開設が必要ですが、インターネット申込もでき、法人経営者・個人事業主とも利用できるカードローンです。
資金使途は自由ですが、ただし事業資金は除きます。

みずほ銀行カードローン

最高限度額は最高800万円、金利は年2.0%~14.0%、利用限度額に応じた所定利率となりますが、銀行カードローンのなかでもトップクラスの低金利となります。

返済方法は、借入残高に応じて残高スライド方式が適用され、10,000円~の毎月返済額が決められています。

みずほ銀行カードローンの利用には、保証会社でもある株式会社オリエントコーポレーション(以下、「オリコ」)の保証が受けられる必要がありますが、信販会社としても実績のあるオリコであれば安心して審査を任せることができます。

みずほ銀行自体がメガバンクという信頼性もありますが、保証会社も大手のオリコである点もみずほ銀行カードローンをおすすめする理由のひとつです。

銀行から事業資金を借りるテクニックとしての公的融資の使い方

銀行から事業資金を借りる時、同時または事前に公的融資を使うのもひとつのテクニックです。

銀行は良くも悪くも実績主義なので、資金を申込してきた事業者に対して、信用保証協会や日本政策金融公庫など公的機関が融資に前向きだとか、すでに融資に応じていたら、銀行としてもそれを前提にして審査を行います。

当然結果は良くなる場合が多いです。

信用保証協会付き融資

信用保証制度とは、金融機関の融資において、中小企業等で信用力に乏しい事業者が融資を借りたい時、信用保証協会がその事業者の公的保証人となることで、その貸出リスクをカバーし、金融機関が融資を実行しやすくする制度のことで、事業者が借りた融資を保証協会付き融資といいます。

信用保証付融資のイメージ

なお、この保証付融資を借りるためには、債務者は保証協会に対し、その対価として保証料を支払う必要があります。

公的融資なので、一般の銀行融資に対する保証のほか、事業実績が全くない新規事業開業のための創業融資制度もあります。

日本政策金融公庫の融資

日本政策金融公庫イメージ

日本政策金融公庫(略して日本公庫)は国100%出資の政府系金融機関です。

2008年10月、かつての国民生活金融公庫(通称国金)や中小企業金融公庫・農林漁業金融公庫が合併し、日本政策金融公庫になりました。

日本公庫は、信用保証協会付きと同様、政府系金融機関の一員として、信用力に乏しい中小企業・零細事業者にも、金融円滑化のため、積極的に融資面からサポートしています。

特に信用保証協会以上に、創業者に対する新規開業資金の貸出実績が多く、多くの事業者から頼りにされています。

さらに企業再生貸付資金、企業育成貸付資金等の目的別制度融資もあるため、事業者としても融資の実績作りのため、ぜひ一度は日本公庫からも融資を受けておくべきと考えています。

銀行融資をカバーしてくれるその他の資金調達方法

事業者が必要な事業資金の多くは銀行融資に頼るべきですが、銀行融資を側面からカバーしてくれるその他の資金調達方法もあるので、知っておいて損はないと思います。

地方自治体の制度融資

都道府県・市区町村単位で、地方自治体があっせん窓口となり、民間金融機関に融資を働きかけてくれる制度融資というものがあります。

制度融資では、必ず信用保証協会が申込者である事業者の公的保証人となります。

融資の金利以外に別途保証料が掛かりますが、制度融資では、その保証料も保証料補助制度があるとか、あるいは借入金利を税金で金利サポートしてくれるので、制度融資を利用すれば色々な特典が得られます。

ただしこの制度融資は、申込で多額の自己資金の準備が必要になるとか、申込から融資実行まで時間が掛かるため、起業等の新規開業者資金には不向きな点もあります。

しかし特別資金を急がず、また自己資金もある程度用意できる事業者なら、この制度融資は低金利・固定でしかも長期間利用できるので、ぜひ検討されてはいかがでしょうか。

助成金・補助金

国や地方自治体には、経営者が事業で利用できる助成金補助金の制度があります。

基本的にこれらの利用には金利も掛からず、無料で利用できるものが多く、もし受けることができれば大いに事業資金の足しになります。

ただし支給申請に当たっては、色々と支給条件も付いてくるので、助成金等を確実に手にするため、できれば助成金・補助金申請を得意とする経営コンサルタントなどの助けも借りて、申込したらいいと考えています。

ファクタリング

ファクタリングは、会社の決算書の中に売掛金等の売掛債権があれば、利用ができる資金調達方法のひとつです。

売掛金を回収期日前に、ファクタリング会社に売却して資金調達します。

2社間ファクタリングのイメージ

ファクタリングは債券の売買であり融資でないので、その事実が決算書に残りません。

ファクタリング利用後、取引している銀行に決算書を出しても、その事実を銀行に気づかれる心配はないので安心です。

事業者としても、ファクタリングを利用できれば、資金調達の方法がひとつ増えるので、ぜひファイナンスの方法として覚えておいて下さい。

まとめ

銀行から事業資金を借りる際のテクニックについて、色々な視点から解説してきました。

しかしこれで全て紹介できたわけでなく、事業者の事業規模や決算内容、銀行との取引年数など、色々な要素が加わることで、これら以外の効果的なテクニックがまだまだあると考えています。

ただ基本的な融資テクニックはこの記事で網羅していますので、これらを参考に、後は事業者が自分の会社をよく分析して、どのようなテクニックが実際に使えるのか、じっくりと検討してもらいたいと考えています。

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